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年度末は子どもの物を片づけるチャンス!

おはようございます。
2月に入り、今年度もそろそろ終わりが見えてきました。慌ただしさ、寂しさと共に、進級や進学に期待をもつ子どもの姿が見える時期でもあります。
成長と共に、子どもは自分が大きくなるということを自覚し、楽しみにするようになります。進級や進学のように、目に見える形で成長を感じられるタイミングは特に嬉しいものです。

今日は、そんな子どもが自分の成長を喜ぶタイミングを片づけのきっかけにする、という内容で書いてみたいと思います。

「お兄さん・お姉さんになる」という気持ちが、持ち物を整理する基準に使える

子どものものが片づかない、と悩んでいる方が挙げる理由の中に、「子どもが捨てたがらない」「なんでもとっておきたがる」というものがあります。
子どもは宝物をみつける名人です。
散歩でみつけた石や木の実。
プレゼントを包んでいた包装紙。
心の琴線に触れたものは宝物として大切にとっておきたがります。

とはいえ、それを全て受け入れると大変なことになるのも事実。
広大な面積を誇るお屋敷ならいざ知らず、一般的な家庭では収納に限りがあるものです。子どもの気持ちを大切にしたいと思いつつ、なんとか子どもの宝物を整理していかなければなりません。

子ども自身に選ばせようとしても、まだ視野が狭く、先を見通すことが難し子どもにとって、何かを選ぶというのはかなり難しいこと。
特に基準が曖昧で、子どもがイメージしにくいものだと、選ばなくてはいけない理由が分からないので余計に難しくなります。
こだわりが強い子だと、大人の理由を押し通そうとすると反発して、「絶対捨てない!!」と意地になってしまうこともありえます。

子ども自身に選択してほしい場合、基準はできるだけ具体的に、分かりやすく、子どもがイメージしやすいものにした方がいいです。

つまり、進級や進学というタイミングは子どもの選択基準にぴったり!
もちろん、年齢や性格など、個人差はあります。必ず全員に当てはまるわけではありません。3歳児くらいからを目安にしていただければいいかと思います。

「お兄さん・お姉さんに似合うか」という基準で持ち物を見ていく

「お兄さん・お姉さんになる」ということは、子どもにとってカッコイイこと、素敵なことというイメージ。特に日常的に目にする対象がいると、イメージはより具体的になっていて、「自分もあんなふうになるんだ!」と期待に満ちています。

そんな素敵な「お兄さん・お姉さんになる」時に、今の自分の持ち物は似合うかな?という基準で、持ち物を見直してみてください。

たとえば、「お兄さん・お姉さん」ってどんな感じ?と子どもに聞いてみます。
字が読める年齢なら、子どもから出てきた言葉を紙に書いて見えるようにしていきます。まだ字が読めないなら、なんとなくイラストで表現してもいいですし、次のクラスの名前を絵にしてみるのもいいと思います。
ここで大事なのが、『見える化』です。
ただ言葉にしただけではすぐ忘れてしまいます。持ち物を見直すなら余計に、他に考えることが出てくるので忘れやすくなるでしょう。また、『見える化』することで、子どもと大人のイメージを共有化することもできます。
同じ言葉でも、大人と子どもでは受けるイメージが違うことが少なくありません。
子どもに尋ねながら、見える化しながら、一緒に基準を共有していく時間は大切です。

その紙を床やテーブルの上に置いたら、持ち物の見直し開始!

「お兄さん・お姉さん」の基準に合うものは紙の近くに置いて、合わないなと思うものは別のところに置いていきます。
場所をとるやり方ですが、実際に動かしてみた方がより子どもには分かりやすくなります。動かしてみた物を見て、「やっぱりこれは合わないかも」と考えるきっかけになりますし、自分が選んだ基準が目に見える形になっているので、途中から混乱することも少なくなります。

ここで大事なのが、大人の基準を持ち込まない、ということ。

あくまで決めるのは子ども自身。
決めることが難しい年齢であれば、大人の手伝いは必須になります。でも、決定するのはできるだけ子どもで。
大人の基準を持ち込んだ場合、子どもの納得感が減少します。
自分で決めて、自分で選んだ、ということが大切です。
大人からするとかなりもどかしく、イライラすることもありますが、そこはぐっと堪えたいところです。

「基準に合わないけど、でも、大事なもの」という感情は大切に

基本的に、子どもが決めた基準に合うものを残し、合わないものは処分していきます。
でも、全てがそんなに綺麗に分けられるわけではありません。
「お兄さん・お姉さん」が持つ物としては子どもっぽい。でも、悩んで悩んで選んで買ってもらったものは、思い入れが強いので手放すのが惜しいものです。
大好きなお友だちにもらったものも、なかなか手放しがたいでしょう。

そういう感情は、子どもの情緒を育てる上でとても大切。
基準に合わないから、と処分するより、「そっか、大事なものだもんね」と受け止めて保存してあげたいもの。
ただ、普段使わないものだったり、見ないものだったりするなら、クローゼットや物置の奥の方に片づけてもいいかもしれません。物を残すというより、子どもの感情を大切にする意味合いが強いので。

また、まだ使うかも……と悩んでいるものは、すぐに処分せずに一度見えない場所に移動するのも手です。

やっぱり使う!という時は出してくればいいですし、数ヶ月様子を見て、全く使わないなら処分すればいい。
すぐ捨てられてしまう、と思うと、子どももなかなか決められないかもしれません。一度は捨てていいと思ったけど、後から捨てたことを後悔すると、捨てることに抵抗を感じるようになります。
そして、その後どんどん物を捨てられない、片づけられないようになっていきます。

選択を間違っても大丈夫、という安心感は必要です。

新しい物が増えることで、今まであった物を処分することができる

進級や進学をきっかけに、新しく買う物がありますよね。
小学生になれば、ランドセルや自分だけの机を買ってもらう、という子が多いもの。どんな色にした、とか、どこで買った、とか。嬉しそうに話してくれます。
乳児クラスから幼児クラスに進級する時に、自分用のリュックを買ってもらう子もいました。
これまではお父さんやお母さんが荷物を持ってくれましたが、幼児クラスになると、自分の荷物は自分で持つことになるので、リュックが必要になるのです。
ある女の子は、乗り物がたくさんプリントされたリュックを得意げに見せてくれました。
お母さんとしては、柄も色も男の子のようで……と気にしていましたが、その子にとっては自分で選んだお気に入り。大事に大事に扱う姿が私の記憶に残っています。

新しく物が増えるということは、その分のスペースが必要になります。子どもにとっても、物を処分する必要性が分かりやすいです。

新しく机を置きたいのに、こんなにおもちゃがあったら置けないよ。どうする?
年中さんになって新しい靴を履きたいなら、今ある靴をどれか片づけないと、置く場所がないよ?
などなど。

ここで大事なのは、物を買うことを諦めさせるのではないということです。ドキドキわくわくの新年度準備の期待感を活かして、これまでの持ち物を整理して、新しい物を迎える。そのためのやりとりだということが大事です。
「これがあるんだから、いらないでしょ!」というやりとりとは、分けて考えていただきたいところです。

子どもは判断に時間がかかるもの、焦らずにすむ予定を組む

ここまで読んでいただくと、「かなり時間がかかりそう……」と思われるでしょう。
正解です。
子どもの判断は時間がかかるものです。
特に初めて行うことは、大人の想像の倍以上かかると思っていいです。

でも、その時間が重要なんです。
言われたから、叱られたから嫌々片づける、物を捨てる……ではなくて、自分で考えて、自分で決めて片づけて、物を捨てる。考える時間、決める時間をちゃんと確保することで、子どもは自分で考える、決めることができるようになります
言われたことをやっているだけでは、いつまでも自分でできるようにはなりません。何事も経験を積み重ねていくことが大切です。

一度に持ち物全てを片づけようとすると大変なので、数回に分けて、ちょっとずつ進めるのがいいと思います。
大人も大変ですし、子どもの集中力も続きません。
子どもの集中力が切れると時間ばかりかかるようになって、大人はさらにイライラすることになります。ただでさえ大変な片づけが、さらに辛い時間になってしまいます。
ゆる~く計画を立てて、予定に入れてみてください。
子どもが初めて片づけをするなら、半日がかりで一カ所終わるかどうか、くらいのゆるさがいいかもしれません。大人感覚で計画を立てても、絶対うまくいきません。
年度末の慌ただしい時期ですから、時間も気力も限られます。
ゆる~く考えて、計画をして、やれそうなところから取りかかってみる。
はじめからハードルを挙げず、ゆるく始めていただけたらと思います。

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