アカ_ヨシロウ

vol.7【番外編】『アカ ヨシロウとカホさん』

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はじめに

どーもコンニチハ。アカ ヨシロウだよ。

普段はカホさん(奥さん)がメインで記事を書き、コメントとして僕が書き込んでいるスタイルの『月刊アカ ヨシロウ』だが、今回は番外編として僕がメインに書いていこうと思う。

テーマはズバリ『カホさん』

僕がただツラツラとカホさんについて思ったことを書いた内容になる。ナレソメや、思っていることを書いているのでデレる場面もあるが、「こんな夫婦もいるんだなぁ」と思って読んでもらえれば幸いである。

ちなみに、思い出も感情も僕側のものなので、僕にとって都合の良いものになっている可能性もある。そこんところは、あしからずー。

なれそめ

出会いは2011年の3月だったか。僕は大学院1年、カホさんは同じ研究室の後輩で新年度の顔合わせの時だった。

実はそのシーンはよく覚えている。当時のカホさんはガン闘病中で顔色も悪く、様子のオカシイ女だった。僕の最初の印象は「目つきの悪い女だな」だったが、その様子のオカシサもあり、とても気になる女性であった。要は一目惚れをしていたのだ。

その後、ナンヤカンヤあって交際することができたのだが、思い返すとなかなか無茶だったなぁと感慨深い気持ちになる。

当時カホさんは彼氏にフラれたばかで、それを聞いた僕は個人的に食事に誘い、良好な関係の構築を目指していた。しかし、何度か話を聞くうちに「他大学の趣味コミュニティと仲良くしている」と話がある。「ヤバイ、急がなくては!」と思った僕は、ある夜酔った勢いで一世一代の賭けに出た。

好きと言うほどあなたの事は知らないが、好きになれる気がする。まずお互い理解し合うことに専念したいので、交際を開始したい。クーリングオフ期間を設けたっていい。ダメだったら別れよう。どうだろう。OKだったら、さっそく僕の一人暮らしの部屋で添い寝をしようではないか。」と。

結果は「ギリギリOK」だった。添い寝では何もせず、翌朝シリアルを出したのを覚えている。今でも思い返すと「あぶねー、ギリギリだったな~。」と当時の僕にヒヤヒヤするが、賭けに打って出た自分を今でも誇りに思っている。

そんなこんなで交際が始まり、5年後結婚。それから3年が経過した。

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今考えると、どういうナレソメだよって感じだね。でも、事実です。はじめて会ったときから、よしさんはとても失礼でした笑。「目がおかしい」だの「様子がおかしい」だの、大学院に進みたいって相談したら「君は向いてないよ〜」とからかわれ、前付き合っていた彼氏さんと別れたことを話したら目の前でキレられました笑。

そんなわけわかんない人ではあったんだけど、わたしもわたしでわけわかんないので「面白いな、この人」って思ったんだよね。「こんな失礼な人に、今まで出会ったことないぞ!!!」と。

例の告白、「好きかどうかわかんないけど〜」ってやつですが、多分大抵の人は「なんじゃそりゃ」って呆れると思う。だけどまあ、このときのよしさん、めちゃくちゃ歯切れが悪くてね。要するに、いつもの調子いい口調じゃなくて「本気」だったんだよね。

「ああ、この人は、こういうことに関しては嘘がつけないんだ」と思って。それでOKしました。で、添い寝した。我ながら「なんじゃそりゃ」って思う。

カホさんのこんなところが好き

「好きになれる気がするから交際してほしい」と申し出て始まった交際だが、当時から愛を語るのには工夫を要した。

思い返すと僕の一目惚れから始まっていたのだが、一目惚れだと言うと、「結局顔じゃねぇか!」と思われてしまうのではないかと不安になってしまうのである。また、そもそも僕が『一目惚れ』という言葉を信用しておらず、映画やドラマの『一目惚れ演出』も好きでないのも一因にあった。

「好き」とは言いたい。だが「顔」だとは思われたくない。なるべくカホさんの内面を評価したい。だが人見知りで心をそんなに開かないカホさんに「性格が好き」と言っても説得力がない。そこで出てきたのが冒頭の「好きになれる気がする」であった。

年月が経つにつれ考えも変わっていったが、そこには苦悩が付随した。時間を通して僕の「好き」に厚みが出てくるのは確かだったが、「何が好きなのか」が明確にならないことに困ったのだ。

そのうち僕は、カホさんに対して「話をする以前から好き」だったのかを思い出した。「その人がどんな性格でどんな生活をしているかを知らないうちから好き」なんてことは本当にあり得るのか。カホさんの顔や体、性格や出会った状況を切り替えたら、初対面時の僕の感情はどうだったろうか。当時、僕は時間をかけて多くのシチュエーションを考察した。

そしてある日、「あああ!僕はカホさんに一目惚れをしていたんだなぁ!」と納得することができ、カホさんに「多分、一目惚れをしていたんだと思う!」と伝えた。

カホさんからは「結局顔かよ」と言われた。

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カッコつけたがりのよしさんは、自分が「自分の気に食わない設定」に当てはまっていると、必死になって他の道筋や言い訳を探します笑。それは変わってないです。

今まで「顔が好き」なんて言われたことないので、「顔が好き」って言われたとき「顔かよ!!!」ってツッコミ入れたけど、別に嬉しくないわけではない。顔でかいし、顔丸いし、パーツがめっちゃ中心に寄ってるのに顔が好きだなんて・・・物好きだねえ笑。

嘘です、嬉しいです。ありがとうございます。

カホさんとの思い出

カホさんとの思い出はいっぱいあるが、写真を見返して思い出深いのは交際1年後にあった「初めて僕のクセの強い両親に会った場面」だ。

僕の実家にはゴローという小型犬がいて、カホさんと交際したときには12歳と犬としてはお迎えがくる時期だった。僕は大学の近くで一人暮らしをしていたので、老齢のゴローの世話はクセの強い両親がみていた。

カホさんに弟として育ててきたゴローに会ってもらいたい、一方、両親はクセが強いので(まだ)会わせたくない。そんな事を考えた僕は、両親のいない日にカホさんを実家に連れ込み、ゴローに会ってもらうことにした。(一泊で。)

初日はゴローに会ってもらい、食事を作ったりと楽しく1日を過ごしたのだが、問題は翌日に発生した。両親が予定を切り上げて早めに帰ってくると連絡があったのだ。

「ヤバイ!!」 僕は急いでカホさんだけでも外出させようと試みたのだが、時は遅かった。カホさんは玄関で両親にバッタリ会ってしまったのだ。あの時のおふくろは思ったより冷静だったのを覚えている。「家に戻りなさい」という指示に僕らは従った。

家に戻った僕らは両親に交際していることを伝え、ゴローに合わせたかった旨も説明した。両親は終始穏やか(呆れもあったが)で、4人で茶菓子を食べ、夕方には家を離れた。多少の小言は言われたが、修羅場になることもなく終わったのが幸いだった。

今ではクセの強い両親とやり合うためにも、このファーストインパクトは良かったのではないかと個人的には思っている。冷蔵庫の中身を好き勝手使い、浴槽にお湯を張って楽しんだ形跡をみた両親は僕らのスタンスを理解してくれたに違いない。

カホさんは帰りの電車で熱を出し、翌日は終日寝込んだ。

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嫁姑問題に発展するほど険悪ではありませんが、確かにクセは強かった。でもよしさんも十分クセ強いし、よしパパ、よしママから見たらわたしも十分クセが強いだろうな〜と思ってる、今では。

はじめてよしさんのご両親にお会いした日、インフルエンザかな?ってぐらいの熱出したのは自分でも笑った笑。でも、多分、それでよしさんは、わたしがすこぶる対人関係に苦手意識があることを知ったんじゃないかな。

今は全然熱出ないね。熱出ないどころか、多分よしさんのご兄弟のお嫁さんの中でダントツに口が悪い自信がある。なんか、ごめん笑。(注:関係は良好です)

最近思っていること

僕から見るカホさんは、繊細だが努力家で、いつも寄り添ってくれる人だ。

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カホさんは僕から見れば繊細だ。人付き合いに疲れやすく、物語などの作品に影響されやすい。

カホさんはエスパーだ。人の考えが分かるらしく、表情の微妙な差異で感情を読み解く。僕はあっけらかんとし過ぎているのかもしれないが、カホさんは敏感過ぎる気もする。映画などの物語の内容にも感情が揺れ動いてしまうのは、その豊かな感受性によるものなのだろう。

僕はカホさんと生活をすることで、人の感情が分かるようになったし、物語の楽しさを知ることができるようになった。

僕は昔から国語が苦手で、特に物語の人物の感情を考えさせる設問には手こずった。人の感情や行間を読むことを考えてこなかったからだろう。そんな僕に、丁寧に感情を説明し、物語の楽しさを教えてくれたのがカホさんだ。物語や美術作品を鑑賞するようになったのは、すべてカホさんのおかげと言えよう。

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カホさんは努力家だ。真面目にコツコツできるのはカホさんの強みである。

最近特に思うのだが、コツコツ努力ができる人は強い。なんでもかんでもテキトーに途中までしかやらない僕と違って、仕事や勉強、筋トレにおいてもコツコツ辞めずに続けれるカホさんの事は本当に尊敬している。

カホさんがコツコツ努力をする姿は、僕に勇気と活力をくれる。たまに全くできない自分が嫌になるが、人には得手不得手があると教えてくれたのもカホさんだ。僕はカホさんのように出来ないことも多いが、カホさんが苦手としている分野ではフォローしたいと思っている。

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カホさんはいつも寄り添ってくれる。おそらく僕らはよく喋る夫婦だろう。

カホさんとはいつも一緒にいる。特にこの無職期間はホントにずっと一緒にいた。もちろん仕事をしている時間は無言になるが、それ以外の時間はいつも喋っている。カホさんのステキなところは、キチンと喋ってくれるところであろう。

カホさんは屁理屈人間である僕の話を最後まで聞き、キチンと「カホさんの見解」を出してくれる。この時間はとても楽しい。一緒に観た映画のワンシーンを語るにしても、カホさんと喋ると考察がどんどん深まる。

カホさんが寄り添ってくれるから、見識は広がり、あらゆることに寛容になれる気がする。

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まとめると、僕はカホさんと一緒に生きてきたことによって、1人の大人の男性になれたのだと思い、本当に感謝している。

交際して8年。まだまだ生きるつもりだ。いつも一緒にいてくれてありがとう。これからもヨロシク。

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照れる。

しかしわたしも全く同じような思いをよしさんに抱いていますよ。わたしにないものを持ってるからね〜、よしさんは。

よしさんと出会わなければ、多分もっと精神的に荒れていたと思う。感情を言語化する機会をくれたのはよしさんです。よしさんと出会ってなかったら、感情に振り回されて、もっといろんな人を傷つけてたと思う。相変わらず内向的だし、人と話すだけでバカみたいな量の脇汗が出るけど、自分にとって居心地のいい距離感を測れるようになったのはよしさんのおかげだな〜。

うーん・・・よしさんと出会ったことで「社会性」を取り戻せたかな笑。「人との距離感」「コミュニケーション能力」「政治やお金の話題に対する関心」「知的好奇心」「営業力」などなど、こういうのをわたしに与えてくれたのは間違いなくよしさんだねー。

よしさんと出会って、一緒に過ごすようになって、「死にたい」と思う頻度は極端に減ったね。今は「死ぬの怖えな」って思うことが多くなった。それでも相変わらずわたしの死への価値観は人よりかなり冷静だとは思うけど・・・死にたくないね。いつかは死ぬけど今じゃないし、よしさんを悲しませるようなことはしないようにしようって思ってるよ。

編集後記

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(結婚式場を探していた4年前の写真)

記憶を掘り返すにあたって昔の携帯やメモを見返したのだが、カホさんと過ごした時間を巡るのは実に楽しい作業だった。

ほとんどが会話の記憶だ。研究室で喋り、飲み屋で喋り、家で喋り、移動中も喋る。毎年夏にはドライブでどこかしらに旅行に行くのだが、それもほとんどが会話の記憶だ。「何について喋っているのか?」というと、「その時その時に興味関心があること」ただそれについて喋っている。

まだまだ一緒の時間は続きそうである。喋る内容も変わっていくだろう。その変遷をたどるのはどれだけ楽しい時間だろうか。今から楽しみである。

次回は8月末に刊行予定。

sentences / edit: アカ ヨシロウ
photo : Kaho Katayama


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