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日本人男性が日本のジェンダーギャップの惨状を知らなくてショックを受けたお話し

先日コペンハーゲンでお会いした日本人男性が、2023年のジェンダーギャップ統計を見て「え、日本はそんなに低いの!?」とおっしゃったのを聞いて、「え、知らなかったんですか!?」と逆にショックを受けました。日本人男性の一般認識ってそんなものなの?と。もちろん、よく分かっている男性諸氏も沢山おられると思いますが、デンマークに出張でいらっしゃるようなエリート層の男性でもその程度にしか男女格差という問題を気にしてはいらっしゃらないのだろうかと感じたのです。

2023年の日本のジェンダーギャップは世界125位、OECD最下位でした。デンマークは23位ですが、他の北欧諸国が5位までに入っていることを考えると、大分引き離されている感があります。そのため、デンマークでは政治も力を入れて男女格差を縮めることに必死です。国が小さく、高齢化も進んでいるデンマークでは、女性の地位が上がり生産性を上げることは必須ですし(税金を沢山納める人がいないと困りますから)、国際的にもプレゼンスを保って小国ながら世界をリードするイメージを保っておく必要があるのだと思います。

子育てもそうだし、組織や政治における男女格差も、女性だけの問題ではありません。女性が不利だからといって女性が何とかしようとしても、構造的な歪みもあるし、何よりもう一方の性である男性を抜きにしては片手落ちになってしまいます。

私が途上国で保健プロジェクトに関わっていた時も、母子や女性ヘルスワーカーを対象にしたものが多かったですが、男性、特に意思決定者(長老や家長)を巻き込むことは鉄則でした。

私が女性だけにフォーカスせず、男性ともお仕事したいと常々思っているのは、そういった経験から、男性のエンパワメントが女性のエンパワメントには欠かせないと考えているからです。

また、男女格差は、人は平等だから何とかしなければというモラルの問題でもありません。そういう抽象的な考え方をすると、解決が遅くなります。

もっと現実的で国の未来がかかった課題だと思います。けれども、国が、政治が、と言っていても、残念ながら歩みは遅い。

男性も女性も、私たち一人ひとりが当事者意識を持って、日常的に議論を繰り返し、お互いが必要としていることを理解すること。そして、どんな社会で在りたいかという先の展望を見据えながら、できることを一つ一つやっていくことが大切だし、子ども達にその姿を見せていくことも、未来を作る上でとても大切です。

ちなみに、前出の日本人男性は「でも社会が違うから」とおっしゃっていましたが、違います。

デンマークも他の北欧諸国も、初めから平等な社会だった訳ではありません。社会としてのあり方を追求していく中で、そして国の生産性や国際的なプレゼンスを高めるために、マインドを変え、法律を変え、制度を変えてきて、今があるんです。

だから、日本にもできるはず。それをできると信じて、男女でありたい社会の姿を共有しながら行動を起こすことが大切なのではないでしょうか。そんな対話の場があったらいいですね。




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