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昨シーズンのBリーグ成績からみるEOP

 私は、バスケットボールのアナリストを目指しています。アナリストの仕事は試合などから「収集」「分析」「伝達」することが仕事です。今回ピックアップするテーマは「分析」です。

  前回お話した、offensiveな生産性を測るEOPを昨シーズンのBリーグ(B1,B2)のチームで実際に計算してみました。

1. B2の個人成績、EOP+/Gの関係

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 試合得点平均の順位=攻撃性(Eop+)の順位 にはならないことが分かります。この表をみた時、4位のシェヒード・デイビス(福島)がEOP+/G順位が明らかに低いことが分かります。

 試合得点平均ではランクインしないけれどEOP+/G4位のブラッドリー(西宮)と、EOP +/ Gは上位ではないけれど試合得点平均4位のシェヒード(福島)を比較してみました。

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 比較してわかったことは、シェヒードには3Point Shotを打てる選手ですが、2Point Shotはブラッドリーよりも劣っていましたEOP+が低い理由は、PTSが勝っていても、FG%が劣っていたことにありました。

 ここでEOP+は3Pointの価値を考慮していないのか?という疑問が出てきますが、途中計算式にあるOEを求める計算式だけでは考慮されていませんが、RawEOPを出す時にPTSを使うことで考慮されていました。

OE=(FGM+AST)/(FGAーORB+AST+TO)
Raw EOP=(0.76*AST+PTS)*OE

 よって、シェヒードがEOP+を上げるためには2Point Shot成功率を高めることでした。

2. 地区上位チーム、EOP+/Gの条件

 B1、B2でそれぞれEOP+/Gの上位条件をみてみました。EOP+/ G15、8以上の人数、EOP+/G 15,8以上の選手のEOP合計、EOP+/G15.8以上の選手の外国人選手と日本人選手の人数、の3つ共通する主な上位条件が見えてきました。

B1

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①EOP+/Gが15,8以上の選手がチームに4人いること
②EOP+/Gが15,8以上の選手のEOP合計が2,400以上であること
③EOP+/Gが15,8以上の選手に日本人が2人いること

B2

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①EOP+/Gが15以上の選手が1人、8以上の選手が3人いること
▶︎どちらかが多くても、どちらかがかけていると上位に入れていない
②②EOP+/Gが15,8以上の選手のEOP合計が2,200以上であること
③EOP+/Gが15,8以上の選手に日本人が2人いること

3. B2今シーズンに向けた新チーム構成とEOP+/G

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 以上で求めた、上位条件より現時点で上位になるチーム条件をクリアしているチームは東区は茨城、西区は名古屋でした。

 東区の茨城はEOP+/Gが15以上のチェハーレスは昨シーズンの得点王であり、EOP+/Gも昨シーズンB2で1位でした。それに加え、EOP+/G 8以上の安定した選手が5人おり、 EOP合計がズバ抜けて高いチームです。
西区の名古屋は昨シーズン個人成績得点2位、EOP+/G 5位だったアンドリューとEOP+/G8以上は3人います。

 昨シーズンは出場時間や試合数が少ない等で図れないメンバーがEOP+/G15,8になる可能性があるチームとしては、東地区の仙台、群馬、越谷です。その中でも、仙台はEOP合計、群馬はEOP+8の選手と日本人選手が足りていないが、昨シーズンB1を経験した選手を揃えているので上位に入ってくる可能性が非常に高いです。

 前回も述べたようにEOP+はオフェンシブな部分を大きく見ているため、ディフェンスを強みとする選手のプレイヤー評価, リクルートをするときの指標にするのはAV(近似値)でみることが推奨されています。


4. まとめ

*試合得点平均が高いだけでは、攻撃性(Eop+)は高いとは言えない
*PTSが高くても、FG%が低いとEOP+は上がらない
*B1はEOP+/Gが15、8以上の選手が4人以上、15,8以上の選手のEOP合計が2400以上とEOP+/Gが15,8以上の日本人選手が2人であることが上位条件である
*B2はEOP+/Gが15は1人、8以上の選手が3人以上、15,8以上の選手のEOP合計が2200以上とEOP+/Gが15,8以上の日本人選手が2人であることが上位条件である
*来シーズンのメンバーのEOPを見た時、茨城、名古屋、仙台、群馬、越谷が上位になる可能性があった