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酔って、生きて、夢に、死ぬ。

5/19。

5:30起床。

天気は雨。


1.夢寐

夜中に何度も目を覚ましてしまった。ので、現実と夢の境目が、未だに曖昧だ。夢の中から、これを書いている気がする。万が一にも、そんなことはないけれど。


夢っていうのは、ろくなものじゃない。「ああ、覚めてよかった」と思うものばかりだ。どんな夢なのか忘れてしまっても、ろくなものじゃないことだけ覚えている。だから、きっと正しいんだろう。


そもそも、僕は夢を見たくないんだ。それが良い夢だろうと悪い夢だろうと、僕の知ったことではない。体力のあまりない僕は、夢の中で別の人生を送るだけで、疲労してしまうんだから。睡眠は娯楽だけど、夢は娯楽じゃない。


……なんて、夢への恨み辛みを書いてしまったよ。

2.夢幻

(レイアーティーズに)これがまんねんろう、あたしを忘れないように――ね、お願い、いつまでも――(後略)

シェイクスピア(訳:福田 恒存)『ハムレット』p164より引用

とはいえ、恨みを晴らしたいとか、そういうのはない。夢は、眠れば見るものだ。それはもう、どうしようもないことなんだ。


この恨みは、嫌悪じゃなくて、恐れから来ている。夢を見る度に、何かを忘れている気がするんだ。まあ、僕が一方的に思っていることだけど。(だから、夢に罪はないかもしれないけど。)


例として挙げられるものはない。だって、忘れてしまったんだから。でも、「忘れてしまった」ことは覚えているから、それは錯覚じゃなく、事実なんだろう。


忘れてしまった何かを、誰かに訊くことはできない。夢は、個人の所有物だから。だから、失われたそれは、僕以外の誰も知らないのだ。……いいや、忘れてしまったんだから、僕も含めて。


「私を忘れないで」


夢の中でそんな約束を交わしても、現実に戻った瞬間、僕はそれを破ることになる。薄情なのは、僕なのか、現実なのか。


『夢ではなく、現に生きろ』


そういうことかもしれない。


じゃあ、どうして僕を××に会わせたの?


……。
……。
……。


未だに、答えは出ないままだ。

3.酔生夢死

何もせずに生きることと、夢心地のまま死んでいくことは、同義らしい。


僕は何もしていない、わけじゃないと思う。でも、夢から覚めても、夢の中にいるような気が、いつでも付きまとっている。


「夢の中から、これを書いている気がする。万が一にも、そんなことはないけれど。」


本当に?
本当に、そうなのか?
僕は、夢から抜け出せたのか?


僕は、毎日何かを忘れていく。いつか、ここが現実であることも、忘れるのかもしれない。


そのときは、「恥の多い生涯を送って来ました」とごまかすことにするよ。




「僕だけが、鳴いている」


これは、僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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