見出し画像

草の奴隷としての生存戦略の解、それは電動草刈り機、なのか

以前、田舎においては逃れることのできない草刈りの実情について話をした。

このnoteでは都会暮らしの筆者が岐阜県恵那市に移住して11年の農村暮らし経験に加えて、30年以上のドラマーとしての音楽経験(仕事レベルで)や登山経験(登山店勤務経験あり)、アフリカでのワークキャンプ、地域おこし協力隊、有機農業、現在は夫婦でEC運営、といろんな畑を歩んできた自分の経験からお伝えできるトピックを発信しています。元岐阜県移住定住サポーター(現在制度は解消)。(所要時間3分)

草の奴隷としての生存戦略の解、それは電動草刈り機、なのか

刈っても刈っても伸び続ける草に向き合うことは、まさに非合理な所業であり、この時間と労力が他に使えるならどんなに素敵だろうと思わずにはいられない。
だがそんなこと言ったってなにもしなければ、我々の暮らしが草に飲み込まれて、生活に支障をきたす。

簡単な解決策として、業者さんに頼む、という方法はある。手早くスッキリ刈ってくれるので、今シーズンもすでに一回お願いした。安くはないが、他に抱えるものがたくさんある時には、積極的にお願いしたい。
しかしお金に余裕のない我々にはそう何度も使える手ではない。合理だろうと非合理だろうと草刈りを暮らしの前提として組み込んでおく必要があるのだ。

そんなわけで、草刈りにおいてはいかに快適に作業できるかが大きな関心事になっている(オレだけか?)

以前の記事でエンジン式と電動式の草刈り機の違いについて触れたことがきっかけで、自分でもエンジン式の騒音や体への負担、ガソリン使用という問題に対する解決策として、電動式にはとても興味を持っていた。
実際に友人が使われているものを触らせてもらったりもして、いつかは、という思いも抱いていた。

そしてついに、妻からの提案もあり、マキタ製の電動草刈り機を購入した。
この電動草刈り機、使ってみるとやはりエンジン式との大きな違いを実感した。田舎暮らしに興味がある方には、必須の草刈り機だけに、どのようなものをチョイスすればいいのか、お悩みの方も多いだろう。

オレのnoteでもたまにはお役立ち情報で皆さんに貢献したく、今日はその使用感をレポートしてみたいと思う。

なお、これから検証する内容は個人的な見解を多分に含み、特に安全面に関してはご自分で適切な指導などを受けたうえで実施してください。事故・機械の故障等においてはその責を負いかねますのでご了承ください。

今回購入したのはマキタ製18Vのチップソー式である。
・22mLエンジン刈払機と同等の使用感。楽らく、たのしく、本格草刈。ツールレスで簡単刃物交換、使いやすさアップ。
・楽々モード搭載。草の密度で自動変速 省エネ&低騒音。低振動&省エネDCホワイトチップソー搭載。
・防じん・防滴 アプト搭載。キックバック時に刃物がストップ、AFT搭載。ソフトブレーキ付。カラミトリ逆回転機能付。ループハンドルで障害物が多い場所や傾斜地に。
・直流18V、スライド式Li-ionバッテリ仕様、バッテリ・充電器別売。1充電あたりの連続運転時間(無負荷・金属刃使用時) 高速 約1時間20分/中速 約1時間50分/低速 約4時間
・本機寸法:1,836×251×236mm(長さ×幅×高さ)。質量:2.8kg(バッテリ含む)

https://www.amazon.co.jp/

いざ始動

組み立て

まず、パッケージを開けると、必要な工具や部品が全部入っていた。組み立ては簡単で、15分くらいでできた。

マキタのロゴの入ったアクセサリーバッグがイカしてる。
組み立て後

バッテリーはもともとマキタの掃除機やインパクトを購入した際に付属していた18Vのバッテリーが2個あったので、草刈り機単体で購入。
何気にバッテリーが高い、ということもあって、こうやって使いまわせるマキタ製品は尊い。

モデルは多岐にわたるが、用途と継続使用時間を考えた末、チップソー(金属刃)式を選んだ。ナイロン刃よりも低速で刈れるし、バッテリーの持ちも良さそうだったからだ。
刈刃式は元来低速での使用が設計思想にあると聞いたことがある。
ナイロン刃は高速回転が必要。初めてのバッテリー式だけにここはリスクを避けたい。

エンジン式とのバランスの違い

さて、組み立てが終わって持ちあげてみると、エンジン式とはちょっと感覚が違う。
ヘッドにモーターが入っているからか、重量バランスが前に傾く感じがあった。
よく電動草刈り機の利点として軽量という点が挙げられるが、今回購入したモデルでもほとんど同スペックのエンジン式と比べて、2.8キロと5キロ前後という2キロ以上の差があるのは確かだ。
だが、エンジンによって後部に重量が集中するエンジン式がヘッドの取り回しが楽なのに対して、電動式はややヘッドを持ち上げる感覚がある。

電源ON これは楽だ

ちょっと感覚の違いに戸惑いながらもいざ電源オン。
プライマリーポンプでガソリン送って、チョーク引いて、スターターのひも何度かぶいんぶいん引いて、初爆したらチョーク戻して、もう一度スターター引っ張って・・・というエンジン式の手間に比べたらなんと楽なことか。
なんなら混合ガソリン切れたら、混ぜて作って、タンクに入れて、なんてことも。
電動式ならバッテリーかちゃっと差し込めばOK。この手軽さでもう捨てがたい。

静粛性、低振動、簡易操作性 これは楽だ

早速スロットルを握ると、その静かさに驚く。
エンジン式と比べ物にならないくらい静か。これなら音を気にせず朝の涼しいうちに作業できる。

次に振動の少なさに驚く。後部のエンジンの動力をロッド内を通してヘッドに伝えるエンジン式と違って、電動式はヘッド内のモーターが回転しているだけなので、ロッドの振動が少ない。エンジン式でぶん回したときの暴れるロッドを「抑え込む」感覚も結構身体を疲弊させるものがあったので、これもありがたい。

回転モードは3段階プラス自動調節モードがあって、ボタン一つで切り替えられる。エンジン式なら手元のアクセルで無段階に調整できる点で作業環境に合わせた調整がしやすい。切り替え式だと微調整ができないのがもどかしいが、自分の快適と感じるスピード感としては中速でも充分感じられる。
込み入ったところはさすがに高速で回したいが、パワー不足を感じることもなく、普段通りの草刈りができた。

ボタン一つで逆回転で草のからみをほどく機能もあって、これは便利だった。手で取り除く手間が省けるし、作業効率が上がる。

楽々モードと名づけられている自動調節モードは草の量に応じて回転数を自動的に調整してくれるのだが、回転が切り替わるのにどうしても時間差があるので、もどかしい。自分で目測して切り替える方が早かった。

今回は主に中速~高速での使用でバッテリー一つで約1時間ちょいの使用。カタログスペックより短めだが、こんなもんだろう。バッテリーを交換すれば2時間はいけるから、一日の作業時間としては十分だ。

before
after

刈れる面積や刈り具合は刃の形状や草の種類に請うよって(草刈りスキルによっても)変わるから一概には言えない。付属の刃はマキタ純正。1回使用後の刃の損耗具合を写真に撮ったので各自で判断をされたい。

総インプレッション

身体と気持ちはホントに楽

電動草刈り機の方がエコか、という点については発電コストを含めて考えると、エンジン式とどちらがエコとここで言えるまで調べられていない。

だが、身体への負担は明らかに電気の方に分がありそう。
まず手のしびれがほとんどない。エンジン式は作業後にドラムなんて叩けなかったけど、これなら負担は少なそうだ。

あとエンジン式は高回転のエンジン音に耳がやられるが、電動式は圧倒的に静か。周りの音に気が付きやすいという安全上のメリットも感じられた。

いつもベルトで肩に乗せると、微振動が身体に響いてそれも疲労感につながっていたが、これもやはり電動なら軽減される。

作業性としては、前にも述べたが、ヘッドが重く、このバランスに慣れる必要はありそう。

安全面で気になること

安全面では、手元の二つのレバーを同時に握らないと回転しない。レバーを離すとすぐに回転が止まる。
エンジン式と違うのは、電源が入っているのを忘れて、何かの拍子にスロットルを握ってしまうのは怖い。特に子どもたちによる不意の事故が起こりかねないと感じたので、確実にバッテリーを外すとか、電源を切るとか、ちょっとだけならと電源をつけっぱなしで置いておくようなことには気を付けなければいけない。

草のお悩みもサクッと解決

総じて、まずは良い感触だった。
場所によってはエンジン式を使ったり併用していくと思うが、朝のちょっとした時間にバッテリー一つ持っていけば始められる感じも良い。エンジン式は混合オイル作って入れたり、時間帯を気にしたり、匂いや振動など、できる限り避けたい気分を誘発する。

このサクッとした作業性は、夏場のしんどい草刈りに向かうにあたって、少なくない要素になるだろう。

このツールが我が家に画期的な変化をもたらしてくれるかどうか、それはまた冬を迎えたあたりで検証されるので楽しみに待たれたい。

何かの参考になれば幸いである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?