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【経営者インタビュー・後編】一般社団法人Ayumi 山口広登さん

一般社団法人Ayumi代表理事山口さんの経営者インタビュー・後編です!
後半は、幼少期のお話から見据える未来について、をお届けします!



原動力は反骨心。優しい従兄弟をあの顔にさせる世の中を変える

--いやぁ、普通に面白い戦略ですね。普通に戦略聞いちゃってますけど、大丈夫ですか?

もちろん、大丈夫です!
基本NGなことは喋らないんですけどここまで戦略を細かくお話したのは初めてかもしれません(笑)。

--本当にありがとうございます(笑)。とても勉強になってます。質問の角度を変えれればと思うんですが、起業前のストーリーもお伺いしてもいいですか?今ってたくさんのメディアに取材されてると思うんですが、何者でもない山口さんが今の状態になるまでのプロセスに一番価値があると思ってるので、20代前半とか、子供の時にお話をぜひお聞かせいただきたいです。

山口
そこ取材されたことってなかなかないですね!
小学生の頃はTHE・わんぱくでしたね(笑)。多分赤点以外取ったことないんじゃないですかね(笑)。小学校までは0点ばっかりでした。本当に勉強が嫌いで、勉強する意味が分からなかったんですよね。休憩中遊んで、そのまま教室の後ろで遊んでるやつみたいな先生に注意されるタイプの子供でした。本当恥ずかしいんですけど、中学の時に九九が言えなかったんですよ。

ろくに勉強してないのでめっちゃ馬鹿にされたのと、サッカー部に所属してて、本当はスタメンなのに補習で試合に出れないことがあって、「あ、本当に勉強しないといけないんだ」と思ったのが、中学2年生でしたね。そこから勉強し始めてなんとかオール3ぐらいにはなりました(笑)

興味を持ったことに関しては、すごい集中してやるんですけどね。これは起業とも繋がるんですけど、山口の一番の根っこって反骨心なんですよ。見返したい、とかあの時の言葉覚えてろよ、とかが本当の根っこにあるんですよね。悔しいが原動力になるんですよね。

--意外ですね!!Ayumiさんを創業されたきっかけになった反骨心はあったんですか?

山口
従兄弟が車椅子ユーザーになったのが15年くらい前なんですけど、自分にはとても優しいし、人を笑わせるのが好きだし、従兄弟が来ると場が和むんですよね。太陽のような存在だったんですけど、そんな従兄弟が、熱海旅行の時に「慣れてるから大丈夫」って言ってる顔が忘れられなくて、あんなに優しい従兄弟をこんな顔にさせる世の中に対する反骨心があったんですよね。

祖母も生前、「自分のお金で旅行とご飯行きたかった」ってよく言ってて、その頃はその言葉の意味が全然分からなかったんですけど、起業準備中にやっと理解できました。障がい者年金で暮らしてたので、自分で生きてる感覚がなかったらしいんですよ、あとから母親に聞いたんですけど。

自分の力でお金を稼ぎたい、でもできないっていうジレンマがずっとあったらしいんです。でもそれってサービスとチャンスがなかった、10年とか20年前は障がいという考えにもっと不寛容だった。そう考えた時にこれなんとかしなきゃ、誰もやってくれないのであれば俺がやろうみたいなスタンスでやってますね。

世の中も当事者もネガティブに捉えてたことが最大の価値になる

--Ayumiさんの素敵なところって、車椅子ユーザーさんがバリアフリー認証自体を作ってるし、現場検証もして当事者に収入が入る仕組みを作ってることが本当にすごいと思うんですよね。

山口
ありがとうございます!
今までは世の中も当事者もネガティブに捉えてたことが最大の価値になると思ってます。Ayumiのバリアフリー情報サイトは、情報を調べるという参加の仕方もあるんですけど、情報を届けるという運営側での参加の仕方もあるんですよね。

その中で、代表(山口さん)が身体障がいを抱えてない、という部分が1つピースが足りなくなってしまう部分なんですよね。だからこそ、メディアを運営してるのは車椅子ユーザー当事者というのがキーなんですよね。当事者が当事者の課題をそのまま記事にしてる、だからgoogleでも上位に表示されるようになってるんですよね。

Ayumiは2つのポイントを抑えることを意識しています。この記事を1から10まで見れば課題が解決する情報の網羅性と、当事者の体験なんですよ。Ayumiは車椅子ユーザー当事者が記事を書いてるので、これ使ってみてどうだった?という体験談を書けるんですよね。山口が書いても「あなただからできるんでしょ?」となってしまいますよね。今は発達障がい・精神障がい・車椅子ユーザーの方々に書いていただいてます。

--その世界観、本当に素敵だと思います。そんな中で目下の課題って何がありますか?

山口
認証店舗をどれくらい増やせるか
ですね。まだ30店舗しか導入していただいたいてないんですよね。個人的には相当進みが遅いと思っているんですが、とはいえバリアフリー認証を取るメリットをちゃんと感じてくれる人じゃないと、ただ1年間掲載して終わるのは意味がないので、バリアフリーに関する理解をしていこうという店舗とどれだけ繋がれるかがキーになりますね。

バリアフリー認証サービスについては、そもそも何で必要なのかっていうところをお伝えしています。特に市場規模の可能性と、訴訟リスクですね。この部分をしっかりお伝えした結果、大手企業の2社様に導入いただいています。

感情でお伝えすることがメインなんですけど、最近は「ロジカルに話しすぎて、山口の熱量が分かりづらくなってる」ってフィードバックもいただいてますけどね(笑)。

障がいの有無に関係なく選択肢もあるフラットな世界を目指す

--ありがとうございます。最後にAyumiがどんな会社になって、どんな未来を作っていきたいのか、トータルのお話をお聞かせいただいてもいいですか?

山口
そうですね。これは少しずつ再現できているなって思ってるんですけど、今バリアフリー情報サイトのマネージャーの赤石さんは右手首と首から上しか動かないんですよ。メンバーとの1on1とかメディア戦略を自分と一緒に立ててるんですけど、そんな中で他のメンバーが「赤石さんと仕事してるとたまに彼が右手首と首から上しか動かないという事実を忘れてしまう」って言うんです。これめちゃくちゃ良いメッセージだと思っていて、これがAyumiの中で体現ができてるんですよ。

これをAyumi以外の会社でも体現できた時には、障がいの有無に関係なく選択肢もあるし、フラットな世界を目指せると思っています。これをAyumiだけでなく、どれだけ社外で実践していく時のキーポイントがバリアフリー認証になってくると思っています。

バリアフリー認証がもっと箔がついて、導入店舗が増えれば増えるほど、彼らの力を頼らざるを得ない状況を作っていける、なのでバリアフリー認証を産業にしていきたい、泥水すすってでもやっていきたい世界ですね。


編集後記(大坂)
Ayumiさんの最大の価値は、車椅子ユーザーさんがバリアフリー認証自体のサービスを作っていて、当事者にしっかりと収入が入る仕組みを設計できてることだと実感しました。山口さんも仰ってましたが、今までは世の中も当事者もネガティブに捉えてたことが最大の価値になる部分もAyumiさんの魅力の一つだと思います。

もし、Ayumiさんのサービスに興味を持っていただけそうな飲食店様やホテル様、店舗様がいらっしゃればぜひご連絡をいただけませんか?ただ儲けるだけではなく、ご自身の実体験を解決するサービスを展開されてる山口さんを応援したいと思っているので、ぜひよろしくお願いいたします!


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