見出し画像

広告主が広告不正を防ぐ完全マニュアル(前編)


タイトルと全く関係無いサムネで釣ってすいません。生まれて半年になる娘が可愛いいんです。最近、人参食べれるようになりました。明日はかぼちゃの離乳食!

余談はここまでにして、一発目の記事にしては重いし後ろ向きだし超ニッチなテーマですが、ご了承ください。

まず、この記事を読んで頂き、書いてあることを実行頂いた皆さんは間違いなく広告不正の被害から無縁になれます!キリ 

後述しますが、広告不正100%撲滅は不可能ですが、ここに書いてあることを実行すれば、まぁ95%以上は防げるんじゃないかと思います。そんなゴールがこの記事の目指しているところです。

さて、まずはじめに広告不正に関する議論や詳細な不正の種類については私よりも詳しい有識者がいらっしゃるので譲ります。また、広告不正を語る上でアトリビューションとは何かを知らないと何の話をしているのかわからなくなるので、それらを知りたい方は以下を参照すると大枠理解できるかと思います。

・アトリビューションとは

・広告不正の概要

私が言いたいのは上記の知識だけでは広告不正は防げないということです。


・広告不正の真実は広告主しか語れない

結論から申し上げますと、広告不正の真実は広告主しか語れない。これが真実だと思います。

何故ならば、それは利害関係。もっというと、ビジネスモデルの違いが原因です。

ここに気づかず、広告不正の種類や個別の不正についての知識を身に着けてもあまり意味がない。もっと、ビジネスを大枠で捉えて、どこが本質的なボトルネックなのか吟味する必要があります。それが今回、最もお伝えしたいことです。まず、この業界を取り巻く利害関係者は以下です。

ツールベンダー
代理店
媒体社
広告主

これらの利害関係を俯瞰して見ると、

・ツールベンダー:広告主からの発注もあるが、代理店からの発注もある。ツール会社という特性上、公正公平であることが求められるので下手なことは言えん!
・代理店:マージンビジネスであるため、真実を言わない(言ってもメリット無いし、儲からん!)
・媒体社:同上
・広告主:事業が儲かる=売上上がるand/or営業利益出ればハッピー!(ただし、上記3つの利害関係者と資本関係にある等で利害関係に組み込まれた場合、言動に制約が掛かることがある)

以上のことから、良い悪いとか言う短絡的な話ではなく、それぞれの立場でのポジショントークが発生してしまうということです。これはビジネスを行う上で仕方が無いことです。ですので、広告主として、それらを織り込んだ上で各ビジネスパートナーと向き合いことが求められます。

そして、上記の利害関係の通り、広告主が最も真実を主張しやすいポジションにいるのです!広告不正の真実は広告主しか語れないというのはそういうことです。

・何故、森下が広告不正について語るのか

実務を通じて、広告不正が起きていることを発見し、ステークホルダーを納得させ、金銭的な処理を行った経験から「あの時、こうしておけば広告不正は起こらなかったのに」という後悔があります。評論家的な立場ではなく、皆さんと同じ実務を行う人間として同じ目線で悩みを共有できると考えます。詳しい実体験は後編の記事で!

・広告不正の市場規模

ソースの情報がやや古いですが、以下の通り、日本における広告不正のマーケット規模は2018年時点で120億円程度と想定されます。マーケットサイズがそこまで大きくないから抜本的に改善されないという見方もあります。

画像1

参照:Appsflyer統計データより

・広告不正の種類

簡単にだけ触れます。以下のような広告不正の種類があります。

画像2

参照:Appsflyer統計データより

各広告不正の発生件数は時系列で変動するという特徴があります。

画像3

参照:Appsflyer統計データより

つまり、広告不正を起こす業者が広告効果測定ツールの隙間をついて、成果認証されやすい広告不正を発生させていることが想像できます。

・広告不正が起きる理由の深堀り

さて、前置きが長くなりましたが、冒頭申し上げた通り、広告不正が起きる理由はビジネスモデルの違い。それ以上でもそれ以下でも無い。これはWEB広告運用をインハウスでやっていようと、代理店経由でやっていようと変わりはありません。広告代理店も媒体社もマージンビジネスである。つまり仕入れに手数料のせて売るモデルである。このビジネスモデルをちゃんと理解する必要があります。


・広告代理店、媒体社のビジネスモデル

広告代理店、媒体社のビジネスモデルはマージン(手数料)ビジネスである。何かを仕入れて、手数料=付加価値をのせて販売する。その仕入れ値と売値の差分が粗利益である。そのため、ビジネスをグロースさせるためには、
①広告出稿金額を上げる 
②代理店手数料を上げる 
③仕入れ金額を下げる

しか変数として存在しない。

画像4


・広告主のビジネスモデル

アプリビジネスにおいて、基本的には事業PLの売上・営業利益を追うことを指標としているのではないでしょうか。例えば、アプリリリース2周年では売上を最大化することが広告主のミッションであったり、運営が長くなった投資回収フェーズのアプリにおいては、営業利益を最大化することがミッションであったりと、その事業の局面に適したKPIが設定されているかと思います。

画像5

上図:アプリビジネスにおけるPLのイメージ

・ビジネスモデルを見れば、広告不正が無くならない理由がわかる

以上のことから分かることは広告代理店、媒体社のビジネスモデルと広告主のビジネスモデルは異なっているということです。そして、PLの項目を見れば、両者の利害関係が一致しないことが往々にしてあるということを理解しなければならないということです。

画像6

何故、広告不正がここまでクローズアップされているのに無くならないのかについては、この利害関係の不一致から起こるものと理解しなければならないと私は考えております。
極端な話をすると、広告代理店や媒体社は自ら広告不正を辞めるメリットが無いのです。しれーっと広告不正してたほうが儲かるんです。だから、無くならない。それ以上でもそれ以下でも無いと思います。
このような伝え方をすると、「広告代理店や媒体社をディスっている」ように思われるかもしれませんが、それはミスリードです。ビジネスモデルとは、その企業が永続的に収益をあげるための仕組みであり、そこに良い悪いという概念はなく、理解することが大切です。

我々広告主とは利害が一致することがあまりないビジネスモデルなんだと理解することが大切だということです。

ちょっと長くなってきたので、続きは後編のコチラをご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?