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「人生肯定」全文公開 【あとがき& 730日後の今】

初の著書「人生肯定」出版から1年。
毎月14日に1章ずつ全文公開しています。

はじめに
第1章 人生にはおやすみも必要
第2章 足りないものを埋める為に人生を使っていないか
カウンセリングコラム①②
第3章 一生懸命に駆り立てられる人生の根っこにあるもの
第4章 固定概念を手放して、人生をデザインしよう
第5章 パートナーシップと人生の深い関係
第6章 「人生肯定」を、今ここからはじめるエッセンス
特別対談
あとがき
巻末付録(本プロジェクトについて)
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いよいよ、あとがきの公開。
ちなみに私はこの「あとがき」が一番好きかもしれない。それくらいこれを書いているあの日の時間は特別だった。

せっかくなのでこの本を出版したその後についても綴りたいと思う。"新章"とまではいかないけど、"あとがき"のさらに後、アフターエディション。どうぞお楽しみください。
(特別対談は、来年に入ってから1対談ずつ公開していくことにします。)

あとがき

 書き終わってしまった・・・。入稿前の数日は、一つ、また一つと章が仕上がっていくことが嬉しくもあり、同時にもうすぐこの時間が終わってしまうことが無性に寂しくて、なんともいえない不思議な感情を味わっていました。人生初の執筆、本を作るというプロセスは、想像していたよりもずっと愛おしい時間で、私の人生の宝物になりました。
 せっかくなので、この「あとがき」は、すべてを書き終わった今の素直な気持ちを、ただそのまま書き残させてもらおうと思います。今、ここにある言葉にならない「なにか」です。

 このプロジェクトがスタートしたのは、2020年12月。2021年1月から書き始めたものの、メンバーと話し合う中で構成が二転三転。最終的には、「立ち止まり人生を選択する時に足元を照らすような本」というコンセプトだけは残して、内容や盛り込むストーリーは、当初想定していたところとは全く違うものになりました。自分の考えや体験をnoteやSNSでそのまま発信することと、自分の言葉を本にして届けるということは全く違っていて、最初はとても難しく、でもそれが少しずつ楽しくなっていったように思います。
 書きながら自分が伝えたいことの真髄に迫っていくプロセス。思考は深まっていくのに、言葉は軽やかに純度が高くなる体験。「そう、こういうことを言いたかった!」となにかを掴む感覚。私にとって、この本を書くという行為そのものが「人生肯定」でした。こんな機会が自分の人生に訪れるなんて、なんて幸せなんだろうと何度も何度も思いました。

 でも同時に、言葉にすることで曖昧なものが定義されてしまうことへの葛藤もありました。言葉というのは不思議なもので、その時に自分が置かれている状況や、心とカラダの調子が驚くほど現れてしまう。その時聴いている音楽や、目の前に見えている景色までもが写し鏡のように透けて見える気がして、私そのものが滲んでしまうことへの不安を少し感じながら書いている時もありました。そして言葉にすることで、次はそれに囚われてしまうことも。読み手は「人生肯定しなくては」と縛られてしまったり、書き手である私は、「人生肯定を伝えなくては」と責任感を抱えるようになるかもしれない。そういう色んな感情を抱えながら、この本を完成させました。私の見えない感情を受け止めながら約1ヶ月半伴走し、時に鼓舞して、時に寄り添い、本質をそっと汲み取って最後まで編集してくれた水玉綾に心から感謝しています。ありがとう。

 改めて、この本を自費出版という形で、クラウドファンディングで支援下さった人に届けるという形にしてよかったなぁと思っています。不特定多数に向けた本ではなく、この本が今必要だと感じた人、私の考えや言葉に触れたいと思ってくれた人、単純に応援したいと思ってくれた人、手にとってくれる人の顔を思い浮かべながら、一通一通ラブレターを書くような気持ちでした。

 クラウドファンディングの期間中、支援とともに、「明奈の挑戦、応援する機会をくれてありがとう」というメッセージが届きました。「応援する機会をくれてありがとう」なんて言葉を受け取ることを想像すらしていなくて、胸打たれて、思わず泣きそうになりました。クラウドファンディングは、誰がどのリターンで支援してくれたのか終了までわからない仕組みになっているので、このメッセージをくれたのは誰だろうと想像しながら、このプロジェクトが世の中に生まれたこと自体に意味があって、誰かの人生の一瞬にこの本が添えられる。それだけで十分だと思えて、ホッとしました。
「今だからこそ届けたい」の一心で、仲間に背中を押されるようにして、このプロジェクトを始めました。はじめは一人だったところから、「私も人生肯定を届けたい」と共感してくれた心強い仲間がひとり、またひとりと集まってくれました。ありがとう。

 「人生」という答えがないものを扱うことは、とても難しかったです。でも、人生に悩むことは、人生に真剣な証拠。この本を読んで、責任感や周りの目、知らず知らずに背負ってしまっている思い込みから解放されて、自分の人生を愛せるように。不安や焦りを溶かして、読み終わったら目を瞑って微睡みたくなる、そんな本であったら嬉しいです。

人生は複雑で、でも温かくて、美しい。

そんな風に、人生に思いを馳せる時間を届けられていたら幸せです。私にこの「人生肯定」という本を書く機会を下さった全ての人に、心から感謝を込めて。ありがとうございました。

2021年3月21日  春の雨が降る日に。
オア明奈

with. 幸福の硬貨(マチネの終わりに より)

この日、あとがきを書きながら聴いていた曲

あとがきのあと(出版から365日)

2022年4月23日。
人生肯定本出版から1年の節目となる個展を開催。

この個展は、「人生肯定」のその先にどんな景色があったのか?私自身が問い直す時間を経て、見えてきたものを込めることにした。そこに流れる空気や温度も作品として、私語なく一人で鑑賞してもらうスタイルに。

個展のタイトルは「365日後のあなたへ」

私自身の出版後365日を曝け出し、その変化に重ねながら自分との対話をする。来場者は、365日後の自分に想いを馳せて、手紙を綴る。

言葉だけをそこに置く。
私の人生だけをそこに置く。
それはまるで丸裸で自分を差し出すようで、怖さもあった。

でも、当日そこに流れていたとてつもなく純度が高くて温かな空気は、私にも言葉にできなくて、あの場にいた人にしかわかりえないものだったと、今になっても改めて思う。

静かに1年後の自分に想いを馳せる。

去年出版して、今年は個展を開催して、私にとってこの日が毎年大切にしたい記念日になった。ここからまた365日後、来年の2023年4月23日にはどんな景色が広がっているんだろう。なんだかとっても楽しみな私がいる。

あの日、個展の一番最後に来場者に向けて綴った言葉をここに置いておこうとおもう。

「人生肯定」を一冊の本として書き上げたのが、1年前の4月23日。
あの日から今日まで、あっという間の365日でした。
でも改めてこの1年を振り返ってみると、たくさんの出来事や出会いがあって、その時々の感情と共に1日1日を懸命に積み重ねてきた、長く濃密な365日だったと思うのです。

そして今、気づいたことがあります。
それは、「人生肯定」とは終わりがない旅だということです。

一度できたと思っても、またいつの間にか忘れてしまう。乗り越えたはずの悩みにまたぶつかって、その度にまた自分に問いかける。
『これまでの人生の全てがあったから、今がある。』そう思えるのは、いつだってちょっと先のことなんですよね。だから「人生肯定」は、知って終わりでも、わかって終わりでもなく、何度も何度も出会い直して、わかり続けることなんだと思います。自分が歩んできた人生の一つ一つの点を線で繋ぎながら、あの時の感情を丁寧にすくっていくこと。そうやって自分の中の「人生肯定」を育て続けていくものなんだと思います。

でもそれは簡単なことではありません。
人生肯定を届けてきた私でさえ、難しいことなのです。

だからこそ今日のこの場が、あなたの中の「人生肯定」が育つ、ひとつのきっかけになっていたとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
365日後のあなたへ。
今日、この場に足を運んでくださったあなたへ。
心からの感謝を込めて。

2022年4月23日
オア明奈

あとがきのさらにあと(構想から730日)

あの日の私は、こんな未来を想像していただろうか?

2年前の12月に構想していたことを、新年の挨拶としてnoteで公開。
ここで「本を出版します!」「協力者募集します!」と書いたことから壮大なプロジェクトがスタートしたのだった。そこから"人生肯定という考え方を届けたい”という想いに共感した仲間が一人、また一人と増えていった。

気づけば何者でもない著書の本に、778名の方々が支援くださり、コアメンバーを含めると800名以上の力によって、企画から換算して約半年で、私の「自分の本を出版したい」という長年の夢は実現した。クラファンも、本を作った経験もないメンバーのみで立ち上げた出版プロジェクトは、当初400冊の予定が、蓋を開けてみたら1000冊を発刊することになった。

まさしく、私1人ではなく、800人の「共感」で育まれて夢が実現した5ヶ月間だった。

この時の経験が、間違いなく今の私をつくってくれたと言える。

自分の言葉がこんなにも多くの人の心を動かすことも
自分の想いを発端に周りを巻き込んでいく渦が起きることも、
共感でつながる仲間と共に大きな夢を実現することも、

2年前の私はまだ想像すらしていなかったし、その実現した先の世界がこんなにも温かいものだということも知らなかった。思えば、この時をきっかけに私のリーダーシップ、チームづくりの当たり前が大きく変わった。

振り返ると、4年前の私はこんなことを綴っていた。

全ての人生に意味があって今がある。
だから私はプロデューサーとして、「この人生でよかった」と思える瞬間を世の中に一つでも多く生み出すことで、社会に貢献したいと思った。

私が思う「人生を祝う」というのは、自分の人生を味わったり、称賛したり、承認したりする時間のこと。そしてそこに素直な感情が溢れる幸せな瞬間があること。

感情は強制するものじゃないけど、人間にはみんなあるものだから、人それぞれのカタチで、温度感で溢れるきっかけをつくれたらいい。

セレブレーションプロデューサーとして、新たな時代の”人生の祝い”を開拓したい。世界中の自分の人生を愛したいすべての人に、結婚式に限らず「人生を祝う」場を提供したい。

人生には、突然それまであった点が線でつながる瞬間がある。私にとってはこの「人生肯定」という本を書き上げた時だった。

『「この人生でよかった」と思える瞬間を世の中に一つでも多く生み出す』という私の願いは、「人生肯定」という本を書いた時に1つの節目を迎えた。あの時の私だから書けた、あの時の私の全てだったと思う。

だから今はもう私の手元にも1冊もないけど、この「全文公開note」を通して、この本が一人でも多くの人の人生を灯すきっかけになりますように、と祈りを込めて、毎月14日に公開を続けた10ヶ月間を締めくくりたいと思う。

2022.12.14 
オア明奈


ここまでいかがでしたでしょうか?
まだ全部読んでないよ、って方は、年末年始のお共にぜひ。

※ここまでお読み頂いた方々、ありがとうございました。感想コメントや、右下のハートマーク押していただけると励みになります💛


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