見出し画像

【書評】文系の人にこそお勧めしたい理系入門書『儲けたいなら科学なんじゃないの?』

ホリエモンこと堀江貴文さんと元日本マイクロソフトCEOの成毛眞さんの対談形式のこの本では、まず前書で堀江さん成毛さんそれぞれ意見

『科学を知る事についてのメリット』を語ってくれている。

堀江さんは、商売においては少ないパイの奪い合いをするより、科学技術でパイを増やした方がいいよね。という事を人類の歴史から語ってくれている。

パイが増えるという事を、みんなここ数年で実感しているだろう。スマートフォンだ。今まで無かったものが発明され一般化した事で、一気に世界は広がり今まで無かったいろんな商売が産まれた

ほんの数年前までユーチューバーも、アプリ開発者もいなかった

科学知識でパイを増やせ、それは誰にでもチャンスがあるのだ。と堀江さんは僕たちに語ってくれている。


対して成毛さんの前書きで、逆張りをしろ。と語ってくれている。逆張りとはもともと株式投資用語で、値下がりしている株をあえて買いにでるという意味で長期投資に有利と言われている。

そして、人生は長い、まさに長期投資。であれば今、ビジネスマンの多くが文系であふれているこの時代、この世界で

『科学知識を持てばチャンスがある』

と語ってくれている。


二人の対談を目次から内容を抜粋してみると


「メディアに理系出身者が少なすぎる」←だから理系の報道が少なく理系脳な人間が育たない


「ホリエモンの宇宙旅行計画1 開発の現場から」←日本では数少ない宇宙開発を目指している堀江さんのロケット開発現場からの話はとてつもなくワクワクさせてくれる。しかもこの行動は逆張り。誰もやらないからこそ、トップランナーになれると取り組んでいる。


「AVメーカーはブルーレイに投資しない」←パナソニックのVHSビデオがソニーのβビデオに勝ち、世に普及した大きな原因は家でエロを見たいという欲求が大きかったと言われているが、エロビデオメーカーはブルーレイでのエロ動画製造に既に力をいれていないそれはなぜ?を語ってくれています。


「脳と意識」←ここから始まる生命の話は、バイオテクノロジー業界で生きている僕にはたまらなく面白い。

「がんは寿命を決定している」から始まる「寿命」や「永遠にヒトは生きられるのか」とかの話が始まる。

堀江さんの「がんは撲滅できるしヒトは永遠に生きられるようになるはず」

との主張と、

成毛さんの「生命は死なないといけない。がんは生命のアポトーシスだから無くならない」

との主張のぶつかり合いが、すれ違いねじれ進んでいく。

ここから始まる「子供はつくらなきゃいけないのか?」とか

「食料もエネルギーも金で解決できる」とか

一般的にそうだろう、そうしなきゃいけないだろうという僕たちの中に当たり前にある常識を打ち破る主張を常にする堀江さん。

その意見に対抗する成毛さんこの本の最高に面白いところかも。


最後に成毛さんのあとがきが、この本を読み終わってさらに理系の本を読みたいと思った上で参考になる書を多数紹介してくれている。

このうち半分は読んでいたけど、半分はまだ読んでなかった。

この本を読んだせいで、また読まなといけない本が増えてしまった。

この記事が参加している募集

定期購読も立ち上げ予定です。