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脳裏整頓

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脳のアイデアをなんとなく形にしたものをこちらにまとめさせて頂いています。 相変わらず生産性はありません!
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#短編小説

脳裏整頓 小説 vol,09

内側の言葉

わからない事があって、その事を誰にも聞けなくて。
もちろん、友達作りや周りのコミュニティーへの参加が苦手な私にも原因はあるのかもしれない。
だけどだ。
それで連絡ミスや出席忘れをしてなぜ不真面目だと、常識が無いと怒られなければいけない。
なぜ寛容的になれない。
ふざけるな。
自分でもミスを犯していることは反省している。
ミスを犯していることは。
なのに、そこに輪をかけてくるな。
ムカ

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脳裏整頓 小説 vol,08

脳裏整頓 小説 vol,08

約束

やばい、残り時間は20分だ。
それまでに終わらせないと更新が途切れてしまう。
SNSでファンに毎日更新を約束して、今日で4日目。
油断した。
『3日坊主になるだろ、どうせ。』
名前も顔すら知らない、僕なんかをフォローする稀有な50人のうちの1人に言われた。
それが腹立たしくてそれで、昨日までは頑張った。
何してんだ、どうしてちゃんと準備をしていないんだ、昨日の自分。
朝から社会人をして、夜

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脳裏整頓 小説 vol,07

脳裏整頓 小説 vol,07

大きな電波塔の下には

俺は近所の公園の机とベンチがある場所で俺を呼び出した本人を待っている。
今日は日曜日。
とても雨が降っている。
この机とベンチの上に簡易的な屋根がついていて助かったと思いながら、かれこれ10分は待っている。
「ごめん、お待たせ。」
俺を呼び出した張本人 佐藤満が2冊のノートを抱え走ってきた。
「遅いじゃないか。」
満は軽く謝ると、俺の隣に腰掛けた。
「実は普に見てもらいたい

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脳裏整頓 小説 vol,06

脳裏整頓 小説 vol,06

挨拶

「ねえ美樹さ、受験が終わって大学生になったらYouTuberになろうと思うんだけど。」
「え、いいじゃん。 面白そう。」
「でしょでしょ。」
「なに系なの?」
「まだ考えてない。」
「でさ、由美と美里にお願いがあるんだけどさ。」
「私やんないよ。」
「私も。」
「違う違う。」
「じゃあなに?」
「挨拶を考えてほしいんだよね。」
「挨拶?」
「そう、挨拶。 今時挨拶もわかりやすく覚えやすくな

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脳裏整頓 小説 vol,05

脳裏整頓 小説 vol,05

くうき

「ねえ、大海原ちゃんドーナツ半分こしよ。」
「その前に新くんに話があるの。」
「なに?」
「新くんって空気が読めないわよね。」
「どうしたのいきなり。」
「いきなりじゃないわ、日々少しずつ思っていたの。」
「ごめん、全く自覚が無いんだけど。」
「まあ、そうでしょうね。 じゃないとただの最悪な男よ。」
「具体的にどのあたりがそう思ったの。」
「まずさっきのドーナツよ。」
「ドーナツ?」

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脳裏整頓 小説 vol,04

脳裏整頓 小説 vol,04

愛の内側

*こちらは官能小説として書いたものです。暴力的な表現があるため、苦手な方はお控えくださいませ。

「ねえ、澪ちゃんは天気だと何が一番好き?」
「どうしたの俊君。」
「いや別に深い意味はないんだけどさ、ただの会話のきっかけ。」

俺たちは今キャンプに来ている。焚き火もBBQもその後のコーヒーも楽しんだ。
今日のノルマは終わり。
テントの中で寝袋に入ってあの質問をした。

「特に好きな天気

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脳裏整頓 小説 vol,03

脳裏整頓 小説 vol,03

夢の続きは

いきなりだが、結論を言おう。
僕は人の話が嫌いだ。

別に何か嫌な過去や具体的に嫌な事があるとかではない。
聞いているうちに眠たくなってしまうから嫌だ。 それだけだ。

特に授業は最悪だ。
ただでさえ話を聞くのが苦痛なのに、追い打ちをかけるように興味のない話が続く。

「おい、佐々木何寝ているんだ。 集中しろ。」

最悪の悪循環

授業が始まれば眠くなり、眠れば怒られ嫌になる。すると

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脳裏整頓 小説 vol,02

脳裏整頓 小説 vol,02

アイコン「もうすぐ、高校生になって一週間だろ。」
前の席に座っている幼馴染が不意に声をかけてきた。
「そうだね。」
僕は適当に相槌を打つ。
僕が佐藤進士、前に座っているのが佐藤康太。
僕たちは家だけではなく、50音も近いのでこうして近くの席に座っている。
「やっぱり、高校生になったら彼女が欲しいよな。」
「そうだね。」
僕は適当に相槌を打つ。
「進士は欲しくないの?」
「僕はやっと高校生になったば

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脳裏整頓 小説 vol,01

脳裏整頓 小説 vol,01

大切なものは
将来について考えた。

今は20代 やりたいことは決まっている。 

作家になりたい。
人に大切にしてもらえる物語が作りたい。
大学へは金銭的家庭の事情で行っていない。
それでも、補うことはしっかりしてきたつもりだ。

「つもりになっているだけで、本当は何にもしていないのでは。」

という類の質問は受け付けない。 
なぜなら、自分がやったと胸を張っていえるからだ。

むしろそのコメン

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