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「宇宙の部屋のドアの外は」(詩)

子どもたちが入ってくると
わたしの部屋は少し明るくなる
ちょっとあつくもなる
細かい砂埃がもち込まれ
動きまわった体で
かわきかけた汗のにおいがする
力いっぱいに空気をゆらす
小舟で ゆらゆら していたわたしの意識が
大きな波に あわてだす
わたしだけで たゆたっていた
宇宙のなかの小部屋は
そうして 生活の渦の中に取り戻される
わたしの足先が 現実のほこりの上に立ち
やっとこさ ふとい息を吐く
おどろくほど弾む子どもたちに
わたしは 大きく 口をひらいた

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