永田カビさんと僕。(現実逃避してたらボロボロになった話/永田カビ)

アルコール性急性膵炎。
脂肪肝。


作者である永田カビさんが、生きづらいがゆえに、酒を飲みつづけたがゆえに、なってしまった病気。


現実逃避してたらボロボロになった話/永田カビ。


発売日から今に至るまで、僕が毎日読み返しているのは、僕にも似たような経験があるからだ。


僕は酒は飲めないけど、酒以外にも、現実逃避する手段はいくらでもある。
僕が選んだ――選ばざるをえなかった手段は、過食だった。





1年前。
まだ、前の職場にいた頃。


鬱病になったことがきっかけで、自分が発達障害であることが発覚した。職場の人には白い目で見られ、家族にすらわかってもらえなかった。


そんな現実を直視出来なかった僕は、過食を繰り返すようになった。事あるごとに、ポテトチップス、チョコレート、おつまみ類……それらを買い込んでは、片っぱしから貪った。


おいしいから、じゃない。
食べたいから、じゃない。
ただ、そうせずにはいられない。


当時は一人暮らしだったから、それを咎める人はいなかった。その代わり、止めてくれる人もいなかった。


その結果、今年の健康診断で、「特に問題ないですよ」以外のことばを、生まれて初めていわれた。幸い、死に至る病にはなっていないけど、そうなる可能性は充分あった。(現在、ダイエット中。)


僕も、自分を傷付ける手段で現実逃避をしていたから、ボロボロになりかけた。ボロボロにならずに済んだのは、今のパートナーに出会ったからだった。


もしも、僕がひとりぼっちのままだったら、どうなってもよかったけど、でも、ひとりぼっちじゃなくなったから――自分を傷付けると、泣いてくれる人がいるから。つまり、何がいいたいかというと、僕はとても運が良かったんだと思う。





毎週投稿しているエッセイで、この漫画を取り上げるにあたって、自分は何を書きたいんだろうと思った。


自分のこと?
漫画の感想?


考えはまとまらなかったけど、なんとなく、これだけはいいたいと思った。


僕は、永田さんに生きていてほしい。


僕には今、大切な人がいるから、そんな人間が何やかんやいっても説得力なんて無いだろうけど、僕だってかつては、一人で生きづらさを抱えていた人間だ。当時は、そんなものを一緒に抱えてくれる人が現れるなんて、想像も出来なかった。


だから、永田さん。永田さんもいつか、そんな人に出会えますよ……なんて、簡単にはいえない。僕はただ、運が良かっただけなんだから。運なんて、誰にも割り振られるものじゃないから。


でも。


それでも、僕は願う。


永田さんが、生きづらさを一緒に抱えてくれる人に、出会えることを。そして、その人と共に生きていくことを。


どうか。

11/27更新

現実逃避してたらボロボロになった話/永田カビ(2019年)

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