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「とむらい」(詩)

あなたの言う通りにしてあげられたなら
良かったのかもしれない

思い出は
ただ思い出という域を出ず
静かに層の奥へと沈めてやれたなら
歌を泥だらけにせずに済んだでしょう

あなたの言う通りの未来が
私にあったならもっと笑ってくれたかもしれない

いつだってもしもは役に立たない
引き千切って
その滲む血を固くする力を信じなくてはいけない

溺れた胸は
誰の手で押されようと
もうかつてを吐き出しはしないだろう

あなたという終わりが見たい
あなたのいるそこに静かに未来を置きにいきたい

それだけなの

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