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錦江町シェアハウス体験記(N.Iさん)

〜私がまた帰りたい場所〜

私の友達が田舎ホームステイをしているということを知ったのは2021年の夏。その時の私といえば毎日決まった授業や課題をこなし、特に何か刺激的な機会があるわけでもなく、月に何回かある友達との予定を楽しみに同じような生活を何ヶ月も続けていました。
もちろんその時の私は田舎ホームステイなんて言葉も知らなかったし、毎日いろんな所へ行って楽しそうに過ごしているその友達の様子をSNSで見ていて、私も今の生活から抜け出して何か楽しいことしたいな〜と漠然と考えていました。

コロナウィルスの影響で同じ空間で同じ時間を共有するということが難しくなり、私の通う大学もオンライン授業になり、当時私が実際に会って関わる人といえば家族と決まった友達だけでした。新しい出会いや経験に積極的で何事にも好奇心を持って取り組んでいた自分の中高生時代を思い出して、今の私は以前に比べて自分のときめくものに積極的になれていないなぁとモヤモヤしていました。
何か新しいことをしてみたい!新しい出会いを通していろんな世界を知りたい!そんなことを思っていました。

そんな時に見た友達のSNS。私はその友達に連絡してみることにしました。地域の人たちとの交流や農業体験など、学校のオンライン授業と両立して日々様々な経験をさせてもらっているという話を聞きました。
そこで知ったのが、田舎暮らしを通して学生に新しい経験や出会いを提供するFamilyinnというサービス。私は、居心地の良い今の環境・生活し慣れた家族の元を離れて、人との出会いや新しい経験を求めて田舎ホームステイしてみたい!と思うようになりました。当時リゾートバイトとかやってみたいよね〜と話をしていた大学の友達にも声をかけ、2022年1月の約3週間を鹿児島県大隅半島に位置する錦江町で過ごすことに決めました。


錦江町のシェアハウスの滞在を決めた理由
数ある田舎ホームステイ先の中で錦江町を選んだ理由は大きく2つ。
1つ目は海や山など自然の多さ。もちろんどこも「田舎」ホームステイと言っているくらいだから都会とは違って自然の多い場所だと考えるとは思いますが、海が大好きな私は「九州南端にある海まで徒歩30秒」と聞き、それだけでとても惹かれてしまいました(笑)
2つ目は人との交流が盛んなところ。その時はまだ地域おこし協力隊の実態について知識もなかったけど「錦江町を盛り上げたいと考える人がたくさんいるのか!地域の繋がりが強いんだろうなぁ」と思い、私もその地域コミュニティの中に入ってみたいと思いました。またシェアハウスとは別にあるゲストハウスの存在が人との交流の場として、今の私が求めるものにぴったりなのでは!と思いました。

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↑鹿児島って猫がとても多いんです!特に錦江町は人より猫の方が多い気が・・・笑

〜シェアハウスでの生活の様子〜

初日はゲストハウスで山中さんを含め地域の方達が歓迎会を開いてくました。麻婆豆腐や焼き鳥をみんなで食べて初日からわいわい楽しかったです!不思議とこれからの生活に対する不安もなくなってたな〜。友達と一緒に来ていたからというのももちろんあるんだろうけれど、よろっでに集まる人たちはみんなフレンドリーで気さくな人たちばかりだったからな気がします(笑)

本当に私今日来たんだよね?って自問してしまいそうなくらい居心地の良い空間でした。
その時に印象的だったのは錦江町ブランドを作りたいというお話でした。行き着くまでのやり方や過程は違ってもみんな錦江町を盛り上げたいという思いのもと、自分達の仕事にやりがいを感じているという話を聞いて、人とのつながりが濃い素敵な町なんだなと思いました。初日から色々な話を聞かせてもらって、明日からの新たな出会いにも期待感が高まりました!

地域の人たちとの交流といえば、体育館でやったバレーやバドミントンも楽しかったです!毎週1回体育館を借りてバレーをしてるみたいで私もそれに参加させてもらいました。久しぶりにやるバレーだったので腕も痛かったし疲れたけど、みんな優しいし面白い人がたくさん居るのですごく楽しかったです。バドミントンは私がやりたいと提案したらわざわざちょっと良さげなラケットとしっかりシャトルまで用意してくれて(笑)みんなでスポーツをするなんて機会も大学に入ってから全くなかったので、すごく楽しくて私の地元でもいろんなイベントをやってみたいなと思いました。

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↑バドミントンをしてる時の様子。めっちゃ楽しそう笑

ビーチでBBQもしたし、シェアハウスで餃子パーティや鍋もしました。みんなでトランプや「ハァって言うゲーム」などいろんなカードゲーム(めちゃめちゃたくさん遊べるものあります笑)をしたのもすごく楽しくて、よろっでに集まった初めましての人も顔見知りの人も、そこにいる人たちはみんな友達!みたいな空気感が私はすごく好きでした。毎日毎日イベントがあっていろんな人たちに会って、私を知ってくれる人も増えて、どんどん錦江町が好きになりました。シェアハウス内でもあれやろうこれやろうとどんどん楽しいことを提案しあって(ほとんど食べることだったけど笑)シェアハウスしてるなぁ!毎日充実しすぎてるなぁ!と日々感じることができてすごく楽しかったです!

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↑いろんな形の餃子を作りました!フライパンで焼いてひっくり返すたびに「おー!すごーい!」ってみんなでワイワイ作りました笑
うまくひっくり返らなくてフライパンに餃子の皮がついちゃってもみんなで笑いながら楽しくて、今まで食べた餃子の中でもダントツに美味しかったです!

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こんな良い天気の中、ビーチでBBQ!風が強かったのでプチハプニングもありましたが何でも笑い飛ばしてました笑

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自分達で竹串に通してネギマ作ったのはもう天才だね!って話だしマシュマロも炙ってスモアにしてクッキーにはさんで食べたりして、お肉も野菜も美味しいし完璧なBBQやりました!笑

今思い出しても「どんな挑戦だよ!笑」って感じなんですけど、シェアハウスから6kmの山道を1時間半かけて歩いてジェラートを食べに行ったのはなんだかんだ1番特別な時間でした(笑)山を歩くのだって、車を使わないでどこか行くのだって、別に対して特別と言えることではないし、言ってしまえばお散歩ついでにジェラートを食べたっていう話なのですが、あの道を車で行っていたら見ることができなかった景色もたくさんあって、あの道を数分で通りすぎていたらできなかった話もたくさんあって、それを思うととても貴重で楽しい時間だったなと思うんです!(笑)
バレーにしてもBBQにしても餃子パーティにしても、誰かと同じ場所で同じ時間を共有することって本当に素敵なことなんだなって改めて実感できました。

お店の人にも歩いてきたことを伝えたのですが、案の定すごくびっくりされていて(笑)でもその話題で少し盛り上がって、私たちが「さぁまた歩いて帰ろう!」って気合い入れてるところを「送るよ!」と声をかけてくださり、車内でもいろんな話をして「車だとこんなに速いの!あーここさっき歩いたとこ!もうここ!?笑」とみんなで笑ったのも良い思い出です。
こんなヒッチハイク的なことって田舎でしかできないわけでもないですが、こういう「出会い」が田舎にはやっぱり多いなぁって感じました。うまく言葉には表せないけど、こんなにすぐに、今出会ったばかりの人に心を開けてしまうというか、身を委ねてしまうというか、つながりを感じられる感覚を持てるのって、個人的な感覚ですが、なんだか不思議と田舎の方が良い意味で簡単、というか多い気がします(拙い言葉で申し訳ありません!)。今思い返してみてもとても心温まる時間だったなと思います^_^

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↑歩いている時に見た錦江町の景色。太陽に光が差していてめちゃ綺麗!

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↑歩いている最中に見つけた鏡がべっこべこのミラーでこんな面白ショットが撮れました笑
ハナノキで食べたジェラートは本当に美味しかった!この何週間かの滞在で6種類も食べました!大隅茶フレーバーが私のおすすめです!)

よろっでで参加したイベントでは、マップ作り会というのがあったのですが、個人的にすごくためになる良い経験でした!私は旅行したりお出かけするのが大好きなので、あんなふうにマップ作りを通してみんなで錦江町のおすすめスポットや地元の人にしかわからないような穴場スポットを知ることができたのは、面白かったしこんな活動自分の地元でもやってみたいなぁと思いました。自分達でマップづくりをすることで今まで気づかなかった地元の良さも発見できるし、もっと知りたいと思うきっかけにもなるし、自分達が心を込めて作ったもので訪れる人に地元の魅力も伝えられるのはとっても素敵だなと感じました。

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↑まだまだ錦江町ビギナーなのがバレバレですが私なりに頑張りました!笑


錦江町を出て、南大隅までドライブしたり、霧島や指宿含め桜島など観光スポットにも行きました。桜島からはフェリーに乗って市内に遊びに行ったりもして本当に充実した毎日を送ることができました!どこに行っても海やら山やら自然が多くて目に映るもの全てが壮大で大迫力で美しかったな〜!本土最南端の佐多岬は錦江町からも割とすぐ行けちゃうので絶対おすすめです!

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食べ物もどこで何を食べても美味しかった!鳥刺黒豚は何回食べたことか(笑)本当にいろんな鹿児島名物を食べました!私はサツマイモが大好きなのでサツマイモスイーツもたくさん食べました!(黒豚がサツマイモを食べて育っていることも初めて知って、黒豚と気が合うな〜とか考えたり笑)近所のスーパーに行って買い出しして自炊するのもなんだかんだ楽しみで、よろっで周辺のスーパーはおそらくコンプリートしたのではないかと思います!(笑)

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私の滞在期間は曇りが多くてなかなか晴れの日に恵まれなかったのですが、そんな中でも抜群に雲ひとつなく晴れた日に見た桜島はもう言葉を失うほど美しかった!(人も建物も交通量も多い市内にいながらこんな景色が見られるなんて羨ましすぎる!)自分たちは今文明世界にいて、見たこともないけど目の前に映る桜島や山、海の景色を見ていると、地球の始まりというか原子時代を見ているかのような気分になりました!この気持ちわかってくれる人いるかな(笑)(鹿児島はこのギャップに浸れるのがいいんだよな〜)今思い返してみても、綺麗な夕日と共に桜島を見るためにひたすら天気予報をにらみながらシェアハウス生活をしていたような気がします(笑)それだけ桜島が好きということですかね!また絶対この景色を見に帰ってきたいです! 

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こんな感じで毎日刺激的で充実しまくりの楽しい日々だったのですが、思いがけない出来事もありました。夜中の1時頃、もう寝るかという時に、急にこの世の終わりみたいな音のサイレンが鳴って「津波が来る恐れがあるので高い場所に逃げてください」と(笑)今だから笑い話にできるけど、その時は本当に焦りまくりで不安だらけで・・・(サイレンといい携帯からなる音といい心臓に悪すぎる笑)結局その時高台に住んでいた方の家にみんなで避難したのですが、1つのコタツにみんなで足を入れて暖をとりながら一夜を過ごしたのは今となっては本当に良い思い出です(笑)まだ錦江町に来て1週間も経っていなかった私たちはどうしていいのかわからなかったし、何より初めての経験すぎてパニックでした。私の場合あのような状況に陥ったら、できるだけ避難しないで家に居られる方法をとってしまいがちですが、ああいういざという時に地域間で助け合い気軽に頼り合える存在が家族の枠を超えて存在するのは、日頃から地域の人たちと関わり合うことが当たり前にされているからなんだろうなと。そして特定の誰かではなくても、あそこに行けばきっと私を受け入れてくれると思える場所があるからなんだろうなと思いました。きっとそれがよろっでなんだろうなぁ。

オンライン化が進み相手の顔色が見えないコミュニケーションが当たり前と化しつつある時代に、身近な関係だけではなく幅広く人と交流することは、もちろん今回のような場合だけに限らず、きっとどこかで自分や誰かのためになるんだろうなと思いました。人と関わることから知らず知らずのうちに離れていたけれど、今回の滞在を通していろんな意味で、人との交流が生きていく上でどれだけ大切なものなのか、かけがえのないことなのかということを学びました!


〜初めて知ったこと〜

私が今回のシェアハウス生活を通してお話を聞いた聞いた中で面白いなと思ったことが2つありました。1つ目は地域おこし協力隊の存在です。錦江町の魅力を伝えるべく様々な活動をしていること、人を集めるため日々試行錯誤していること、錦江町というまちが訪れる人たちに愛されるのは、協力隊の人たちを筆頭に町の人たち地域の人たちみんながそう言った気持ちを掲げ人との交流を大切にしているからなんだなと感じました。

2つ目は廃校になった学校をオフィスとして使っていることです。廃校になった学校をカフェやホテルとして使うというのはテレビで見たこともあり知っていましたが、実際にそのような場に行ってみるということがありませんでした。私の母校である小学校も数年前から廃校の話が出ており、気になって行ってみることにしました。学校の下駄箱や水道、階段などすごく懐かしい気持ちになりました。こんなふうに自分の母校が、本来の役目を終えた後も残っていることそこに人がいてまだ温かさが感じられることに、率直に素敵な取り組みだなと思いました。そこで錦江町で撮られた写真がたくさん貼ってあるのを見たのですが、どれもとても素敵な写真で、町を上げて現代的な形で地域の良さを発信しているところにもまた錦江町愛みたいなものを感じました。私の地元も緑に囲まれた自然豊かな場所なので、地元写真コンテストみたいなイベントをして訪れる人を増やして魅力を伝えられるようなことができたらいいなと漠然と思ったりもしました(笑)


〜これからの人生における考え〜


当たり前なことかもしれないけれど、ここに来るまでは何の縁もなかった錦江町でしたが、今ではまた帰ってきたいと思える場所になりました。もちろんただ旅行で訪れただけでも錦江町の豊かな自然と温かい人たちの存在に、またぜひ遊びに来たいなぁと思っていたと思います。でも今回の滞在はただ遊びに来て「良いところだったなぁ」で終わるものなんかじゃなくて、過ごした時間やその思い出も含め、私と一緒に生活してくれた人たちや関わってくれた人たちの存在が、「またここに帰ってきたい」と思わせてくれているように思います。私にとって錦江町はそんなふうに思わせてくれる出会いがあったかけがえのない場所です。きっとシェアハウスでの滞在でなければこんなふうには思ってなかったと思います。

また帰ってきた時に「ただいま」と言える場所があること。「おかえり」と迎えてくれる人たちがいること。故郷や実家が恋しくなるのもきっと自分を受け入れてくれる人たちがいるからなんじゃないかなぁなんて。1ヶ月にも満たない短期間の田舎ホームステイでしたがそんな人たちに出会えたこと、そしてその機会を与えていただいたことに感謝しています。
私もこの先たくさんの出会いがあると思いますが、そのひとつひとつを大切にしていきたい!と改めて思いました。


〜よろっででの生活を勧める理由〜

よろっでに集まる人たちはもちろん、錦江町は自分の志や夢を持った人で溢れています。みんなとても温かく迎え入れてくれます。人との出会いや関わり合いに積極的な方やそんな出会いからいろんな面白い話を聞きたい!知りたい!という方、そして豊かな自然に囲まれた場所で自分の心の向くままにゆっくりと生活したいという方に、ぜひお勧めしたいです。

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また夏の暑い時期に帰ってきます!海で存分遊びましょう!

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