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短編小説等まとめ

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自作短編小説及びその他創作文章のまとめです。
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#恋愛

赤くそまった袖口【ショートショート】【#183】

「一緒にしあわせになろう」  そういわれたとき、私の心のなかにはまるで台風のように強い秋…

たけのこ
2年前
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元カノに買ったクツの話【短編小説】

          1 「え、もうあと2週間くらいしかないじゃん」  思わずそう声に出し…

たけのこ
2年前
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手術を怖がる女の子【ショートショート】【#173】

「わたし怖いの……」  その女の子はベットの上で膝を抱えて丸くなり、小さく嗚咽をもらして…

たけのこ
2年前
18

夏の日に張りついたシャツ【#2000字のドラマ】

「あんなやつやめてさ、俺にしとけよ!」  そう言いながらテーブルをはさんで向かいのイスに…

たけのこ
2年前
21

はやる心にはご用心を【ショートショート】【#158】

 それでは今日は、恋と奇跡のお話をしましょう。恋はどんなものでも素晴らしいものですが、は…

たけのこ
2年前
28

『探し物』をくれる占い師【ショートショート】【#154】

 店に入ってきたのは20代前半くらいの男女のだった。ドアをくぐった瞬間からもう言い争って…

たけのこ
2年前
25

あなたとわたしはひとつになる【ショートショート】【#152】

「ねぇ、覚えてる?」  目が覚めた俺に、そうやって問いかけてきたのは、昨日、飲み屋で初めて会い、一緒に飲んだ女だ。ベットに腰をかけこちらを見下ろしている。どうやら俺は知らぬ間に酔いつぶれてしまったようだ。  女は背中まである長い髪に、アーモンドような大きな目をしていた。緑のワンピースに包まれたその体は病的にやせており、今にも折れそうだった。うす暗がりで見たときは独特の雰囲気があってきれいな女だと思ったけれど、こうして白日のもとで見ると、どちらかと言えばうす気味悪い部類だった

赤くなるメガネ【ショートショートショート】【#149】

 『生態メガネ』が発売されたのは半年前のこと。  かけている人のバイタルデータを読みとり…

たけのこ
3年前
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くさった死体は電気羊の夢をみるか【ショートショート】【リライト】【#138】

「あぁ……彼女の方が早かったか」  襲いくる彼女を見つめながら、僕はそう考えていた。抵抗…

たけのこ
3年前
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カレがオヤジで、オヤジがカレで【ショートショート】【#136】

「……じゃあ、お父さんは今どこにいるの?」 「ユイのお父さんはショックのあまり上で寝込ん…

たけのこ
3年前
18

早くてもどうにもならない【ショートショート】【#134】

「なんで僕と結婚できないんだ!」  彼はなみだを流しながらつっぷし、床にこぶしを何度も叩…

たけのこ
3年前
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見知らぬ天井と、うわついた気持ち【ショートショート】【#132】

 ――その時、ぐうぜん俺は見てしまった。  同棲している彼女のケータイにあった1枚の写真…

たけのこ
3年前
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理由なんてなかったと、今も私は信じてる【ショートショート】【#126】

 ……ねぇあなた。  あなたはどうしていなくなってしまったんでしょう。今となってはもう直…

たけのこ
3年前
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彼氏と私の事情【ショートショート】【#87】

「プロポーズとかでさ、『絶対、お前を幸せにしてやるから』ってあるじゃん」  カモメのなく声がかすかに聞こえる。西日が差し込むベンチに腰かけたまま、眼前に広がる海に向かって問いかけるように、彼はつぶやいた。 「そうね。そういう強気なプロポーズもいいんじゃない」  私は風に飛ばされそうになった帽子を押さえる。ついさっきまで私たちは二人で映画を見ていた。話題の恋愛ものの映画だ。映画館を出て、感想を話しながらここまで歩いてきたのだ。 「でもさ、世の中に『絶対』なんてないわけで