佐藤暁彦(元恵那市ふるさと活性化協力隊・元岐阜県移住定住サポーター)

横須賀出身、34歳で岐阜県恵那市に移住。元恵那市ふるさと活性化協力隊(地域おこし協力隊に準じた独自制度)。有機農家を志すも現在は妻のEC事業を共同運営。趣味ドラム演奏(かつては仕事できたぐらい)。10年にわたる移住生活から得た暮らし方や多様性、子育てなどにまつわる話を発信。

佐藤暁彦(元恵那市ふるさと活性化協力隊・元岐阜県移住定住サポーター)

横須賀出身、34歳で岐阜県恵那市に移住。元恵那市ふるさと活性化協力隊(地域おこし協力隊に準じた独自制度)。有機農家を志すも現在は妻のEC事業を共同運営。趣味ドラム演奏(かつては仕事できたぐらい)。10年にわたる移住生活から得た暮らし方や多様性、子育てなどにまつわる話を発信。

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    自己紹介・現在活動中のこと

    ◆これまでの経歴 1977年生まれ。神奈川県横須賀市出身。現在岐阜県恵那市笠置町在住。妻と子ども2人の4人家族で義母と築150年の古民家で同居。岐阜県移住定住サポーター。 横須賀の新興住宅地に生まれ育つ。中学受験→横浜の私立中高一貫校と進学ルートを歩むも、中学生でドラムに出会い没頭。 何とか現役で大学に進むも(社会学専攻)、音楽で食べることを志し、1留の末卒業。 その後一時音楽学校に通いつつ、バンド活動やサポート活動にいそしむが徐々にフィールドはジャズ方面へ。 イタリ

      • 田舎のおすそ分け考 ~キュウリとキュウリの交換に意味はあるのか~

        今住んでいる田舎の集落では、「おすそ分け」の文化が色濃く残っている。 移住前の住宅地でも自分の親がときおりお隣にお土産ものなどを持っていくのを目にはしていたが、田舎のおすそ分けは訳が違う。 主なおすそ分けの品と言えば、自家用で育てた野菜が圧倒的に多い。ほとんどの家で自家用というには広すぎる面積の畑を持っている。特に直売所に持っていくこともなく、そこに土があるから植えている、という感じなので、夏にはトマトやキュウリ、秋冬には白菜など、食べきれないほど収穫する。 そこで、ご近

        • ローカルへの意識を芽生えさせたイタリアでの経験

          生まれ故郷の横須賀から恵那市に移住して早10年となった。 恵那に来るまでローカル的な関心はほぼなかったオレが、移住以来「地域」や「コミュニティ」といったことを意識した行動をとるようになったのだが、振り返ってみると、自分の中で「ローカル意識の芽生え」となるような出来事はいろいろとあったのは間違いない。 そんな経験の中でも比較的大きなインパクトを伴ったものは、イタリアでの経験だろう。 イタリアで3か月を過ごしたのは29歳の時。移住する5年前のことだった。 大学卒業後音楽活動を

          • 恵那にラリーがやってきた!【WRCラリージャパン観戦記】

            11月中旬の週末、”我が家を”熱狂に包んだWRCラリージャパン。 初日の豊田スタジアムでのファンフェスタには次男と参加、セレモニアルスタートをでは会場にほとばしる緊張感を目の当たりにし、最終日の我らが地元恵那SSは家族で現地観戦、雨の降る中狭い林道を常識では考えられない猛スピードで走り抜けていくモンスターカーたちの爆音と迫力に文字通り度肝を抜かれてきた。 まっさらな田舎で感じた最高峰の世界の凄み率直に、世界最高峰のモータースポーツの一つをこんなに間近で体感できて感動した。

            食の安全は楽しく語りたい。~映画「食の安全を守る人々」を見たら恐怖を覚えた話~

            皆さんは普段食べる野菜や穀物などの安全性、についてはどのように意識されてるのだろうか。 自分たちの食べるものに付着している残留農薬が引き起こす健康リスクなどを気にされるだろうか、またそうした農薬類を使う栽培法が与える土壌の生態系等の自然環境への影響を気にされるだろうか。 もしくは最新技術によって農薬類による人体や環境への負荷を限りなく0に近づけられているという説明を信じ、これからの人類の食糧事情を支えるためにはさらなる大規模化・効率化をこうした技術によって発展させていくべ

            「新時代」に40代半ばの世代はどう生きれば良いか ~Ado「新時代」に寄せて~

            音楽は世相を表すというが、この曲は将来今の時代を振り返ったときに、あの曲がターニングポイントだったね、と時代を表す曲になっているかもしれない。いや、そうなってほしいという希望かもしれない。 Adoさんの歌う「新時代」のことだ。 アニメ映画の主題歌ということで、10代20代に圧倒的に支持されているらしい。歌い手のAdoさんも10代という若さで、彼女が「新時代だ」と歌いあげるのを聞いたときに、これは何かが確実に変わってきていることの表れだ、と直感的に思っている。 ここしばら

            有機無農薬米栽培チャレンジ3年目、甘えが招いた失態を晒す

            3年目となった無農薬・無化学肥料での米づくりも収穫を迎えた。 結論から言うと、昨年に続き大失敗と言える事態となった。 昨年からの改善を図ったつもりの結果なので、かなり落胆している。同時にそもそも米づくりができる立場なのか、ということに目を向けざるを得ない失態を犯してしまった。 なので、今回のレポートはネガティブな感情が入ってしまい、読みづらいものになるかもしれないが、これから田舎暮らしを始めて念願の米づくりを始めようとする人たちの反面的な教材になればと思う。 (用語などの説明

            資本主義でも共産主義でもなく「共感主義」はどうだ~「世界史の構造」を読んで~

            足掛け1年半ほどかけてやっと読了。 普段から「新しいつながり方」を提唱している友人が言及していたので、自分も手に取ってみたが、とにかく難しくて1回に3ページも読み進められず(多くは寝落ち)、理解の方も?だが、とにかく約500頁、読むには読んだ。 この本を読むのに、オレには前知識があまりに欠けていた。 タイトルに「世界史」とあるが、ここでは個々の歴史を教えてくれるわけでない。世界史的な知識は持っている前提で、ヘーゲル、カント、マルクス、資本論、経済学、文化人類学、などなど「

            生き抜くために必要な力について、草刈り前につぶやいた

            最近の夏の暑さでどうも気力が落ちているようだ。ついネガティブな気持ちになってくる。こんなことで厳しい自然の中を、そして混乱のきわまった世界を生き抜いていけるのだろうか、と。 激動の時代を生き抜いていけるのは、いわゆる田舎で生まれ育ち、そこに最期まで骨をうずめようと暮らしている、在来の人たちかもしれない。 彼らはたくましくて、豪快で、人生を楽しんでいる。 背伸びせず自分に与えられた環境の中で毎日を生きるために生きることを疑わず、しょうがないものはしょうがないと受け入れること

            かわいがられない人は田舎でどうやって暮らすか

            どうも自分は「かわいがられる」ことがあまりない人生を送ってきた気がする。 猛烈な日射しを浴びながら息も絶え絶え田んぼの畔の草刈りをしているその時になぜかそんなことを思った。 最近この田舎に移住してきた若者が就農し、近所の農機具屋さんに足しげく通い、かわいがられているという噂を小耳にはさんだからかもしれない。 オレは移住して10年が経つが、この話に少なからずもやもやしていた。それはちょっとしたうらやましさを覚えたからだろう。と思って自分の過去において、誰かからかわいがられ

            「筋を通す」の意味は、多様で曖昧で、「筋違い」を起こしやすい

            人間関係の濃い地域に暮らしていると、地域を単位としたいろいろな集まりにかかわることになるが、そこでよく耳にするのが「筋を通す」という言葉である。 「それでは筋が通らない」「彼の言うことには筋が通ってる」 伝統的な慣用句として、田舎に限らず企業など組織の場で耳にするのではないだろうか。 例えばこんな場面。 ●ある地域の集まりで、次期役員を選ぶのに適材だと思われた人に現役員の中でめぼしをつけていた。 しかしその彼は個人的な理由により断ってきた。その理由はオレにはごくまっと

            カネにならない田舎暮らしのブルース

            初夏の田舎はとにかく忙しい。 今は毎日のように畔の草刈りや、田んぼの草取りをしていて、今にもぶっ倒れそうだ。こんなことしてても一銭にもならないのに、ただただ消耗している。 10年前に恵那市に移住して以来、「降りていく生き方」だとか「脱成長」だとかの文脈からとかくもてはやされそうな暮らしをしているわけだが、街中でカネでなんとかなる世界でぬくぬくしてきた身には、その実践は肉体的にも精神的にも応える。 さらに、カネとの縁を切ったわけでもなく、夫婦で事業まで立ち上げて、カネの世界と

            多様性は楽じゃないけど、成長できる ~移住生活から学んだ、価値観の違いを超えて得られるもの~

            最近こんな声を投げかけられた。 神奈川県横須賀市から岐阜県恵那市の小さな農村へ移住をはたして10年目、住民のほとんどが生まれも育ちもずっとこの村、というような土地柄で移住者など数えるほどもいなかった。 移住当初は誰の顔もわからない、というような状態だったが、徐々に子どもの小学校や保育園、消防団、自治会などを通して、同世代でも知る顔が多くなった。 冒頭の言葉は、そんな中でも移住してきた自分のことをずっと気にかけてきてくれるようなやさしさを感じる人から発せられたもので、自分に

            地産地消=最高の調味料 ~恵那の食文化の魅力~

            田舎の春は食卓がにぎやかだ。 田舎の春は食卓がにぎやかだ。 ご近所さんたちが、山で採ってきた山菜をよくうちにもわけてくれるし、ワラビやツクシなどはうちでも採れる。茶畑や田んぼの畔に群生しているので、採るのに労はない。 なので一時食卓が山菜だらけになる。 まだ寒い時期のふきのとうから始まり、ウドやタラの芽、ぜんまいなどいろんな種類の山菜料理が続く。 たいていは天ぷらか煮つけ、お浸しになるが、続くとさすがに飽きてくるのでパスタの具などにしてもよく合う。 ここら辺で一番喜ば

            『持続可能性』に代わる『やまとことば』を考える

            オレが地域おこし協力隊だった時に、地元の人たちとこれからの地域社会について話していたときに、自分では普通に使っている横文字の言葉に嫌悪を示されたことを思いだした。それもまだ若いと言える同年代の人にだ。 まるでドラマのワンシーンのような場面であるが、本当の話である。 たしかそれは「サスティナビリティ」だとか「ダイバシティ」だとか「オルタナティブ」、といったような言葉だったと思う。 「持続可能」「多様性」と日本語にしたところで、またそういう難しい言葉を出して、という顔をされ

            『冬うつ』を超えたら、人間も虫もそう変わらないことがわかった話

            ようやく寒さが緩んできて、春を感じられるようになってきた。 ここ岐阜県恵那市は、雪が少ないかわりに冬の間平均の最低気温は氷点下を下回り、ときにマイナス10度前後まで冷え込む。 加えて断熱という概念のない古民家は底冷えがひどい。 石油ストーブではこの寒さに歯が立たないので、家の中でもダウンジャケットと、登山用の厚手靴下が欠かせない。 むろんエアコンなど冷風が吹いてくる始末で論外。 寝る時も布団は冷えに冷えて、温まるまでなかなか寝付けないが、ここでは「湯たんぽ」が重宝す