あなたとわたしはひとつになる【ショートショート】【#152】
「ねぇ、覚えてる?」
目が覚めた俺に、そうやって問いかけてきたのは、昨日、飲み屋で初めて会い、一緒に飲んだ女だ。ベットに腰をかけこちらを見下ろしている。どうやら俺は知らぬ間に酔いつぶれてしまったようだ。
女は背中まである長い髪に、アーモンドような大きな目をしていた。緑のワンピースに包まれたその体は病的にやせており、今にも折れそうだった。うす暗がりで見たときは独特の雰囲気があってきれいな女だと思ったけれど、こうして白日のもとで見ると、どちらかと言えばうす気味悪い部類だった