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「書くを生きる」(詩)

どうせ 生きなくてはいけないのならば
私は 書いて生きる

物語りの欠片を拾い
あつい砂のうえも肌で信じよう
浜辺で ガラス編にあしあとを赤く色づけても
塩水に走りあがる 痺れを感じようとも
硬いアスファルトに 骨が痛くなっても
そろり 揺れる 草の影に
心を寄せて

生きていられる その間 
言葉をあふれさせていよう

小さな物語を いくつも書いていけば
あなたの目を いつか見ることもあるかもしれない
あなたの声を ほんの一音握りしめて
永遠に逃げ込めるかもしれない

どうしたって
生きることを 望み望まれる枷に
身を通したのだから

私は書いて生きる

死を書いて生き
生きていく その腕を書いて 息をさせよう

私の生を書くのは 私でなくてもいいのだから

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