職人の年収がホワイトカラーを上回る日はくるか?

中国の大学卒業生のうち、内定を得られたのは半分以下とのことだ。日本経済新聞の情報だ。これは、危機的な状況だろう。何のために、必死に勉強して、学費を出してもらったのかわからなくなる。中国国内では就職難なので、中国人富裕層は、子女を欧米や日本に留学させて、先進国で就職させることが多くなっている。SAPIXも中国人が多いとのことだ。

日本でも、学歴が高いのに、年収がそれほど高くはなく、辛い思いをしている人は多い。しかも、無職などと異なり、社会的弱者とは認識されないことが多いのも苦しいところだ。だが、そもそも就職できない中国よりはマシかもしれない。

日本だけでなく、韓国も、中国も、タイも、大学進学率の高まり(高学歴化)で、雇用とのミスマッチが起きている。

そんななか、アメリカで、「ブルーカラー・クール」と、ブルーカラーを再評価する動きがあることも書いた。

政府としても、日本の工業高校卒業生の求人倍率は10倍以上なのだから、もっと工業高校の魅力をアピールするべきだろう。逆に、大学としての価値を十分に果たせない大学は、潰すべきだ。日本には大学が600〜700あると言われるが、こんなに必要なはずがない。これから、若年人口も減少する。大卒でプライドだけが高く、現場仕事を忌避する人が増えるのを抑制するべきだ。

また、現場仕事の尊さを、もっとアピールするべきだろう。

そのうち、大卒人口ばかり増えて、現場仕事の求人倍率がどんどん上がって、しかもAIで頭脳労働の需要が減少すれば、職人の年収がホワイトカラーの年収を上回るかもしれない。

すでに、海外寿司職人の年収は1000万円以上だ。この流れが他の仕事にも広がるのかもしれない。超円安でインバウンド観光客が増えて、和風の伝統工芸も再評価されている。伝統工芸職人や和食料理人の年収も上がるだろう。

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