見出し画像

残念な世界遺産

蘇州へ行った。蘇州の拙政園といえば、世界遺産で中国国内でも最大級の庭園である。
もう、めちゃくちゃ期待してた。悪い口コミなんて1つもないし、蘇州は見所多いから、一日じゃ見きれないほどの魅力があるとも多くのサイトに書いてあった。

上海駅から新幹線で蘇州駅へ。こっちの新幹線は、飛行機に乗るくらい大げさ。まるで空港のような新幹線駅で、往復分の切符を購入し、乗ること30分。たった125元だった。(2000円)

拙政園を含む観光地が集まった街道に行ったら、すごく世界が灰色だった。どういう意味かというと、道も壁も空も灰色。色がない。人気はあるが、少し不安になった。

でも、世界遺産だしな…と思い、拙政園に入ると、なんという殺風景。風情を感じないステンドガラス。汚く濁った池、「庭園」には見えないほどの木々。もはや庭園じゃなくて、公園。紅葉はきれいだったが、それは庭園の美しさじゃない。所々、良いんだけど、豫園を広さ以外で超えてこない。そして、日本の庭園のレベルが高すぎて、どう頑張っても美しさが分からなかった。イングリッシュガーデンも、ウィーンで見た王宮庭園も、物凄くきれいだったのに。なんか雑。世界遺産の誇りが全然感じられなかった。むしろもっと、プライド持ってほしかった。

戻って街を散策しても、古い屋台ばかりで清潔感もない。ご飯を食べる場所もない。濁った川に船が浮いてて、これを「水の都」とか「東洋のベニス」なんてよくいうな、と思った。閑散としてて空気も悪くて不安になる。お店も、すごく貧しそうな雰囲気だった。

次に回った獅子林は、ゴツゴツした岩がたくさんあって、迷路みたいで楽しかった。あちこちに枯れた花がボロボロになっておいてあって、菊とか全部色褪せてるのに飾ってあって、縁起が悪いったら仕方ない。枯れた花は謎だったが、獅子林の方が楽しくて良かった。ここも濁った池がキツかった。

その後訪れた、蘇州博物館は、新しくて現代風の造りをしていて、見応えがあった。展示物も少ないが、質良く面白かった。それでも上海美術館の方が良かったが!

それ以外にも、留園や虎丘など、観光地はたくさんあるみたいだったが、最大で最高である、拙政園がイマイチだったので行く気になれず、蘇州に滞在したのは2時間にも及ばなかった。

中国庭園はレベル低いなあと思ったし、なぜ中国人は手先も器用で柄造りが上手なのに、巨大はダメなのかとも思った。日本人の庭師をチームに入れて、もっと全体的に清潔にして整備していかないと、見物品にはならない印象だった。これを良いとする口コミは、ただ広くて自然がたくさんある公園なら良いのか、それとも庭の見方やアートの見方を全く知らない素人ばかりが評価してるのか謎だった。世界遺産に登録されたのは、1997年。その後から一体何があったんだろうと思った。

日本は、川越や飛騨高山、日光などなど小さい観光地や田舎にある観光地でも、その付近は凄く、それなりに頑張ってると思う。お土産とかどこもイマイチで買うものないけど、それでも食べ歩きのお店がズラリと並び、その場で職人が何か見せてくれたり、お客を呼び込もうとあの手この手で盛り上げている。
蘇州は、せっかくの世界遺産、それを含む沢山の庭や林、博物館があるのにも関わらず、全然観光地化してなくて、そこに住んでる人も寂れてて貧しくて、なんかもう複雑だった。
そんな予感1ミリもしなかったから、想定外過ぎて。ココは発展途上国じゃない。中国は、貧富の差はあれど、ここは盛んじゃないといけないと思う。

#コラム #エッセイ #旅行記 #旅行 #観光 #世界遺産 #上海 #蘇州 #中国 #庭園 #文化

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?