ヒエラルキー逆転!?干支にみる悲喜こもごも
異文化交流にもってこいのアイスブレイク(以下、雑談といいます)ネタ。
前回、お話したマンガ・アニメは、どちらかと言うと、若手のビジネスパートナーと話す機会が多かったですが、とても盛り上がる話題です。
(ジャイアンやスネ夫のイタリアン・ネームはこちら↓)
雑談は、相手の人の国・年齢層などによって、ネタとなる話題はさまざま。
特に文化・歴史ネタは、ヨーロッパのエリート層にはとてもウケが良いのです!
そのため、日本の文化や歴史は、十分な雑談ネタになります。
さて、私がしてきた雑談ネタのうち、印象的な話のひとつが「干支」です。
今回の雑談の対象である、ビジネスパートナーたちは、全員ミドルエイジで、会社の上層部、いわゆるエリート層です。
素敵なミドルエイジの紳士たち
彼らのプロフィールを少しご紹介します。
ジャン・ルイ(フランス人)は、シニカルな発言の多い、パリジャン、そしてCEO。
日本が大好きで、日本の料理や文化をよく褒めてくれるのですが、
「日本の文化はフランスの次に素晴らしい」
「和食はフレンチの次に美味しい」
など、「フランスの次に」が、必ず頭につきます(汗)。
ドミニクは、チェコ系フランス人。彼はワインと食を愛し、美しいものを愛するエレガントな紳士。
ご実家が資産家だからなのか、身のこなしもエレガント。
営業チームの総責任者ですが、いわゆるガツガツしたタイプではなく、シビアな交渉で相手が感情的になっていても、上品にさばく姿は必見です。
アビブは、アルジェリア系フランス人。
マーケティングの天才という異名を持ち、彼の生み出す新サービスは、ことごとく世界に向けて発信されていきます。
あまりに天才すぎて、私も含め周りにいる人たちは、彼がいったい何を言っているのか理解できない人たちも多数。(汗)
そんな天才アビブですが、レストランで一目惚れしたウェイトレスに初対面でプロポーズし、ゴールインしたという、武勇伝もあります。
そう。
この3人のフランス人のおじさんたちにウィンクされ、私はグローバルビジネスの世界に招かれたのです。
(私の人生を変えた、おじさんたちとの出会いは、こちら↓)
お気に入りの雑談ネタ
自分自身の経験による個人的な所感ではありますが、この3人も含め、いわゆるエリート層にいるヨーロッパの人たちは、雑談ネタひとつとっても、自国や相手の国の文化背景や歴史を非常によく知っています。
単なる偶然かも知れませんが、私のイメージでは、ヨーロッパのエリート層は、そろいもそろって「インテリ」なのです。
仕事で毎日のようにやり取りするのが、彼ら3人だったこともあり、このころの私は、彼らの影響をモロに受けて、(仕事とは別に)美術史を読み漁ったり、クラシック音楽を聴き始めたり、宗教や歴史についての知見を深めたり・・と、色々な知識を「かじる」ようになりました。
そして、私にとっては、このような文化の探訪が、とても楽しく、夢中になっていきました。
干支にみる悲喜こもごも
パリのオフィスでのある日。
ミーティングのために、会議室に入ってきた私に、ジャン・ルイが、こう切り出してきました。
ジャン・ルイは、ときどき、私が「どの程度、自国の文化を知っているか」を試すような抜き打ち質問をするので、気が抜けません。(汗)
「akkie、チャイニーズ・ゾディアック(干支)は、どんな順番だっけ?」
私が、「子丑寅・・」と十二支を伝えると、ジャン・ルイは、もうひとつ質問をしてきました。
「ネズミ、ウシ、トラって順番が決まってるんだっけ?どうして?」
たまたま、昔「まんが日本昔ばなし」でやっていた干支の順番の話を観て、あらすじを覚えていた私は
「それはですね・・・
(ラッキー♪ これ知ってる!)」
と、「まんが日本昔ばなし」で覚えていたことを、インテリっぽく(笑)、かいつまんで説明しました。
※「まんが日本昔ばなし」には、カエルも出てくるので、どの程度、信ぴょう性があるのかは不明です。
私の説明を聞いて、ジャン・ルイは大満足 ♪
「順番にも意味があるんだね~。すごく勉強になった。ありがとう。
ところで、僕の干支を知りたいんだけど、調べてくれない?」
ジャン・ルイの生まれ年を聞き、計算をして
「ネズミですね!」
と、答えました。
すると、居合わせたドミニクとアビブも、紙に書いた生まれ年を、微笑みながら、私に差し出してきました。(笑)
私は2人の干支も調べて、
「ドミニクはウサギ、アビブはトラですね!」
と、答えました。
「トラかウマがいいな~♪」
と、期待していた、会社のヒエラルキーのトップに君臨する、ジャン・ルイは、ネズミと聞いて、見るからにがっかり。
エレガントなドミニクは、ウサギと聞いて、まんざらでもない様子。
天才アビブも、強いイメージのトラに、嬉しそうな表情です。
ネズミがよほど嫌いなのか、部下のドミニクやアビブが、ウサギやトラだからなのか、定かではありませんが、(え~、グローバル企業のトップが、ネズミでそんなに凹んじゃうの~?)と思うくらいのがっかり度合いです。
本題のミーティングが始めるためにも、ジャン・ルイには気分を取り直しててもらう必要があるので、
「ジャン・ルイ、干支の動物には意味があるんですよ。
ネズミは知恵を使って1位になった・・。
ということは、IQが高くて、機転が利く。頭の良さナンバーワン!ということなんですよ~。」
と、その場で思いついたフォローを入れると、気分を取り直してくれました。
にわか占い師デビュー!
この干支の話は、あっという間にパリオフィス内に広まり、その日の午後には、社内の人が、入れ替わり立ち替わり私のデスクに人がやってきて、
「私のチャイニーズ・ゾディアックは?」
と、聞いてきます。
さすが、エリートのインフルエンサー!
口コミ効果、バツグンです。
ジャン・ルイには思いつきで、当てずっぽうで答えてしまったけれど、せっかくなので、「干支における動物たちの意味」を調べて教えてあげると、大好評でした。
◆ 干支の意味 ◆
子:頭の回転が速い、機知に富んでいる、多才、親切
(ジャン・ルイに当てずっぽうで言った誉め言葉は、合ってました!)
丑:勤勉、頼りがいがある、強い、決断力がある
寅:勇敢、自信に満ちている、競争力がある
兎:穏やか、エレガント、親切、責任感が強い
辰:自信に満ちている、知的、熱狂的
巳:ミステリアス、知的、賢い
馬:快活、行動的、エネルギッシュ
羊:穏やか、優しい、共感力のある
申:頭が良くてスマート、好奇心が強い
酉:観察力の鋭い、勤勉、勇敢
戌:愛嬌のある、誠実、慎重
亥:思いやりのある、寛大、勤勉
1)「自分の生まれ年」や「自分の家族・恋人の生まれ年」を聞き、
2) 計算して、
3) 干支に当てはまる動物とその意味を伝える
という一連のプロセスに、私はまるで占い師気分です。
特に、3の「動物の意味を伝える段階」では、自然と神妙な面持ちになります。
当たってるかどうかはさておき、自分や、自分の大切な人の干支を知り、みんな、とても喜んでくれました。
せめてものお礼にと、私のためにオフィスの売店で売っているバラの花や、マカロンやチョコレートなどのスイーツなどをプレゼントしてくれました。
パリのオフィスの売店には、社内の人やお客さまに、ちょっとした感謝の気持ちを示したいときのために、バラの花やオシャレなひと口スイーツが売ってるんです☆
おかげで、その日の私の席は、赤やピンクのバラとカラフルなスイーツに囲まれ、まるでお誕生日のように、華やかな気分で仕事をすることができました☆
いかがでしたか?
私たちも日本の文化や相手の国の文化は、雑談ネタとして取り入れることで、より知る得ることができます。
ひょっとして、私のように俄然興味がわいてきて、ハマってしまうかも知れません。
そろそろ師走に入りますし、もし機会があれば、今年や来年の干支や、相手の干支を教えてあげると、思いのほか、盛り上がるかも知れませんよ!
さて、そろそろクリスマスのイルミネーションが華やかになる、今日この頃。
次回は、この時期に日本に来る海外の人からの「あるある質問」についてお話します。
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