見出し画像

絶望が (詩)

絶望に刺される夜
小船の上で
流れはゆるやか
河面にうたう赤は
もっとゆるやか

絶望に吹きさすられる昼
喉の奥に 悲劇が隠れる
いつ踊り出してやろうと
爪先が叩く
その軽やかなこと

絶望に触れる朝
頭ではわかっている
この道をただ真っ直ぐにいくと
名前も忘れたあの日で
出会えるということ

絶望ともたれあった日々
私に果たせない あれもこれも
その背に負っていたものを
おろさせてあげようと
差し出した手には
笑顔の絡まった口先が
へばりついていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?