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"思考本"の定番をブックレビュー【思考の整理学】

Q. なぜこの本を読んだ?

A. 「思考すること」について書かれた本の中で、長く読み継がれている定番の本であるから。

基本情報

タイトル:思考の整理学 (ちくま文庫)
著者:外山滋比古
出版社:筑摩書房
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感想

かつて、東大京大の書籍部において数年連続で「最も売れた本」となった本。「思考すること」について書かれた本の中で定番と言われる位置を占めている。
余談だが、瀧本哲史は『2020年6月30日にまたここで会おう』において、自分の書いた本が『思考の整理学』のように定番と言われるようになることを目指している、と言っていた。

この本は30篇以上の短い部分に分けられている。筆者の具体的なノート・カードの使い方の篇以外は、「思考すること」に関して私が既知の内容が多かった。とはいえ40年くらい前の本なので、「『思考すること』に関して私が既知の内容」の源泉はここなのかもしれない。

受け身に勉強するのではなく、好奇心主導で自ら考えよ。考えは一旦寝かせて、無意識に任せつつ、異質なものを脳に取り入れ、醗酵を待て。ひとつでは多すぎる、複数を俯瞰せよ。アナロジー、セレンディピティ。積極的に忘れ、整理すること。書きながら、声に出しながら、思考すること。専門的インブリーディング(近親交配)を避け、学際研究を。乗り物の中・布団の中・トイレの中で良い考えが生まれやすい。などなど。

異質なものを取り入れること、学際研究を行うことについては前々から自分のモットーであったし、共感甚だしい。今後とも、異質な知を様々な本や人から取り入れて行きたい。そして、既知と共通する普遍的知見を取り出して面白がったり、異質な知同士の大胆なコラボレーションを考えて楽しんだりして行きたい。越境する知性。

この本を読むまでの1年を振り返ると、文系理系などの区分に関係なく様々な知を取り入れることに目覚め、知識や思考をとっ散らかして発散させていったという印象がある。今後は、未知を取り入れることは続けつつも、頭の中のものからスコープを定めて収斂させ、アウトプットすることを積極的に行っていきたいと思う。まさに思考の整理が必要。

この本を読んで、文章を書きたくなる気持ちが発生した。また、文章を声に出して読みたくなった。ぱっと思いついた考えをメモって寝かせることは、実践していくことにする。

声に出すことに関する話で、『平家物語』の美しさが取り上げられていた。100分de名著『平家物語』で知った内容に通じるものがあった。古典を声に出して読みたい。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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