【読書録】小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法(はあちゅう・村上萌)
今回の読書録は、noteで5000人以上のフォロワーを持つ、ブロガー・作家のはあちゅうさんと、NEXTWEEKWND代表、ライフスタイルプロデューサーの村上萌さんの共著『小さな野心を燃料にして、人生を最高傑作にする方法』について書きます。
(今回は、ただの【読書録】ではなく、私自身の変化や決意についても一緒に書いていきたいと思っているのでぜひ、最後までお読み頂けたら嬉しいです!)
実は、私……、この本を読むまではあちゅうさんのことをあんまり存じ上げなくて……。村上萌さんのことも、この本で初めて知ったくらい……。本当にお恥ずかしい話ですが……。
この本は、Instagramでフォローしている方がこぞって読んでいらっしゃったので、「なんて可愛い装丁の本なんだ~」と便乗して購入しました。人が読んでる本って何でも面白そうに見えちゃう(なんなら人が食べているものもおいしそうに見えます)。
カリスマブロガーだった頃から、はあちゅうさんのお名前だけは聞いたことがあったのですが、最近はよくテレビにも出られていて、特に『ネプリーグ』で一生懸命クイズに答えていらっしゃる姿が印象に残っています。慶応卒・電通でコピーライターをされていたご経験があるのに、全然ひけらかさない。素敵な方だなぁと思っていました。
萌さんについては、本当に何も知らない状態で読み進めたので、読みながらその経歴にびっくり! 就職活動に失敗→ニートにも関わらず、自分で会社を立ち上げちゃうんだもん。すごすぎる~~~!
就職が決まらなかったら決まらなかったで、大学卒業後も就活を続けるのが“一般的”な選択肢だと思います。だけどそんな中、会社に属するという考えではなく、自分が何をできるのか考えて行動を始めた萌さん。決して楽しいことばかりではなかったと思うのですが、その考えや行動の「枠のなさ」には驚きを隠し切れません……!
私だって、前の会社を辞めて転職活動をしていた時、「起業しよう」「フリーランスで活動しよう」なんていう選択肢、これっぽちも思いつきませんでした(今でこそ、ワークライフスタイリスト養成講座を通して、たくさんの起業家さん・フリーランスの方々と交流させて頂いているので、そういう選択肢もあるんだなぁと日々感じておりますが……)。
自分の正直な気持ちを信じ、選びとってきた萌さんの道筋をみると、確かに波乱万丈ではあるけれど、「企業に就職する」という選択肢は、萌さんにはきっと必要なかったんじゃないかと思います。だから神様は、それを与えなかったのだと、彼女の活躍を見るとそう思わざるを得ません。
特に共感したのは、はあちゅうさんのパート。先述の通り、はあちゅうさんのことはあまり存じ上げていなかったのですが、勝手に尖った文章を書くイメージを持っていました。でも、読んでみたら全然、そんなことなくて。なんだったんでしょう、あの失礼な先入観は(笑) ひとつひとつの文章が丁寧で、温かくて、まっすぐで芯があって……。一瞬でファンになりました♡
大学在学中に「作家」の地位を手にした朝井リョウさんを尊敬していると以前にも書きましたが、彼と同様に、はあちゅうさんも幼い頃から夢だった「作家」の地位を、若くして独自で築きあげた人物だと知り、また一人、憧れの存在ができました。もちろん、私も文章を書く仕事に強い憧れを抱いているからです(そうして今はコピーライターになりました)。
はあちゅうさんは、何か文学賞を取ったわけではなく、ブロガーとして地位を確立し、その後電通・トレンダーズで経験を積むことによって、「作家」にステップアップしていきました。つまり、世間に知れた正攻法ではなく、自分自身でその道を切り拓くことで、その地位を手に入れた、他に例をみない「作家」なのです。
本著では、その道の切り開き方を3つのパートにわけて説明しています(もちろん萌さんもです)。自分の生き方で憧れの仕事を掴む。こんな格好いいことって世の中に存在するんだと感動しました。
念願のコピーライターになったはいいものの、書くのはクライアントの商品の宣伝コピー。もちろん、やりがいはあるのだけど、自分が昔憧れていた「自分の文章を書く」という仕事とは、やっぱりちょっと違う。(P26)
私の場合は、ライターではなく「作家」になりたいという信念があったので、誰かを取材して記事を書く、といういわゆるライター的な仕事は、たとえギャランティがよくてもすべてお断りして、自分の名前と考えが常に入る記事を書かせて頂くようにしました。そうしていたら、名前でお仕事が来るようになりました。(P151)
はあちゅうさんのパートを読んで、私の目指していたことは「これだったんだ」と思いました。
私は、小さい頃から文章を書くことが好きで、暇があればいつだって「何か」を書いてきました。それは「物語」であった時もあったし、「詩」であったことも、「日記」であったことも、「ブログ」であったことも、「Twitterのつぶやき」であったこともありました。
漠然と「文章を書くお仕事がしたい」と思っていたけど、「何を」書きたいのかは、就職活動の時まで考えたことがありませんでした。求人情報を見ながら、あれでもない、これでもないを繰り返す日々。
でも、「誰か」を、「何か」を、取材・インタビューして、宣伝するようなことがしたいんじゃ、多分ない。薄々それに気付きながら就職活動をしていました。
そう、だって、今まで【自分のこと】しか書いたことがないから。自分の経験、考えたこと、思ったこと、触れたもの、見たもの、好きなもの、嫌いなもの……。自分の考えや経験、思ったことを書いているのがいつも楽しかった。それに対して誰かから反応をもらえることが、私はとてもとても嬉しかったのです。
小学生・中学生の頃、ノートに書いた「物語」を友達が読んでくれて、感想をもらえるのが嬉しかった。高校生の頃、「携帯小説サイト」を始めて、顔も名前も知らない誰かがそれを読み、感想を書き込んでくれるのがとても嬉しかった。大学生の頃、ゼミで自分の書いた小説を発表して批評をもらえるのがすごくすごく嬉しかった。
本当は、自分の経験や考え、思いを書く「仕事」がしたいけど、そんな仕事はどこにもないし、あったとしても才能のある、ごく一部の立派な人しかできないことだから。じゃあ別の「自分が興味を持てる何か」を書ける仕事に就こう。私の頭の構造はストレートにそこへ辿りつきました。
1番じゃなくて、2番目、3番目に書きたいことを、1番だと嘘をついて就職活動をしました。でも、私は叱られるくらいに素直で、自分の気持ちに嘘を吐くのが下手だから、面接をしたら一発でばれました。書いてみたいと一度も思ったことがないものを書きたいだなんて、よくも言えたもの。どうりでうまくいかないわけです。
自分の経験や考え、思いを書く「仕事」なんて、一般人の私に与えてくれるわけがないんだから、本当にそこへ行きたいのならば、そこまでの道は、自分で切り拓いていくしかない。
そう、はあちゅうさんのパートを読んで気付かされました。どんな方法だっていい。朝井リョウさんみたいに、文学賞をとる。はあちゅうみたいに、まずはブロガーとしての地位を確立する。じゃあ私は、一体どんな方法でその景色に辿り着くのが良いだろう。
でもエッセイやコラムを書きたいという人の約9割が、特に普段から何かを書いているわけではなく、誰かを紹介しようにも、サンプル原稿も、作品を見られるブログなどもなかったりします。
それは「書きたい」のではなくて「書く人だと思われたい」だけではないでしょうか。書きたい人は、自分で勝手に書いているから、やがてその結果が誰かの目に触れて書く場所がもらえるのに、何者でもない人ほど、先に場所を欲しがるんです。(P165)
この一節を読んで、私はnoteに戻ることに決めました。書きたい人は自分で勝手に書く。noteは、書きたいから勝手に始めた場所です。私はまた、ここから始めて、自分が書きたいと思うことを書く道を目指します。
はあちゅうさん・村上萌さんのお二人は、何もない場所から・何者でもない所から始めて、自分の生き方を仕事にし、居場所を作りあげた先駆者だと思います。
「これからは、“自分で”道を切り拓いて、自分の生き方を仕事にすることが普通になる」と仰っている方もたくさんいます。私も、この二人に続いて、自分の生き方を仕事にしたい。そう、強く思わされた一冊。私の宝物になりました。