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雨が僕を守ってくれる内は、

6/26。

5:00起床。

天気は雨。





曇りは嫌いじゃない。けど、好きでもない。天気が悪いときは、僕の調子が悪くなるとき。(天候不良だと、うつ病の症状は悪化するものらしい。)だから、好きじゃない。恨んでいないけど、好きじゃない……。


雨も同じく。……のはずだったんだけど。ザーザー降りは、別らしい。昨日が、まさしくそのザーザー降りだったんだけど。僕は、なぜか落ち着いていた。


どうしてだろう。どうして、雨が降るとき、僕は安心するんだろう……。ううん、雨そのものというより、音かな。雨音。うるさいのは苦手だけど、大きな雨音は苦手じゃない。……変なの。


免罪符みたいなものかな。と思った。外に出なくていいよ、うちにいていいんだよ……。雨が、音が、僕と外界を遮断する。……一見、よくないことのようだけど。でも、たまにはいいと思うんだ。僕だって、外に出たくないときくらい、ある。


本を読むとき、僕は環境音アプリを使っている。よく聞いているのは、雨音。たとえ、どんなに晴れていても、僕は雨の中にいることを選ぶ。……疑似的だけど。


でも昨日は、天然の雨音があったから。……アプリとは比べものにならないくらい、気持ちのいい音が。……気持ちよかったな。本当は、雨に打たれてしまいたかった。学生時代と同じように……。でも、風邪引くと困るからな。


今は、エリザベス・ムーンの『くらやみの速さはどれくらい』を読んでいる。ずっとずっと読んでみたかった本だ……。自閉症者である主人公には、悩みがある。もし自閉症が完治したら、自分が自分でいられなくなるんじゃないかって……。そんなあらすじを見たら、読むしかないじゃないか。


本を読む人のほとんどがそうであるように、主人公に自分を重ねながら、僕は読み進めた。外では、檻のような雨。僕が、ここから出ていかないようにするための……。今日は出ていかないよ。今日は、ね。僕は思った。


今朝も、雨が降っている。昨日ほどではないけど。……降ったり止んだり、今日の雨は気まぐれだな。……僕と同じ。でも、昨日は守ってくれたんだよね……。僕を、色んなものから。


でも、今日は外に出るよ。たぶんね。うちから眺める雨もいいけど、雨の中から眺める雨も、見てみたいんだ。僕は、君が好きだからね。色んな角度から見たいじゃないか。……その姿を。


守ってくれて、ありがとう。……僕は、行かなくちゃ。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


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