#三島由紀夫
それはそうと、君はまだ童貞かい?
初対面でいきなり、「君は童貞かい?」はないだろう。
失礼だし、不穏だ。
迫られた側は、瞬時に勘ぐり、無駄に身構えてしまう。
はじめて話を交わす相手には、気をつかうのが礼儀だ。
脅威をあたえてはならない。
相手の私生活には深く踏み入らないのがエチケットであり、
政治・信条に関する内容は御法度、
セクシャルな言動も論外である。
そんな論外を、三島は当然のように『金閣寺』で描きだす。
以下に引用す
"くるぶし"まで8cmの金閣寺
三島由紀夫の『金閣寺』をはじめて読んだのは高校3年。
感銘をうけた。語彙が豊穣で、文章も流麗。これはすごい作家だと思った。
が、その感銘はすぐに萎えた。神保町の古書店で、三島の写真集を見てしまったからだ。たとえば、こんな写真。
以来、三島の作品を読もうとすると、この裸体が頭をよぎり、どうしても、素直な気持ちで作品を堪能できなくなってしまった。
美文を読んで唸らされる。うんうんと咀嚼しようとす