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自己紹介|初めてのnote

はじめに

長いこと書き溜めてきたものを、ふと、公開してみよう。と思い立ちました。

主に、好きなものをエッセイの形で紹介したいと考えています。
本や映画。漫画にアニメ。そして小さい頃からいつも傍らにあった絵本など。
出会った人、見聞きしたもの。ほかにもいろいろ。
公に書くという行為は今までほとんど体験がなく、拙い文章になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

先にお伝えしたい3つのこと

3点、お伝えします。
◯テクストの性質上、紹介した作品についてはネタバレ必至です。どうかご理解の上お読みいただけたらと思います。

◯紹介作品や参考資料の情報は、可能な限り正確に載せていきたいと思います。
記事のおおもととなった資料に興味を持っていただけたら、これにまさる喜びはありません。また、皆さんを通して、新たなものの見方を得られることもまた、同じくらい楽しみにしています。

◯文体は一貫性を欠いています。表記のゆれ、「です・ます調」と「である調」の統一性のなさには自分でもためいきがでます。うまく整えることはたいへん難しく、諦めの境地にありますが、誤字・脱字、事実誤認など、ご指摘いただけましたら幸いです。

自己紹介するにあたって、物語をひとつ

では、自己紹介するにあたって、大好きな物語を一つ、ご紹介したいと思います。

エノリア・ファージョン(エリナー・ファージョン)の作品、「レモン色の子犬」です。以下、部分的な要約です。


きこりのジョーはレモン色の美しい子犬を飼っています。その「クランバー・スパニエルの子ぞう」は、子犬を池に沈めようとしていた子どもから、ジョーがなけなしの3シリングで買ったものです。
天涯孤独のジョーにとってこの子犬は、はっと心がおどる存在、真にじぶんのものとなる犬でした。とてもとても大切だったのです。

この子犬が縁で、ジョーは王女さまと出会います。ラブ・レターを夢みる王女さまに、この若者は手紙を書きます。

普通に考えたら、とても渡せるものではありません。正気を疑われてもおかしくない、何しろ身分が違いすぎますから。
ファージョンは、1881年生まれのイギリスの作家です。背景にあった階級社会がどんなであるか、想像もつこうというものです。

しかし、「それをしたら、女の子が弱らないで助かるだろう」と聞かされたおとう﹅﹅﹅が、それをすることを勧めたのです。

「好きな人へ
あなたは、わたしの犬のようにきれいだ。だから、わたしはあなたがすきだ。」

エリナー・ファージョン. 石井桃子訳. ムギと王さま: レモン色の子犬, 岩波書店, 1993, 119p.
 

きこりのジョーは、無学で、字を書くのも上手ではありません。
できるだけ、大事なことだけを書きました。

「ジョーがたたんだ手紙は、ずいぶんまがって、インキのしみだらけになっていたけれど、十分読めた。なかに書いてあることのつぎに、ラブ・レターで、だいじなのは、そのことだった。」

エリナー・ファージョン. 石井桃子訳. ムギと王さま: レモン色の子犬, 岩波書店, 1993, 119p.

私は、幼いころに読んだ、この一文を、今でもしばしば思い出します。

なぜなら私はとても見栄っ張りで、何をするにも、まず体裁を取り繕うことに必死になってしまうのです。衣服、持ち物、時効の挨拶、お遣い物、人付き合い、それからそれから。

公開など夢にも思っていませんでした。
くり返しになりますが、私は本当に「ええカッコしい」で、称賛を得なければ我慢がならず、誹謗にたいへん弱いのです。
執筆の力量不足に自覚があり、たれかに読んでもらえるような、完全無欠には決して辿りつけないと考えていました。

けれども、だいじなことは、もっとも大切なことをかいつまんで書くこと。そして、インクの汚れや、字がゆがんでいること、あるいはヘンテコな文であっても、何が書いてあるのかが、相手に伝わることなのでした。


自分の中にしまってある大切をnoteに書こう、と思ったのは、だいたいこのあたりが理由です。

もちろん見栄っ張りなので、別の理由も沢山あります。
大っぴらにすると小っ恥ずかしい事情は、こっそり隠しているのです。
称賛を得たくて、そして誹謗はされたくないのです。けれどもそれは、よくよく考えてみれば、枝葉なことなのです。

ジョーのようにはいきませんが…どなたかに伝わったら嬉しいなあと思います。


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