カウンセリングで、『ノアの方舟』を作った話。

7/11。

5:00起床。

天気は雨。





日記っていうのは、今日なり昨日なり、直近のことを書くものだ。と思うんだけど、2週間前のカウンセリングのことを話したくなったので、話そうと思う。(2週間前の翌日は、なぜか話す気になれなかった。)


カウンセリングは、数ヶ月ぶりだった。担当が変わったらしいので、あんまり気が進まなかったけど、やらないよりはいいか、と思った。


僕の後任は、前任と同じく若い女の人だった。僕に関する情報は、前任から一切引き継いでいなかったらしく、以前すでに訊かれたことを再三答えることになった。


人間、同じことを何度も訊かれるのは面倒だ。あと、(興味関心のない)初対面の人に心を開くのは、僕にとって至難の技だ。


目を合わさない・ろくに喋らない僕を見かねて、新カウンセラーによる箱庭療法が始まった。

箱庭療法は、セラピストが見守る中、クライエントが自発的に、砂の入った箱の中にミニチュア玩具を置き、また砂自体を使って、自由に何かを表現したり、遊ぶことを通して行う心理療法です。

――一般社団法人 日本臨床心理士会HPより一部抜粋

ミニチュアのたくさん並んだ棚の前で、僕は思った。


『ノアの方舟』を作ろう。


何でそう思ったのか、わからない。たぶん、遊び方(?)としても間違っている。でも、他に作るものが思い付かなかったので、とりあえず作ってみることにした。


砂の入った箱の中央。そこに、初老の男性と女性の人形を置く。周りには……ウマが2頭、ヤギが2頭……あと、犬も必要だな……それから……。正確には、僕は方舟ではなく、方舟の中身を作った。


それから、少し離れたところに、女の子の人形とシマウマを置いた。方舟の彼らを見つめるように。これには、一応意味があった。


僕は、M.B.ゴフスタインの『おばあちゃんのはこぶね』という絵本が好きだ。おばあちゃんが、子どもの頃にもらった方舟のおもちゃを、今現在も大切にしているというお話。


少女だったおばあちゃんは、寂しそうな灰色のウマを、よく撫でてやったらしい。僕の置いた女の子とシマウマは、それをリスペクトしたものだ。(シマウマは、記憶違いだったけど。)


箱庭療法は、作っただけに終わらず、その後はカウンセラーからの質問攻めにあう。まあ、結局カウンセリングじゃなくて、『ノアの方舟』の説明と、『おばあちゃんのはこぶね』の紹介になってしまったけど。


「このおじいさんは誰ですか?」

「ノアです。『ノアの方舟』の」

「ノアって、男の人だったんですね! 私、女の人だと思ってました」


そんなわけで、このカウンセラーとよろしくできる自信がなくなったのだった。


……次は、何作ろうかな。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。