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with グリーフ⑧~亡き父の聖地巡礼をするまで~『結核病棟に入院して寝たきり待ったなし』

ごきげんよう🍒アカチェリーナ4世です🤙🏻👈🏻


パーキンソン病でもないのに
パーキンソン病の薬を飲み続けた父親は
幻覚と脳委縮が起こって
寝たきりにもなっちゃった


そんな風になってしまったら
もう家では面倒見られず
長期入院することになりました


父親が入院したのは
のどかな自然のど真ん中に建つ
かつて結核の隔離病院として使われていた
古い病院でした


私はエッセイを読むのが好きで
特に病気や身分や差別により
理不尽に迫害された人々の自伝を
気になって読むことが多いんですが


その中の結核で入院していた人の手記によれば
結核病棟は軽度~重度で病棟が分かれていて
戦争で医療従事者の人数が足りなかったので
軽度の患者が重度の人のお世話をして

亡くなった患者は病院内の焼却炉で焼くんだそうです

父の入院した病院にも
中庭の方に不自然に大きな煙突が
上に向かって建ってました
(普通の病院になってからは使われてない)

床はギシギシいうし、廊下の天井は妙に低い

父親の入院する病棟から出口までがやけに長い廊下で
途中で何度も扉をくぐるんですよね

多分、感染防止のために廊下に扉をつけたんだろうなぁ
とか
なんか、結核の流行った時代に思いを馳せてしまう
病院でした


父親が入院中、母親と1週間〜1ヶ月に1回は
父親のところに行ってました

私は何をするでもなく
母親が一方的に父親に話しかけたり
父の身の回りのものを整えたりしてるのを
見ているだけのために
母親について行ってました

私は父親の様子を見に行ってる
っていうよりは
父親の入院している病院のすぐ近くに
温泉があって
そこに行きたくてついてきてる
という方が正しかった笑♨️
(温泉大好きッ)


父親は常に大部屋で
入院当初は他の患者さんも
立って歩いたり
話ができるような人でしたが

入院生活が1年も経つ頃には
同じ部屋の患者さんは全員
寝たきりの患者さんになってました

似たような状態の患者さんを
集めて同じ部屋にしておく方が
看護師さんもお世話しやすいからだと思います


今までは
会社にどうしても行かないといけない時や
誰か知り合いが家に来て話をしないといけない時

つまり『健常者』のフリをしないといけない時だけ
飲んでた
パーキンソン病の薬でしたが

入院すると
パーキンソン病の薬は医師から
毎日処方されるようになり
父はどんどんおかしくなっていきました


入院して最初の頃は
いつもの幻覚について
公衆電話から家に電話してきて
話したりしてましたが

その内
そんなことも忘れてしまったのか
電話が来ることもなくなりました


話しかけても反応がなくなり
いつも天井を見上げているか
寝ていました


ほとんどしゃべれなくなってしまって
くしゃくしゃの年寄りみたいになって
寝たきりになっている
父親を

『病院にただ見に行く』

この状態が5年近く続きました


5年の間にあったことですが

寝たきりで意思疎通もとれない
父親の次のステップ

父は尿道カテーテルを入れて
おむつをして
嚥下障害もないのに胃ろうを開けられて
寝たきり人間に仕上げられていきました

尿道カテーテルとおむつを使う理由は

『歩行に問題があるから』

https://note.com/akacherryna4th/n/n456dc9d5e331


の記事でさらりとお話しましたが

歩いてる時
思ったより足が前に出せなくなる時があった
⇒すごい小股でしか歩けなくなった
⇒いつも足が思うように前に出せなくなった
⇒すっごくゆっくりしか歩けなくなってきた
⇒歩けなくなってきた
⇒立ってることもできなくなった
⇒車いす

っていうステップを踏んでて
イマココって感じ



病院内で万が一転倒して
ケガしたとか死んだとなると

訴訟とか責任問題とか
めんどくさいことになるのを避けるために


ちょっとでも歩行に問題がある人は
危ないから

念のために入院中は
おしっこもうんちも
しに行かなくていいように
するよ

ってことらしい


まぁ、これは仕方ないかなと
思います


次に胃ろうは
なんでしたかって言うと

食べ物とか飲み込んだ時に
間違って器官に入って
むせるってことは私たちにも
よくあることじゃん?

むせられる内はオッケーなんですが
寝たきりで
脳も委縮してて訳がわからなくなってるし
筋肉も衰えてる父親は


『器官に食べ物が入っても
満足にむせられないんじゃないか?』

って病院から疑いを向けられたことが
原因なんです


長期入院中とはいえ
年末とかは退院して家で過ごすことも
あって
その時はもりもりご飯食べてるし
器官に入ってもちゃんと
むせてるよ?

っていくら病院に説明しても

むせられない可能性があるから
もし入院中に
嚥下障害で窒息するようなことになったら
病院が責任を問われるし
はたまた訴訟ってことになったら
メ ン ド ク サ イ !

(あと胃ろうになってくれれば
食事介助も必要なくなるし
うんちの量も減るし
看護師さん的には手間を減らせるよね
患者は父親一人じゃないんだからさ?)

と病院は言いたいらしく
最終的に
胃ろう開けないなら
退院してもらうしかないですわ

って半ば脅されるような形で
家族的には
嚥下になんの問題もなさそうだけどなぁ?
と思いつつも
胃ろうを入れることに

なっちゃった…!(ハチワレちゃんボイス)


むせることなくストローで完飲してました🧃



退院を持ち出されてしまうと
家族である我々は
立場が弱くて
従わざるを得ないって感じでした

全く動けない70キロ超えの大人を
ベットから起き上がらせるだけでも大変で

家族が介護するのは無理なので
病院で診てもらい続けるためには
病院の言うことに従うしかなかったとはいえ
やっぱり辛い気持ちでした


病院にとっては
たくさんいる患者の一人だけど
私や母親にとっては
『たった一人の家族』
なんです


病院も人手が足りなくて
『寝たきり病棟』
(寝たきりの人だけしかいない
病室群のことを勝手にこう呼ぶね)

に入院してる患者のことなんて
できるだけ手をかけたくない
って気持ちがあることは

接しててなんとなく伝わってきました
必要最低限のお世話だけでも
してくれてるだけでも
感謝しないといけないのかもしれません


でも
病院にはもう少しだけ
父親を諦めないでほしかったなと
どうしても思ってしまいます


私が言うのも
おこがましい話かもしれませんが

大切な人を守るための知識として
皆さんにこれだけは知っててもらいたい


嚥下障害が実際に起こってしまう
お年寄りになったら
窒息の危険が実際にあるので
胃ろうという選択肢はアリだと思うんです

でも、父親みたいな
まだ若い人のケースは

『胃ろう』をあけたら
その先はもう長くないです

自分で食べ物を摂取できなくなったら
どんどん弱っていきます

物を噛む
っていう行為って
意外と脳とかも活性化するし
色んな刺激がありますよね

「甘いな」とか味覚も感じるし
「あったかいな」と温度も感じるし
飲み込もうとして筋肉も働くし
エネルギーを取れるから体温も上がって
体もポカポカしてきます


そういう刺激が一切なくなって
一日中寝てばかりいたら
もうそれって植物状態と変わらないなと
私は見てて悲しい気持ちになりました

なので、
お読みの皆さんが
もし万が一
この先の人生のどこかで


胃ろう
に直面するようなことが
起こってしまったら


便利な面だけじゃなくて
悲しい面も知っておいてくださると
その時の選択も変わってくるかもしれない

長くないかもしれないと
覚悟をする時間を作れるかもしれない

その一つの知識になれれば
と私は思っています🥹




🏥



入院中に
外野の親戚がお見舞いに来て
こんなんなっちゃった父親を見て

「なぜ退院させない?
なぜ家族が家で面倒みない?
嫁(母親のこと)が父親をおかしくしたに違いない」

と母親を責めたりしてて

「うざ」
という気持ちしか芽生えませんでした

うちの事情を
なんにもしらないくせに
自分達はなんにも協力する気もないくせに
父親がこうなるまで何年もあったのに放置してたくせに

口だけは出してくる

こういう奴らが一番たち悪いな
と心底うんざりしました
(大人の汚さ知りすぎてない?私当時まだ子供なのに笑)

必ず複数人で来るのもなんかやだ。来るならタイマンで来いやぁ❗️(ヤンキーへの憧れ)
直接的な暴力はなかったけど、言葉の暴力って目に見えないから、こんな絵にしてみた

全てのいさかいってさ
「自分の思ってることが正しい」
って押し付けてることから
起こるよね

対話の気も
うせるよね
こういう人達って

平和に会話で分かり合えないんだもん
『怒鳴る・脅す・勝つ・言い負かす』

これしかできない可哀そうな人達
だと思うしかないよね
(…黒いなぁ笑)


私の人間関係でいえば
母親からの
「家の中で起こっていることは
外の人には言ったらダメだよ」
という緘口令はずっと続いてて

父親がこんな風になってることは
私の友達は誰も知りませんでした
打ち明けられるような友達は
誰もいませんでした


漫画の世界でよくある
『心を閉ざしてても
なぜかそれに気づいてくれて
自分を気にかけてくれる友達』

に憧れてて笑
そんな友達があらわれないか
と子供の頃ずっと思っていました
(え、みんなも思ってたしょ?あれ?私だけ?)

でも
他人は結局
自分のことで精いっぱいで

私はいつも
自分のこと+家族の問題や家事などの
私以外のことでも精いっぱいだったので

いつも孤独感が強い
子供でした

誰も私のことを
分かってくれない
友達も大人も行政も誰も助けてくれない
父親も母親も頼りにならない


自分の人生は
自分で切り開かないとダメだ
とこの頃から強く思うようになりました

(この後東大行くみたいなフリだけど
勉強は全然できなかったから順当に落ちぶれた笑)





*********巻末CM**********
たまにジョージア父親にお供えしてやるか~
とこの記事を書いて思った
アカチェリーナ4世ですが

真面目な面もあってですね
普段はシンガーソングライターとして
『辛い気持ちを口にだして伝えていくことで
皆で自分の辛い気持ちを言えるようになろう』と
いうメッセージを発信しています

公式HPにたくさん自分の気持ちを載せているので
見に行ってみよう

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