できたこと日記

部屋の空気が乾燥していたせいか、
朝起きたら喉が痛く、熱っぽかった。

晴れているようだったので、カーテンを開けて
同居人のパキラと窓辺で日光浴をした。

スマホでふと目にするおめでたいニュースや、
どうぶつ動画のお陰で、久しぶりに笑顔になれた。

簡単にお昼ご飯を済ませて、食器を洗い、
何も出来ない午後を過ごそうとしていた。

やらなければならないことが沢山ある。

だけれど、身体は動かない。
怠け者だと自分を嫌いになりそうになるが、
これも病気の症状の1つなので、気にしない。

（今日やらなかったら明日の私が大変になるな）

明日の私が心置き無く家の中で休めるように、
重い腰を上げて、必要なものをカバンに詰め、
玄関のドアを開けた。

春らしい暖かな風を感じながら、自転車を漕ぐ。

発作が現れ、必死に耐えながら用事を済ませ、
早く家に帰ろうと再びペダルを踏む足に力を込める。

不安で泣きそうになりながらも、
特に目に止まったものが2つあった。

・道端の花壇に咲いていた一輪の赤いチューリップ
・巣立ったばかりの身体が小さなすずめの子

些細なもので、目に止める人が多いとは言えないが
私は何故か、強い生命力と美しさにとても感動した。

この2つの情景を忘れずに、そして憧れながら、
生きることを諦めずに過ごしていきたいと思った。

帰宅した後は、ぐったりとソファに倒れ込み、
症状が落ち着くまでじっとしていたが、
その後、先程の情景を思い出し、趣味を再開した。

りんごと紅茶のパウンドケーキを焼き、
ビーズを用意し、ネックレスを作成した。

手の震えを抑えながらの作業は、やや難しかったが、
久しぶりに趣味ができて嬉しかった。

一輪の赤いチューリップ、、、
体の小さな巣立ったばかりのすずめの子、、、

ありがとう。目にすることが出来て良かった。

明日も頑張って生きたい。

終。