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「人生肯定」全文公開 【第6章 「人生肯定」を、今ここからはじめるエッセンス】

初の著書「人生肯定」出版から1年。
毎月14日に1章ずつ全文公開しています。

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はじめに
第1章 人生にはおやすみも必要
第2章 足りないものを埋める為に人生を使っていないか
カウンセリングコラム①②
第3章 一生懸命に駆り立てられる人生の根っこにあるもの
第4章 固定概念を手放して、人生をデザインしよう
第5章 パートナーシップと人生の深い関係
カウンセリングコラム③
第6章 「人生肯定」を、今ここからはじめるエッセンス
特別対談
あとがき
巻末付録(本プロジェクトについて)
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いよいよ最終章です。ここまでたっぷりと私のストーリーに沿って「人生肯定」向けた問いをお届けしてきましたが、最後は「今日から出来ること」に目を向けて、私がオンラインスクールで教えているハウツーを抜粋しながらお伝えしていきたいと思います。

2回に分けて公開したほうがいいかな、、、と思うくらい1万8000字を超えるとーーってもボリューミーな章なのですが、具体的な方法をこれでもか!と詰め込んでいるので是非最後まで読んでいただきたいなと。あなたが一歩踏み出していくための後押しになる!はず!!

「褒めること」からはじめる振り返りの新習慣

 目指すべき未来が描けない。自分の強みがわからない。成長実感が持てない。誰かと比較して落ち込む。自信が持てない。そんな人はぜひ「褒めること」からはじめる振り返りを習慣にしてみてほしいと思います。

 多くの人は「振り返り」とは、課題を克服したり、出来なかったことを出来るようになるために取り組むもの、という考えを持っています。だからか、自分の課題やマイナスの部分ばかりに目を向けて、至らない自分に落ち込んでしまい、振返りが続きづらい傾向にあります。まずは、自分を「褒めること」からはじめる振り返りを一緒にしてみませんか?

 私は振り返りをはじめた13年以上前から、「振り返りは自分を褒めるために取り組むもの」と考えています。特に新卒1年目からの7年間は、仕事の日報として毎日2時間、月末には丸1日かけて1ヶ月を振返り、年末には数日かけて1年を振返り、自分のやってきたこと、自分の変化をログに残し続けてきました。恐らく私にとってこの人生をログに残す時間が、「自分の人生でよかった」と自己承認をして前に進む為に必要な時間であり、無意識に根付いた「人生肯定」だったんだと思います。その時その時に味わえるその感情が愛おしくて、気づけば頑張った自分へのご褒美時間になっていました。自分を変えたくて、自信を持ちたくて始めた振り返りが、いつしか自分が行った行動を客観的に見つめ、前向きに捉え直しをするための習慣になったのだと思います。

 「振り返りが苦手」と自負している方は、騙されたと思って今日から、まずは出来たこと、嬉しかったことを書き出してみて下さい。ポジティブなものから見つめる習慣をつけることで、自分に対しても、他人に対してもいいところ探しが上手になっていきます。「褒めること」からはじめる振り返りの新習慣ができるといいですね。

振り返りに向かう時に大切にしたい3つの姿勢


 実は「褒めること」の他にも、振り返りを習慣化するためのコツが3つあります。

 1つ目は、「楽しむこと」です。振り返りを前向きに取り組むために大事なことは、やり方以上にスタンス。振り返りの時間に向かう時の心持ちが、習慣化に大きく影響します。以前、「明奈さんはいつもどんなテンションで振返りに向きあっていますか?」という質問を受けたことがあります。私は「振り返りがしたくてしたくて仕方ない!楽しみすぎてウズウズしちゃう!!みたいなテンションでいつも向き合っています」とお答えしました。もっというと私にとって振り返りは、「やらないと気持ち悪い」と感じる、まるで歯磨きのような当たり前の習慣となっています。とはいえ、振り返りビギナーさんには、楽しめる環境や、楽しめるような心の余裕を作ることは、とっても大切な要素です。振り返りをする時、「よしやるぞ!」と気合を入れないと取り組めなかったり、むしろ「やりたくないなぁ」という気持ちさえ浮かんでくることがありますよね。だからこそ、これから振り返りをする時は、「日常から離れた、自分の人生のための時間」という心持ちで試しに取り組んでみてください。振り返りをする場所は、落ち着いて考え事が出来るところを選びましょう。自然があって、静かな場所が理想です。自宅の場合でも、個室で行うなど集中できる環境を作ることや、お気に入りの音楽を聴いたり、美味しいコーヒーをお供にしてみたり、ぜひ楽しんで出来る工夫を自分なりにしてみてください。それだけで案外簡単に続けられるようになりますよ。気分が乗らなかったら別の日に取り組めばいいのです。仕事の隙間時間にしたり、雑多な部屋や仕事の納期が差し迫っているような余裕がない状態では、中々落ち着いて取り組むことはできないので、まずは月初に「自分のためのご褒美時間」として予定を確保することからはじめましょう。今月のカレンダーをひらいて、今、月末に1時間の予定を抑えることをおすすめします。「時間が出来たらやる」ではいつまでたっても始められませんよ。1時間でもいいから仕事や日常から離れて、人生のための時間をとってみてください。


 2つ目のコツは「見返すこと」です。記憶しているものだけで漠然と書き出すのではなく、過去のノートやカレンダーを見返して、じっくりと過去を振り返り、味わいながら取り組みましょう。振り返りをしようとすると、「全然覚えていない!」なんてことがよく起きます。特に忙しかった月などはなおさらです。手帳やグーグルカレンダーなど自分の予定を管理しているツールを開きながら、「あぁ、この時期はこんな仕事してたな」「このプロジェクトは大変だったけど学びがたくさんあったな」と、まずは自分が何をしていたかを鮮明に思い出しましょう。ノートや写真を見返すのもいいですね。記憶に頼らない、というのも、振り返りを楽しく続けるコツです。

 3つ目は、「具体的に書くこと」です。振返りをしても何だかスッキリしない人は、具体的に振り返れておらず、感情や漠然とした事象しか振り返っていないケースが多いです。プロジェクトの振り返りも一年の振り返りも、どれだけ具体的に書き出せるかで、次の行動に繋げられるかどうかが変わります。これがいわゆる振り返りの「質」です。私は、まず定量的なゴールから振り返ることを大切にしています。感情からではなく、事実や数字といったファクトをちゃんと整理すること。ファクトに基づいて要因を見つめることで、自分の繰り返してるパターンや、成果を出せる時と出せない時の思考特性に気付くことができます。具体的な行動、具体的な発言、具体的な成果。ぜひ「具体的に」書き出して下さい。次の行動や目標、ゴールイメージ、これからのライフプランなど定性的、抽象的なものを描く時も、その景色がビビッドに見えるまで、匂い立つまで鮮明に描くことで、自然とチャンスが巡ってきて、叶いやすくなります。漠然とした振返りは、漠然とした成果や成長実感にしか繋がらないので注意しましょう。

年始の抱負よりも、年末の振り返りに時間をかけよう

 さて、もう1つ、振り返りについて質問です。あなたはいつも、1年の終わりにどんな方法で振り返りをしていますか?普段は振り返りをしない人も、年末には1年を振り返って、新年に向けた抱負を考える人も多いのではないでしょうか。でも、新年に「こんな1年にしよう!」と気合いをいれるものの、その決めたことを年末に振り返っていますでしょうか?また毎年振り返りを「やろう、やろう」と思っていても重い腰が上がらず、やりたいとは思っているけど師走の仕事が忙しくて、時間が取れないまま年末に突入して、気づけば新年になってしまう人もいるのではないでしょうか。

 「今年も自分の人生において大切な1年だった」と思えて締めくくるには、終わる1年を肯定的に捉えることが重要です。節目をどう扱うかは自分次第。12月31日と1月1日では、実際に見えている景色は何も変わらないかもしれません。でもその一瞬を、人生において大切な一瞬だと捉え「節目」とすること、暦の力を借りて振り返りをすることは、気持ち新たに人生をはじめることを手助けしてくれます。年末という節目は、振返りを意図的に作る機会になるので、ぜひ今年は「年末」に気合を入れてみて下さい。(※)

 2020年末に、私が使用している「1年の総括シート」をnoteで無料公開しました。自由にダウンロードできますので、そちらを参考にご自身でカスタマイズして、年末の振り返りにぜひご活用下さい。

(※)毎年恒例の年末振り返りワークショップ。2022年は下記よりお申し込み可能です。


人生を棚卸しする「ライフログ」のすすめ

 通常の振り返りとは別で、これまでの人生を棚卸しをする「ライフログ」についてもお伝えしておきたいと思います。私が行っているライフログの特徴は、過去の出来事(事実)の整理だけではなく、内的変化や感情の棚卸しと言語化を通じて、自分を深く知り、自分の人生を愛することです。

 最近では、業務報告やプロジェクト総括で使う「振り返り」ではなく、自分の価値観や感情を知るための「振り返り(内省)」が、ビジネスや人材育成の現場で「リフレクション」と呼ばれ重要性が高まっています。人材育成の場面でリフレクションというと、日々の業務や仕事から離れて、自分のした言動や経験を、客観的に振り返ることをいいます。ライフログはまさに、日常から離れて自分の人生を見つめることで自分を知る、リフレクションメソッドの一つだと考えています。

 また、ライフログは自分自身で「生きがい」を掴むためのガイドツールでもあります。2016年にスペイン人のFrancesc Miralles氏とHéctor Garcia氏により出版され、世界的ベストセラーになった「ikigai」という本をご存知ですか?これは日本人の「生き甲斐」という哲学がベースとなっています。この本の中で、IKIGAIとは、「あなたが好きなこと」「世界が必要としていること」「報酬を受けられること」「あなたが得意なこと」この4つが重なり合った中心にあると書かれています。多くの人が「生きがい」を感じたい、見つけたいと思っているのではないでしょうか。ライフログを通して、まずは自分を知ること、その上で、自分と社会との接続点や、人生を通じて世の中にどう貢献していくのか、そういった「生きがい」を言語化するきっかけになればと思っています。

 私がお伝えしている「ライフログ」のプロセスは大きく4つに分かれます。

1.【過去】人生の棚卸し
過去の出来事を棚卸して、自身ができるようになったこと(CAN)を整理し、内的変化や感情を客観的に見つめることで、これまでの人生で起きた出来事全てに意味があったと捉えなおします。

2.【現在】価値観の言語化
事実・思考・感情を深堀り、細分化、キーワード整理などの手法に沿って自身の価値観の言語化を行い、今の自分を受けとめます。

3.【未来】理想の人生を描く
自身で設定した価値観に沿って、未来をイメージして具体的に書き出すことで、自分が歩みたい人生を鮮明に描きます。

4.【習慣化】自分と仲間への宣言を通じて、習慣化する
自身の価値観と歩みたい人生を宣言することで、周りとの比較ではなく自分で自分の人生の手綱を握って一歩を踏み出します。

 私が主宰するライフログスクールでは、このプロセスを1ヶ月集中で行います。自己内省のやり方を学びたい人、自己肯定感の低い自分から抜け出したい人、キャリアチェンジやセルフブランディングのために自分の軸を言語化したい人など、様々なお悩みを持った方がスクールに参加しています。1章から一貫してお伝えしてきましたが、多くの人が危機感や未来への不安から自分を高めることに必死だったり、これまでやってきたことを認められず「何者でもない自分」に焦っていたり、自分に何が出来るかの観点からセルフブランディングをしようとしています。余談かもしれませんが、「ブランディング」という言葉が一般的に使われるようになって、人々は「セルフブランディング」することに囚われすぎていると感じています。「ブランド」は、もちろん自分で定義して掲げることも大事ですが、本質的には周りが「あの人は◎◎だ」と認知をしてはじめて、その在り方がブランドになっていくものではないかと私は考えています。「今日のあり方が明日の自分を創り、日々の取り組み方が自分をブランドにするとしたら?」そんな問いを自分に投げかけながら、私は目の前の仕事に取り組むようにしています。何をやるかよりも、どう在るかが先で、それを明確にして物事に取り組むことが、結果的に自分をブランドにしてくれるように思うのです。だからこそ、客観的に自分を見つめるリフレクションでは、特に過去に目を向けて、自分の人生と原体験を棚卸しすることと、現在に目を向けて今の自分の価値観を言語化することに重きをおいています。

 ライフログを学んだ人の感想を読むと、参加前のお悩みや状態は様々。でも全員に共通しているのは「人生をもっと良くしたい」という前向きな意思があることです。ここでいくつかご紹介させていただくので、ぜひ読んでみて下さい。きっとお悩みの部分に、共感する点がある人も多いのではないかと思います。

「なりたい自分になりきれないもどかしさを抱えつつも、どう踏み出していいかわからないモヤっとした気持ちを長年抱えていました。でもライフログを通してアウトプットしたことで、なりたい自分より本来の自分に出会えた気がします。たくさんの学びと自信をもらいました」

「過去の自分のほうが頑張っていたように思えて、振り返りをする度に自信をなくしていたけど、今の私が過去に囚われすぎていたことに気づきました。ちゃんと今を見つめてみると、実は自分にも魅力や強みがあると感じられて、今に対する捉え方がガラリと変わりました」

「人生に悩んだ時に自己啓発本とかに手を伸ばしてきたけど、それでも解決しないことがありました。振り返りもこれまでも何度もやってきたけど、ただ感想をつらつら出していただけでちゃんと事実を捉えられていなかったから、自信を持つことがも出来なかったんだとわかりました」

「職場の上司との振り返りや、自分一人での内省だと、いつも同じ視点からしか思考を深ぼることができなかったのですが、ライフログ講座の問いは新鮮で、違う視点からどんどん自分を深めることができて、新たな自分を知るプロセスにワクワクしました」

 ライフログを通して人生を前向きに振り返る習慣を身に着けた人は、どんどん表情が明るくなって、自分のことを生き生きと話すように変わっていくのが手にとるように分かります。人生は色々あるけど、それをどう捉えるかは自分次第だと分かったからなのか、なにかうまくいかなかったことや落ち込むことがあっても、不必要にくよくよ悩むことなく、次はどう変えようかと前向きに行動が出来るようになっているのがとても印象的です。
 今回は、スクールで使用しているシートをシンプルにした「ライフログお試しシート」をご用意しました。巻末にQRコードを掲載していますので、ぜひそちらからダウンロードしてご自身で取り組んでみてください。(※)もっと深くライフログを学びたい人や、ライフログを通じて人生肯定ができるようになりたい人は、今後もライフログスクールを定期的に開催する予定ですので、巻末にて詳細をチェック頂けたらと思います。

(※)現在は、セルフワークで学ぶライフログメソッド体験プラン「人生の棚卸しシート」を下記より購入いただけます。私の「ライフログトライアル講座」の特典映像(40分)付きです。

人生の節目は、自分でデザインする

 せっかくなので「節目」についても言及しておきたいと思います。私は普段から人生の節目をとても大切にしているのですが、それは意図的に節目を持つことが、人生を肯定する機会と、人生を気持ち新たにはじめるきっかけになると知っているからです。そして、節目は勝手に訪れるものじゃなくて、自分でデザインするものだと思っています。

 就職、結婚、出産、もちろんライフステージにおいて様々な節目があります。身近なところでいうと、年末年始や誕生日もそれにあたりますね。ただし、こと「誕生日」を例にとった時に、「誕生日そのもの」以上に、「誕生日というその日をどう迎えるか」に目を向けることが大事だと私は思っています。どんな気持ちでその日を迎えるのか、誰とどんな時間を共有したいのか、もっというとどんな風にその日を自分の人生の節目にしたいのか。

 そもそも、お祝いの度に「その日何を祝うのか?」を考えている人はそれほど多くないと思います。結婚式、誕生日、成人式、七五三、還暦・・・人生にはいくつもの「節目」や「お祝い」のタイミングがありますが、多くはただ単にその祝賀的出来事だけを取り上げて祝っているように感じます。そもそも「何を祝うのか?」を考えることや、その日までのプロセスに目を向けることって少なくないでしょうか。

 私自身は「お祝い」が好きな人間ではなく、お祝いをきっかけに人生を振り返ることが好きな人間です。だから仕事の肩書きでは「お祝いプロデューサー」ではなく「人生を祝うプロデューサー」と名乗っているのですが、そんな私からの提案は、人生の節目を自分でデザインすることです。例えば30歳、40歳、50歳といった年齢の節目を自分はどう迎えたいのか?を考えること。私自身はいつもそれを意識して、28歳で結婚し、29歳で転職し、34歳で独立を選んだように思います。実は私にとって「35歳」は、昔から「どんな風に迎えたいか」を考え続けた節目のタイミングでした。30歳も特別だったけど、それ以上に35歳は、40代に向かう大きな人生の切り替わりのタイミングである気がしていました。だから35歳で独立しよう!とか、35歳で子供を産もう!とか、35歳で海外に拠点を移そう!とか、20代の頃から色々とライフプランを描いていました。ただ、実際にはその「35歳」は自然とやってきて、自分でも驚くほど気張ることなく、流れるように人生の変わり目の波に乗った感覚で迎えたのでした。そんな私が、「35歳という人生の節目」をどんな風に迎えたのか、その日に向かう中で何を見つめ、準備したのか、節目をデザインする参考としてご紹介したいと思います。「今年の誕生日は人生の節目だ」と感じている人にはぜひ、「誕生日を迎えるまでのやることリスト」としてご活用頂けたらと思います。

<STEP1:節目を迎えるために、過去を手放す>

 実は35歳の誕生日を迎える2ヶ月ほど前から、その節目をデザインするプロセスを始めていました。何をしたかというと、過去の自分を手放すために3つのことに取り組んだのです。1つめはモノのデトックス。新しい人生において、いるもの、いらないものを見定めて、不要なモノを手放す本気の断捨離をしました。近藤麻理恵さんの「こんまりメソッド」に沿って、35歳を迎える私が心ときめくものだけを選択。おかげでお洋服は半分に減り、ダンボール数箱分の服や本を譲ったり売ったり、家を掃除し整えたことで、気持ちよく新しい自分を迎え入れられる状態になったように思います。2つめは、心身のデトックス。北アルプスの麓、信州・安曇野の森の中にある穂高養生園 を訪れました。そこは、「体にやさしい食事・ヨーガや散歩などの適度な運動・心身の深いリラックス」の3つのアプローチによって、誰にでも本来そなわっている自然治癒力を高めることを目的とした宿泊施設。3日間かけて心とカラダを整えるために、21時に就寝し、5時に起床。自然の中で毎朝夕に瞑想とヨガをして、温泉に入って、読書をする。携帯電話とパソコンは自宅に置いて、ニュージーランドで実施して以来、約8ヶ月ぶりのデジタルデトックスを行いました。お食事は1日2食マクロビ料理を頂き、顎が疲れるくらいしっかり噛んで食べ、心とカラダが繋がる感覚をじっくり味わいました。3つ目は、自分を縛っている価値観のデトックス。ずっと行きたかったお宿を予約して、自分へのご褒美時間として、これまでの人生をゆっくりと振り返り、ライフログを更新。35歳からの人生をどうしたいのかを問いかけ、理想の35歳の姿には不要となる古い価値観を整理しました。この3つのデトックスをしたことで、自分を縛っているものから身も心も解放し、新しい人生を迎えること、歳を重ねることそのものが楽しみだとさらに思えるようになりました。

<STEP2:34歳最後の日をどう迎えたいか、を考える>

 仕事や家族のことで、変化が大きかった2020年の34歳。さらには新型コロナウィルスの影響で、ニュージーランドから帰国後は外出自粛も重なって、ほとんどの人とリアルで会えないまま9月の誕生日を迎えることになりました。だから34歳最後の日は、友達のような仕事仲間のような人たちと直接会って、ゆるゆる今日まで何があったかを語りながら、美味しいごはんをただ食べたいと思いました。ゆるやかであったかい。非日常を日常になじませるような、ハレの日にしすぎないけど特別な日。同時に私だけが祝われる日じゃなく、みんなの人生も祝う日にしたいと思いました。このご時世なのでワンテーブルに座れる人数だけの小さな食事会。会えない期間が続いたことで、誕生日や妊娠・出産のお祝いができずにいた人、帰国してから一度も会えていなかった大切な人を中心に招待しました。こんな風に私の場合は、34歳最後の日をどう締めくくりたいか?を考えて、9月18日を過ごしたのですが、これがとても心地よく、心から納得のできる節目の日となりました。

 ぜひ人生の節目にしたい誕生日を目前に控えた人は、その日をどう迎えたいかを考えて、準備することをお勧めします。自分をもっと深く知って、大切なものに改めて気付くきっかけとして、節目をデザインする機会になることを願っています。

自分の納得感を大事にして、目の前の一つひとつに意図を持つ


 キャリアについても、明日から出来ることを考えてみましょう。一般的に、社会に出てすぐの頃は、自分から「これをしたい!」と行動する場面より、周りの期待に応えるために行動する場面の方が多いように思います。私もそうでしたが、誰かの期待に応えることで感謝され、自分の心を満たすことは、自分の存在価値が認めれたようでとても嬉しいことでした。でも、私はあるタイミングから責任ある仕事やポジョンを任されるようになり、目的やゴールを設定することが自分の役割になっていきました。その頃から「求められたものに応えるだけ」ではなく、「◎◎を達成することで、こういう状態をつくりたい」といった、成果を自分自身で定義することが必要になりました。そうした環境変化が訪れた際に、それまで他者評価に軸足を置いていた人や、周りの期待に答えることにやりがいを見出していた人は、その役割の変化に葛藤するのではないでしょうか。まさに私もそうでした。
 そんな時に大切にしたいのは、自分なりの納得感を作ることだと思っています。目の前の一つ一つに自分で意味付けをして、納得してそれに取り組むこと。誰かから「良い仕事したね」と言われることに満足するのではなく、周りがどう言おうとも、自分でやったものに対して「ここまでやった」と納得できるようになること。「なぜ今、この仕事を自分が行うのか」という意味付けをする力は、人生を肯定するための鍵になります。

 新卒3年目の頃、希望したプロジェクトに配属されなくて少々腐りかけていた私に、当時の上司がこんな言葉をくれたことがありました。「人生にはやりたくないこと、苦手なことを嫌々しなくてはいけないことがたくさんある。でも嫌なことが出来るのは幸せなこと。それは困難を乗り越えて成長をするチャンスとなる。ここでこの嫌なことに挑戦しなかったら、それを乗り越える力もつけずに腐ってしまう。だから嫌なことに挑戦できるのは幸せなことなんだよ」と。正直、当時はそこまで腹落ちしたわけではありませんでしたが、今ではとても良くわかります。自分の好きなことばかりをしていては味わえないことがある。思い通りにいかないことも、うまくいかないことも、その時は辛くて苦しくて逃げたくなるけど、それを乗り越えるたびに確かに私は1つずつ成長していきました。これまでの全てが繋がって今があるということは、数年たった今、人生を振り返って心の底から思えていることです。だから、これをやりたい!と思えていない状態や理想の環境ではない時、それに悲観したり文句を言いたくもなります。ですが、まずはどんな仕事も役割も、客観的にその状態を捉えて、自分なりに意味付けをし、納得感を持って進めることを大切にしようと心がけています。その視点があれば、環境のせいにしたり、周りをひがんだりするよりも、よっぽど今を心地よく生きられると思いませんか?

人生も仕事も、自分の「在り方」を真ん中に

 組織に属するか、個人でやるか。働き方はその二択ではないですよね。起業、副業、フリーランス、パラレルキャリアなど、働き方の選択肢が増えている今、どれがいいかなんて一概には言えません。置かれている境遇も、求めている幸せもそれぞれ違うから、みんなにとっての理想は存在しない。だからこそ、そこから自分にとって理想の働き方を探すのは難しいと思いませんか。つまり、理想の働き方は自らデザインするしかないのです。「会社のルールに縛られている」と感じている人は、そのルールに自分で自分を縛っているだけかもしれません。仕事があるから、責任があるから、今更無理だから、それらの言い訳を全部脇に置いてゼロから始められるとしたら、あなたはどうしたいですか?理想の働き方、生き方は自分でデザインするという考え方を持ってみると、人生の可能性がぐっと広がります。

 私は6年前、株式会社CRAZYに転職しました。自分の人生をかけてCRAZY WEDDINGというブランドを世の中に届けたいという、強い意思が前提にありましたが、同時にこれからの自分の人生を考えた時に、会社の看板ではなく自分を商品として生きていきたいという思いもありました。CRAZY WEDDINGのプロデューサーではありますが、私個人の考え方や生き方も全面に出しながら、入社以来個人としてのSNS発信も欠かすことなく続けました。次第に、私のインスタグラムを見て「オアさんに結婚式のプロデュースをお願いしたい」と問い合わせを頂くようになりました。2018年1月には、SHE likesさんから「会社に務めながら”自分ブランド”で生きる方法とは」というテーマで講演依頼を頂き、その後、私のキャリアについての取材依頼も増えました。Woman typeさんに掲載された「安定と高収入を捨て、経営コンサルがベンチャー企業CRAZYに転職したワケ “仕事は仕事って、割り切る人生はもう辞めた”」という記事は、たくさんの方に見ていただいたようです。

 会社員をしながら、1年に1ヶ月間世界を旅しながら働く、という私のワークスタイルもお話する度に驚かれていましたが、「理想の働き方、生き方は自分でデザインする」という考え方を持つことで行動が変わり、自分ブランドが次第に磨かれ、人生の可能性が広がることを私自身は実感しています。

 最近は、自由を得るために「フリーランス」という働き方を目指す人も増えていますが、改めて本当にそれだけが自由を得る選択肢なのか、というのは冷静に考えてみてもいいと思います。会社員は不自由で、フリーランスが自由だと一概には言えませんよね。会社員をしながら、自由な働き方をデザインする道もあるはずです。私がどちらも経験して思うのは、多くの人は「自由」を求めるけど、自由と孤独は隣り合わせだという現実から目を背けてはいけないということ。そして自由は幸せだけど、覚悟がいるということです。フリーランスは会社から仕事が与えられない分、自ら生み出さなくてはいけないですし、それは時に会社員でいたときよりも自分を不自由にするかもしれないのです。他にも、「ノマドワーカー」や「アドレスホッパー」という、場所に囚われない働き方に憧れる人も多いように思います。しかし、場所に囚われずに働くというのは、自分が幸せに生きるための「手段」であって、それになることを「目的」にしてしまうと、人生の本質を見失う危険性があります。なぜ、その働き方をしたいのか?目先の利益や小手先のテクニックに振り回されず、人生の手綱をどう握りたいかを考えてみて下さい。自分の意思をどこに持つか次第で、人生の向かう方向は変わります。人生も仕事も「どうありたいか」を真ん中に置くことを忘れずに。

二者択一ではない、第三の解を出してみる

 キャリアチェンジを検討している人によくお伝えしているのが、「第三の解」という考え方です。行きたい会社や業種が2つある時、多くの人がどちらを選ぶべきか、と今ある二者択一の選択肢から選ぼうとします。でも、「AでもBでもなく、C」といった第三の解を自分で生み出してみてはいかがでしょうか?

 これは実際に私がカウンセリングを行った時の事例ですが、現在人事職の人が、広報職にも興味があって、この先のキャリアを「人事」と「広報」どっちを選ぶべきかと悩んでいました。でもよくよく話を聴いてみると、その人がやりたいこと、興味があることは、「そこで働く人の魅力を、自ら言葉にして世の中に届ること」でした。それは「インターナルコミュニケーション」や「社内広報」という分野に当てはまるのでは?という話をして、「人事」「広報」とカテゴリーに分けず、自分の理想の「人事広報」を考えてみてはどう?というアドバイスをしました。これまで彼女は「人事」「広報」を分けて転職先を探していましたが、この対話によって、インターナルコミュニケーションや、社内広報に力を入れている企業を探す、という第三の解が生まれました。その後、「社内広報に力を入れている企業」という視点で改めて転職先を探したことで、これまで目に入らなかった企業や、理念に共感できる企業が見つかり、いろんな選択肢が生まれて、今まさに選考が進んでいるそうです。

 その他にも、私が2020年に選んだ「第三の解」は、CRAZYからの半独立というワークスタイルでした。父の余命宣告をきっかけに生き方を変え、ニュージーランドから帰国した際にこれからの働き方を改めて考えました。これまで自分がCRAZYでやってきた、結婚式や企業イベントといった「特別なお祝い」に限らず、私が介在することで、日常の中に誰かの人生を肯定する機会を増やしていく、私なりの「人生を祝う」を追求していきたい。人生ヒアリングや、「ライフログ」という独自の振り返りメソッドを活かしながら、「人生や、祝うといえばこの人だね」と声をかけてもらえるシゴトを、もっと自由にやっていきたい。会社という枠組みを超えて、様々な業界や人とアライアンスして、多様な切り口でのアウトプットをしていきたい、といった生き方の理想が浮かび上がってきました。また、ニュージーランドとの二拠点生活を見据えると、更に自由度高く場所に縛られない、私なりの「人生を祝う」を追求できる働き方がいい。そう考え、CRAZY代表の森山や事業部のメンバーと、何度も何度も双方にとってのベストを話し合いました。その時に私からは、「CRAZYという組織を中から創っていくのではなく、創りたい世界を共有したパートナーとして協業、共同、共創していく、そういう存在がいてもいいんじゃないか」ということを提案しました。CRAZYの森山がそれを「いいね!」と共感してくれたことで、雇用形態は事実上の退職、フリーランスとして独立しながらも、精神的には繋がっていて、プロジェクトごとに協業、共創する業務委託パートナーという形を取ることにしました。それを私は勝手に「半独立」と名付けています。いつでも目の前の人の「人生」を大切に扱う、CRAZYという会社とだからこそ生み出せた第三の解ですし、今でもCRAZYのメンバーとはとても良い関係を築けていることに心から感謝しています。

 この本をきっかけに「人生肯定」の考え方を知った方には、ぜひもっと欲張りに、自分の理想の生き方や働き方を叶えられるような、第三の解を生み出してほしいと願っています。

生き方やキャリアは、かけ算で考える

 この本を読んで人生を見つめなおしたことで、キャリアチェンジを考えはじめた人もいるかもしれません。その際にぜひお伝えしたいのが、「かけ算で生きることの大切さ」です。リクルート卒業後、教育改革実践家として活動を行う藤原和博氏が、「3つのキャリアを掛け算して100万分の1の人材になる」という考え方を提唱したことをきっかけに、あらゆる本で「3つキャリアをかけ算することで、唯一無二の人材になる」といった考え方が紹介されています。藤原氏の著書では、1万時間かけたキャリアを3つかけ算することの重要性が語られていますが、私自身も振り返ってみると、時間はそこまで意識していませんでしたが、かけ算をしながらキャリア形成することを実践してきたように思います。なにか一つのキャリアだけを突き詰めることもいいですが、かけ算をすることで、あらゆる分野、あらゆる切り口から自分の人生をデザインすることが出来ます。

 でもこういう話をすると、「自分には取り立てて才能がないから」「何を軸に掛け算したら良いのかが見つけられない」という悩みや壁にぶつかる人もいます。そういう時にこそ、「人生肯定」なんです。なにもここから新しく見つけなくても、今のあなたが当たり前にやっていること、これまでの人生で積み重ねてきたことが、あなたの個性だったり、誰かの役に立てるかもしれません。これまでの人生を振り返りながら、「強み(自分らしい貢献の仕方)」×「在り方(大切にしたい価値観)」×「心が踊ること(興味・関心)」というかけ算をしてみてはいかがでしょうか。少しイメージを持って頂けるように、参考例を3つご紹介しますね。私のものと、私が主宰するライフログスクールに参加した2名が言語化したものを載せたいと思います。

▶オア明奈の場合
「強み(自分らしい貢献の仕方)」
人生をヒアリングして、価値観を言語化すること、人や場に火を灯すこと

「在り方(大切にしたい価値観)」
これまでの人生に光をあて、その人の人生を肯定する存在であること

「心が踊ること(興味・関心)」
人生、振り返り、プロデュース、感情、お祝い

この3つのかけ算から、今では「人生を祝うプロデューサー」という肩書きで、人生肯定を届ける活動をしています。

▶ライフログスクール修了生 ちかさんの場合
「強み(自分らしい貢献の仕方)」
自分の考えや想いを形にして広げること、相手の本当の想いを引き出し整理すること

「在り方(大切にしたい価値観)」
共感できるヒトモノコトを選んで生きる

「心が踊ること(興味・関心)」
地域魅力、自然、パートナーシップ、余白、ブランドづくり、橋渡し

この3つのかけ算から、彼女は昨年長年勤めた会社を退職し、今年からフリーランス広報、想いを形にするブランドデザイナーという在り方で活動されています。

▶ライフログスクール修了生 あゆみさんの場合
「強み(自分らしい貢献の仕方)」
抽象的な物事を体系整理して言語化すること、人や物事のユニークな点を見つけること

「在り方(大切にしたい価値観)」
①今はできなくても心が踊ることを選び取る過程で成長する(エフィカシー(※)の高さ) 
②物事のいい面にフォーカスする(ポジティブ) 
③エモーショナルにしなやかに生きる(パッション)

「心が踊ること(興味・関心)」
アイディアを考える、作り手みんなでワクワクしながら実現に向かっていく、一歩踏み出すきっかけ作り

この3つのかけ算から、彼女はこの春から本業とは別に、一歩踏み出すきっかけを作るブランドプロデューサーという在り方で活動をスタートするそうです。

 第2章でも書きましたが、ここでも「強み」は相対評価で考えるのではなく、「自分らしい貢献の仕方」と言葉を置き換えて考えてみましょう。例えばあなたは、集団の中でどんなポジションを取ることが多いでしょうか。学生時代の文化祭や運動会などの行事ごと、会社でプロジェクトを動かす時などをイメージしてみても良いかもしれません。どういう行動で力を発揮することが多いでしょうか。書き出してみると、自分が好きでやっていることが見えてきます。「前に立ってみんなを引っ張る」「率先してチームのムードメーカーになる」といったようなリーダーシップを発揮する人もいれば、「みんながやりやすいように事前準備をしておく」「遅れをとるメンバーがいないように気を配る」「足りない部分を埋めながらフォローする」といった、チームの成果を最大化させるための働きかけや、人の背中を押すようなフォローアップが得意な人もいます。実は無理に出来ないことを出来るようにならなくても、ありのままの自分が得意な領域で、自然とやってしまうことで、人の役に立てることがあるのです。ぜひ自分が無意識にやっていることが強みになると考えて、そこに色んな要素をかけ合わせてみましょう。

人生を深めるためには、価値観で繋がるコミュニティがあるといい


 あなたには、人生の話ができる人が周りにどれくらいいますか。昔は夢を語り合った仲間も、今では住んでいる環境も働くスタイルも変わって中々話しづらかったり、職場の人には赤裸々に本音を語るのは難しいものです。自分と同じ境遇の人がおらず、「誰に悩みを相談したらいいの?」と一人で抱えて孤独を感じている人もいるかもしれません。自分の生きるプラットフォームが「職場」と「家庭」「古くからの友人」など限られた場所しかないと、あまりに近すぎて話せないこともあると思います。そんな時、「価値観」で繋がるコミュニテイをいくつかもっておくことは、人生を謳歌する手助けになります。この職業だから、この場所に住んでいるから、この人と結婚したから、そうやって自分で勝手に枠を決めて、その中だけで人生を送っている可能性はありませんか?例えば、自分がいい!と思っているモノやコトを素直に良いと語れたり、そのことに共感してくれる仲間がいることで、「ありのままの自分でいいんだ」と思える場所が見つかるかもしれません。社名や肩書きではなく、価値観でつながっているからこそ、普段無意識に貼られている自分のラベルから解放されて、一人の人間として信じているものを遠慮せずに話せることも多いと思います。極端な話ですが、突然仕事がなくなったり、会社を解雇になったとしても、価値観で繋がる仲間となにか一緒に始めることが出来るかもしれないし、家庭環境が思うようにいかなかった時には、その仲間たちが精神的な帰る場所になってくれるかもしれませんね。この時に大切になるのが、第2章でお話した、自分自身の「Being」です。最近では、オンラインサロンや趣味で集う社会人サークルといったコミュニティも増えてきました。良いと思うものが同じ、熱量や真剣度合いが似ている人たちと繋がる場所や機会があることで、人生肯定がより自然とできるようになると思います。
 2章のカウンセリングコラムの前に少しご紹介しましたが、私は2020年に自分のオンラインサロン ONDOをスタートしました。

振り返りやライフログという共通体験をきっかけに、「人生肯定」という考え方に共感、共鳴してくれた人たちが繋がるコミュニティをつくりたいという想いから立ち上げました。今やメンバーは60名を超えて、共通の価値観で繋がる愛おしい仲間がどんどん増えています。ここは私が一方的にノウハウを教える場ではなく、みんなでコミュニケーションをとりながら、お互いに学び合い、刺激し合い、人生を深めあう場所です。ここに帰ってきたらなんだか自分の人生を愛おしく思えて、仲間の人生に触れて胸が熱くなる。「世界の体温を上げる、優しくて美しいせかいのはじまりの場所」をみんなで実験しながら作っています。

 家庭というファーストプレイスや、職場、学校などのセカンドプレイスでもない、価値観で繋がるサードプレイス。そういう場所や関係があることは、人生を長いスパンで見た時に、不思議な安心感をくれると思いませんか?自分の人生を深めるために、そうした選択があることもぜひ知っておいて頂けたらと思います。

「人生肯定」は、今この瞬間から

 「はじめに」でも書きましたが、人生を肯定できた時、人ははじめて当たり前の日常や、目の前の小さな幸せに感謝できるようになるものだと思います。自分を好きになれなくても、自分の人生を好きになれたら、ありのままを自然と受け入れられて、「周りの誰か」や「正解」が気にならなくなります。でも、それは一回できたとしても、またいつのまにか忘れてしまうもの。だから定期的に人生を振り返り、見つめなおして、肯定する時間が大切です。

 人生肯定は、今ここ、まさにこの本を読み終えた瞬間からはじめることができます。まずは、立ち止まることを許してあげてください。もっともっと、と自分を高めるだけでなく、これまでもう十分に頑張ってきた自分を抱きしめることも、時にはしてあげてください。焦らなくても大丈夫、どうかあなたの人生を愛してほしい。それが、私がこの本に込めた願いです。

 そして、この本を読んだあなたが人生肯定することで、あなたの周りの大切な人も影響を受けて、自分の歩んできたこれまでを愛し、軽やかに今を生きるようになったら、こんなに嬉しいことはありません。そうやって人生肯定が広がった先には、愛が巡り、人間的な感情を受けとめ合い、体温を感じるコミュニケーションで溢れる世界がある。そんな夢を、私は見ています。

 繰り返しになりますが、人生に正解がないように、この本でお伝えしていることが「答え」ではありません。でも、「自分を知り、人生の手綱を握る」ための一つの選択肢として、心の引き出しに入れて頂けたら嬉しいです。人生を肯定することで見えた景色があったら、ぜひ教えてくださいね。心から楽しみに待っています。

2021年出版時のわたし

さて「人生肯定全文公開」ここまで読んでいただいて、いかがでしたか?(まだ全部読んでないよ、って方は他の章もぜひ!)

来月は、アフターエディション的に新章書き下ろししたいなと思っています。

「大切な1年だった」と思えて2022年を締め括る


 あっという間に11月も半分が過ぎ、、、、え、もう今年も終わりなの・・・・?なんか時空歪んだ??って思うくらい瞬足で過ぎ去った2022年なのですが。笑 みなさんにとってはどんな1年でしたか?

いつもバタバタと師走に突入し、ゆっくりと振り返りできないまま年末、そして新年を迎えている方。毎年「やろう、やろう」と思っていても重い腰が上がらない方。年初に気合を入れて設定した目標を見返すことなく、1年が過ぎ去ってしまう方。今年は、私と一緒にこの1年を振り返って、人生の整理整頓をしてみませんか?

毎年人気の年末振り返りワークショップを今年もやります!
私が1年の終わりと始まりに必ず行っている習慣と「褒める振り返りのコツ」を伝授します。オリジナルワークシートを使って2022年をしっかり振り返った上で、2023年に向けたテーマや目標設定を一緒に行いましょう!

https://lifelogschool.com/products/workshop_ippan?variant=42406538543242


「色々あったけど、いい1年だった。」と心底思えて2021年を締め括れるかは、振り返りの仕方次第。”振り返り”と聞くと「仕事の振り返り」という印象が強いですが、仕事だけではなく、私生活や自身の変化や決断を振り返ることで、頑張った自分を褒めて、新しい気持ちで新年を迎えることができます。

リアルタイム参加ならではの、お悩みやつまづきやすいポイントをオア明奈が直接答えるオープンカウンセリング時間や、ご自身でもくもくと振り返るワーク時間を含めた実践型の講座です。はじめてさんはもちろん、リピーターさんのご参加もお待ちしております。

<日程>
12月18日(日)19:00-21:00
12月20日(火) 20:00〜22:00
※後日アーカイブ動画もお送りします

<こんな方にオススメ>
・2022年に様々な環境や心境の変化があった方
・2023年には新たなチャレンジをしたいと思っている方
・自分自身の成長や変化を認識したい方
・毎年、年末の振り返りに時間が取れない方
・振り返りが大事だと分かっていながらも、習慣化ができない方

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