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【ひきこもり】助けてと言える社会に~ネガティブイメージを払拭しよう~

川崎市殺傷事件が全国のトップニュースになってからというもの、「ひきこもり」のイメージは「何を考えているかわからない」、「何をするかわからない得体のしれない存在」といった恐ろしいものになってしまったようだ。

ネットの匿名掲示板には、精神疾患やひきこもりに関する過激な言葉が飛び交い、犯人が実名を掲載しなかった期間も様々な憶測が飛び交った。

それだけ衝動的かつ残虐性の高い事件だからこそ、人々の関心は犯人のバッググラウンドに注目するのは当然の流れだ。

だからといって、ひきこもり予備軍も含め、すべてのひきこもりがこのように重大な犯罪を起こすわけではなく、むしろそのような人は少ないのではないかと考える。

ひきこもりでも、理由があってひきもらざるを得なかった人も多くいる中で、長期化高齢化するにつれてますます解決の糸口を見つけられず、家族や親族に見放され、より孤立する人も多いだろう。

2001年に池田小児童殺傷事件が起こった時も、犯人は精神障害者のふりをして刑を免れようとした経緯がある。精神障害者は通称マルセーと呼ばれ、実名は公表されない。結局何の罪もない精神障害者に対しての偏見は一層強まった。

誰も教えてくれない。

8050問題(親が80代、子が50代)なんて言われているけれど、ひきこもりから脱却するにはどうすればいいのか、どこへ行けばいいのか、誰が教えてくれるのだろう。

今回の容疑者(既に死亡)の同居していた親族はなんと14回も市の精神保健福祉センターに相談に行っていたというが、センターは何をしていたんだろう、というのが私の感想だ。

全国に最低1ヶ所は精神保健福祉センターが設置され、広くこころの健康相談を受け付けているが、はたして機能しているのだろうか。

そもそもこれだけ8050問題が深刻なのに、受け皿はどこにあるのだろうか。精神保健福祉センターがダメなら、市役所、それでもダメなら保健所、地域生活支援センター、ありとあらゆる支援機関を頼ってもそんなに簡単に解決できる問題じゃないことはわかる。私も試行錯誤の上、あちこちの支援機関を渡り歩いたことがある。素人ながら5つの提案をしてみる。

1.壮年期デイケアを創設する

39歳までの思春期・青年期デイケアというのは存在するが、この際壮年期(40歳以上)を創設してみてはどうだろうか。若い人は若いというだけでアドバンテージだ。デイケアはさっさと卒業し、早くから就職することを目指す。しかし40歳以上になると、社会との接点がなくなってひきこもり20年以上という強者も多い。そうすると職業訓練の前に家を出るのも一苦労だし、「家族以外の人と話す」ということから始めないといけない。壮年期デイケアは同世代の人との交流もあり、居場所としても機能する。初めの一歩は公的施設が適当だろう。

2.空き家を買い取り、一人暮らし用アパートを用意する

全国にある空き家を国や都道府県が買い取り、親なき後のひきこもりが自立して暮らせるようにアパートを用意する。世話人はシニアボランティアと見守りロボットが行い、何かあった時は24時間かけつけるサポートを整える。アパートは預貯金がふんだんにあればそれで足りるが、貧困層は一時的に生活保護を受給する。(自立できれば生活保護から脱却する)

3.ひきこもりワンストップサービスを用意する

相談したいけれど、どこにいったらいいのか分からない、支援機関をたらいまわしにされる、保健師やソーシャルワーカーが忙しくて相手にしてくれない、といったマンパワーの問題は、ひきこもり支援を専門とした部署を創設する。名称はひきこもり総合支援センターでも何でもよい。ひきこもりに詳しい専門家やピアスタッフを用意し、適宜訪問する。民間の企業やシニア層にも協力してもらう。当事者や家族の交流会や勉強会など無料で参加できるサービスを充実させる。

4.ひきこもり大学を創設する

ネーミングセンスはいまいちだが、壮年期のひきこもり向けにオンラインで授業を展開する。「〇〇年ぶりの社会復帰の前に心がけること」や「ひきこもりながら働く方法」などひきこもり経験者ならではのコンテンツはひきこもり当事者が随時Upできる。上から目線ではなくフラットな関係で、オンラインやチャットでやりとりできる。ただしこの手の掲示板などはトラブルも多い。だから自由とはいえある程度のルールは必要だ。

5.ひきこもり御用達の美容院を作る

美容院はひきこもりにとってハードルが高い。いまだに私も美容室には行けず、1,000円カットやセルフカットを利用している。器用な人はセルフカットでもいいかもしれないが、ずっとというわけにはいかない。ひきこもりでも緊張せずに行けるような美容院があればよいと思う。

最後にひきこもり真っただ中の方へ

自分以外の誰もが輝いていて幸せそうに見えるが、みんないろんな事情を抱えながら生きている。私もその一人だ。人に言えないことなんて山ほどある。強烈なカルチャーショックも受けた。自分を卑下することなく、一歩踏み出す勇気を持ってほしい。法律が改正されても、ひきこもり施設が整備されても、誰かが助けてくれるわけではない。何も悪いことをしていないのなら、堂々とすればよい。明日は何があるかわからない。プライドを捨てて3歩進んで4歩下がっても、3歩進んだのならそれだけで前進だ。親のために生きるのではなく、自分のために生きる。結果的に誰かのために生きることができたら素晴らしい。

8050問題が深刻だといいつつ、取材だけで具体的な提案をしないジャーナリストもいる。これからは思いついたことはどんどん発信・提案をして、ひきこもりが生きやすく、またひきこもりに対するネガティブイメージが少しでも払拭することを願ってやみません。

ありがとうございます!あなたに精一杯の感謝を!いただいたサポートはモチベーションアップに。これからの社会貢献活動のために大切に使わせていただきます。これからもどうぞよろしくお願いします。