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海を前にすると 私は海につくりかえられる 波は私を過ぎ 白い波の花は遠く背中の月に 耳から入…
電車に乗って 窓に張り付いて 海を見ていた ゆっくりと建物に隔てられていく波 時折 きらりと…
折れていくものがある 無数に それはまだ使える長さかもしれず 幾度も折った 指先のさきほど…
ペンも紙も選ばずに 土に指でも書いてやろう と、覚悟をしているけれど どうだろう このお気…
分かろうとして分かったこと どれほど分かったというの 言えるその口の端 舐めきれなかったク…
トカレフ かっこいい銃ね 私のこめかみが強請ってしまう カトレア なんて可愛い花なの 耳に挿…
あなたと向き合う水面 あなたは下に黙り 笑う わたしは上で藻掻き 水滴を零す たった一面の うすい水の膜のようなこれに どれほどの時空は重なっているのか あなたはかわらない目で微笑む 黒い水晶をはめそうになる思い出を やさしく正す あなたを見ていたい あなたのそばにいたい それは相反して私を暴れ泣かせる 静かに見つめることさえできれば おそらく心は添うのに そう呟いてみても 結局私は 水面に崩された水玉をつくる 水滴があなたを濡らすのも構えずに
わたしのどこかから 血が流れ続けている気がする それは見えないと言い張って 体の不調に隠し…
さぁ どうぞ 嫌いだったら、どうしよう されでもうつくしかったなら さぁさぁどうぞ ここ…
雨漏りがしてきたらいいな と思った 息を整える箱の中だと 外はざあざあ あーせいせい この…
知らなかったの あなた 弱っちくて あなた やわらかくて あなた すぐ赤くなる 知っていた…
ゆらゆらゆれる ゆうらり語る ゆらゆらゆれて ゆうらり舌を出し ゆらゆらゆれた ゆれをまわり…
黒い生キモノが好きだ 烏 黒馬 真っ黒なデビルまで 黒猫が死んでいた 小さな頭はへたりと空気…
燃え盛るのならば 咲きなさい 深く 深く その黒く焦げていく先から 落とす細胞の死を払って 咲きなさい 必死のちからで どうぞまさに 燃え上がる いいや燃え上がらなくてはいけない花よ 咲き続けなさい ただひとつ ただ旅の最中を 真っ直ぐに