他人の性的指向を笑うな
6年前に、保毛尾田保毛男問題というのが起こったことを覚えているでしょうか?
内容としては、フジテレビのバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」にて、80〜90年代に流行ったキャラクター「保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)」というキャラクターを30周年記念特番で復活させたところ、LGBT当事者やアライ(LGBTの理解者・支援者)の方々が、フジテレビに対して抗議し、フジテレビの社長が公式に謝罪したという件です。
詳しくはこちらの記事から読めます。
で、私は当時このニュースを観た際に、すごくうれしかったことを覚えています。それは、
「LGBT当事者を笑いものにすること」
に対して、しっかりと抗議できる時代になったことに嬉しく思ったのです。
そもそも、他のコント番組でも、例えば笑う犬の生活のてるとたいぞうとか、ピカルの定理のビバリとルイとかのコントとか、こういったゲイネタってものすごく沢山、コントとかで用いられていて、私も昔なら何も考えずに
「ホモの人たち気持ち悪ーい笑」
みたいな視線でみていたんです。
様々なバラエティ番組などで、ひと昔前なんて本当にホモはよく笑いのネタにされていましたけど、これってつまり、
「自分とは似ていない異質なものをバカにすることで快感を得る」
ということだったのかなーと。
私は思春期の頃には、自分がゲイだということを自覚していたのですが、コント番組は大好きでした。そして、普通に大笑いしながら観ていたのですが、でも、心のどこかで、あれ、これで笑っているってことは、ゲイの私も将来色々な人から笑われるってことなのか…。笑われるような存在なのかな…と思春期の頃は悩んだりしていました。
自分とは違う異質なものは笑ってもいいという価値観は、当事者からするとあまり愉快な笑いではありません。というより、たまったもんじゃない。
あの保毛尾田保毛男問題で、しっかり抗議の声があがったからこそ、今のコント番組でホモネタが取り上げられることは減ってきたのかなーと思います。やっぱり、本当に、ここ数年で、知識や理解や教育が進んだことで、
「今の時代にこの内容はアウトだよね」
といったことが、世間でも認識され始めている気がします。そういう意味で、配慮のないバラエティ番組の差別的なお笑いで、無駄に心を傷つけられてしまうLGBT当事者の人たち(特に若い人とか)が減っていくことが、私はとても嬉しいし、こういった抗議は表現の規制や、コンテンツをつまらなくするという声もあるかもしれませんが、とても、とても、必要なのです。
以前、首相秘書官の差別発言もありましたが、
このニュースでも沢山の抗議の声が上がっていました。
こういったことがあった際に、自分の頭で考えながら、私もしっかりと自分の意見をもって、これからは、差別に対してノーの声を発信していきたいです。
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