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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2022年4月の記事一覧

絶望が (詩)

絶望に刺される夜 小船の上で 流れはゆるやか 河面にうたう赤は もっとゆるやか 絶望に吹きさ…

とし総子
2年前
4

みどりも若く (詩)

なぐさめられる いつも緑に はねて光が散る その花が終わり あの花が落ちて 風も香りをあらた…

とし総子
2年前
3

耳鳴り (詩)

耳鳴りが 私を舐めた 生温い風 ゆっくりと近づく雨の夜 明けない朝もいいだろう 灯された灯り…

とし総子
2年前
3

まぶた (詩)

まぶたの上を 撫でていく 水の感触は あなたが 水辺のそばにしゃがみこみ その手で漕いだ 揺…

とし総子
2年前
5

道は誘うもの (詩)

死を選ぶことはたやすい 飼い猫の手を握るくらい ほんのりとあたたかく 心安らぐ 機会を逃すと…

とし総子
2年前
3

いとけない (詩)

とにもかくにも 美しいんだ うつせるものすべてに うつしこんでしまいたい 瞳に 湖に 月面…

とし総子
2年前
6

なみだ (詩)

覚めてよ 赤い花 どうぞいっしょに 海に飛び込んで あの全てを焼く塩水に 共に痺れて隔たりましょう あのささくれの ながくて 深い根を切って ほんの短い個ををかぶって どうかここまで 千切れて 飛んで どうか ここで 何もかもがかえるらしいこの湾曲の先で 涙ぐましく 隔たりましょう

同じ朝 (詩)

白い馬が走る あの子の願った晴れた朝 いい夢を見て たくさんのどうしてをつめなおして また歩…

とし総子
2年前
4

しあわせ (詩)

たとえば 苦しいとか つらいとか いやだとか つらねて 死んでしまえた頃 それを跨いで 子供…

とし総子
2年前
2

若葉 (詩)

やさしい子に育ったとおもう それで充全だと思う 若い木の葉が いくらでも降って作った 青い青…

とし総子
2年前
2

星の下 (詩)

落ち込む やさしい音楽を手で払って たいした音のしない腕で囲む 星は出ているか 夜はふかくふ…

とし総子
2年前
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