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【私の新刊紹介】第4章・「ジェンダー」をめぐる法律と制度

私の新刊『男はスカートをはいてはいけないのか?-キャリコン視点のジェンダー論-』の発売日が、いよいよ来週4月23日となりました。毎週、各章ごとの内容に触れてきていますが、今回は「第4章・『ジェンダー』をめぐる法律と制度」についてご紹介します。「男らしさ」「女らしさ」は、それぞれの人が生まれ持った特徴以上に、外部から行動や思考を規制する法律や制度が与える要素が大きいと考えられています。本章では、具体的な法律やそれらにまつわるトピックを取り上げながら、分かりやすくジェンダー規範の実際と課題についてまとめています。第4章の目次は、以下です。

第4章 「ジェンダー」をめぐる法律と制度
4-1. LGBTをめぐる法律と制度の今後
4-2. 男女雇用機会均等、女性活躍推進とジェンダー
 ①男女雇用機会均等法
 ②女性活躍推進法
4-3. 就活とジェンダー差別
4-4. 成人年齢引き下げと性別取扱いの変更
4-5. 「本人確認」とジェンダー表現の自由
4-6. ドレスコードとジェンダー
 ①神奈川中央交通事件(横浜地方裁判所、平成8年7月16日)
 ②東谷山家事件(福岡地方裁判所小倉支部、平成9年12月25日)
 ③大阪市営地下鉄事件(大阪高等裁判所、令和元年9月6日)
4-7. 「女装」をめぐる法律と現代社会
 4-7-1. 女装を禁止する法律はない
 4-7-2.女装がタブーとされたのは明治以降
 4-7-3.女装(異性装)してはいけない理由はない

第4章・「ジェンダー」をめぐる法律と制度

4-1. LGBTをめぐる法律と制度の今後

性同一障害特例法の内容については聞いたことがある人が多いと思いますが、その現状と課題、そして著者としての意見について触れています。法律そのもののトピックをはなれて、「男らしさ」「女らしさ」をめぐる社会規範とジェンダーのあり方との関係について考えることで、本来の社会の多様性のあり方の方向性についても少し問題提起をしています。

4-2. 男女雇用機会均等、女性活躍推進とジェンダー

雇用面のジェンダー平等をめざす法律として、男女雇用機会均等法、女性活躍推進法はあまりにも有名ですが、それなりに難解なこれらの法律をざっくり分かりやすく解説しています。本格的な「ダブルインカム社会」に向けた地ならしという意味でも、雇用をめぐる制度や慣行と向き合い、変革をめざす方向性が重要だという視点から、そのための基本情報をコンパクトに整理しました。

4-3. 就活とジェンダー差別

ブラック校則や就活をめぐるジェンダー差別が深刻化していますが、本章では、男女をくっきりと2つに分けることで、社会や組織を管理してきたあり方のメリット、デメリットについて考え、これからの時代への道筋について検討しています。具体的には、「一般男性」「管理者男性」「女性」という社会学的なトライアングルをめぐる現代的なテーマについて、分かりやすく整理しました。

4-4. 成人年齢引き下げと性別取扱いの変更

民法改正によって成人年齢が18歳に引き下げられた影響は、さまざまな法律や制度におよんでいます。ここでは「特例法」におよぼした影響と課題、そしてこれからの社会のジェンダーのあり方との関係について、論点をざっくりと整理しました。非常に取り扱うのが難しく奥深いテーマですが、あえてタブー視せずに著者としての意見を述べています。

4-5. 「本人確認」とジェンダー表現の自由

選挙などにおける「本人確認」とジェンダー規範、表現の自由が問題となることがあり、SNSなどでもさまざまな議論を呼んでいます。これらの法律や制度はあまり身近とはいえませんが、ここでは制度の概要を根拠をしめして解説しつつ、これからの社会にとって最大公約数的な理解がえられそうな具体的な展望についても少し触れています。

4-6. ドレスコードとジェンダー

ジェンダーについての規範や規制がテーマとなるとき、「職場のドレスコード」が問題となっていることも少なくありません。本章では、職場のドレスコードが論点となった代表的な裁判例を紹介しつつ、労働者の権利と職場の権利とが競合してしまったときに、具体的な判断の要素となるであろう事例について整理しています。

4-7. 「女装」をめぐる法律と現代社会

ファッションにおける男女の垣根が低くなり、だれもが自由な自己表現をするのが当たり前の時代となった現在でも、男性の「女装」は一般的にタブーとされています。本章では、この論点をめぐる法律と歴史について具体的に解説しながら、未来志向で前向きな美意識と自己表現を目指していく流れの具体像について意見をまとめています。


いよいよ来週4月23日発売となりますが、すでにアマゾンでも予約開始しており、発売日には全国の有名書店で取り扱われる予定です。興味を持たれた方はぜひご予約もしくは書店に足を運んでください。


5月3日に渋谷で本書の発刊を記念した読書会を開催することになりました。リアルに著者に会いたい、読者会で勉強してみたいという人はぜひご参加ください。

https://www.kokuchpro.com/event/74cde0fe60cc43625e2bd5e1efbe63ca/


学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。