痛い、痛い、生きているのは。
6/27。
5:00起床。
天気は曇り。
*
処方通り服薬したって
どんなに気力を
振り絞ったって、
様子がおかしく
なる時は
おかしくなる。
――ルネッサンス吉田『あんたさぁ、』第二話 月はしずかに,p50より引用
何が悪かったのか、僕が悪かったのか、わからない。
薬はちゃんと飲んでいたし、ビタミンCのサプリだって……。もう大丈夫。そう思っていた。でも、バカだった。僕に、「もう大丈夫」なんてことばは、存在しないのだ。
抑うつ症状が出た。とてもわかりやすく。何日ぶりか、忘れてしまったけど。
僕は、やってはいけないことをした。パートナーに、八つ当たりしてしまったのだ。あることでパートナーを責めて、かと思えば、それをすぐに撤回して、自分を責めて。わけがわからなかった。そして僕は、うちから逃げ出した。
とはいえ、行けるところは限られている。ので、スタバで頭を冷やすことにした。のだけど、入店して15分後に、異常が起こった。
頭が痛い。……いや、違う。これは、ただの頭痛じゃない。頭が割れる。まるで桃を割るように、頭をわしづかみにされている。みし、みし、みし。自分の頭に、罅が入っていくのがわかる。見えないけど、わかる。痛い、痛い、痛い。中身が出てしまう。死んでしまう――。
僕は、Siriに懇願した。パートナーに、電話をかけるように。最低だと思った。自分勝手だと思った。でも、いち早くパートナーに会いたかった。
パートナーは、すぐに来てくれた。僕は、そばに来た彼にすがりついた。
「頭、割れてない? 僕の頭。上の方、上の方。罅入ってない? 中身出てない? 大丈夫? 大丈夫? 僕の頭。死んじゃう。死んじゃう」
たぶん、こんな感じのことをいった。自分でも、何をいっているのかわからなかった。
パートナーは面食らっていたけど、それでも、僕の頭を触って確認してくれた。
「大丈夫、割れてないよ。大丈夫……」
少しずつ、痛みが引いていくのがわかった。入ってしまった罅も、くっつき始めている。大丈夫なんだ。パートナーがそういうなら、大丈夫なんだ……。
僕はおわびに、発行されたばかりのリワードチケットで(会員特典。ポイントが溜まると、1品無料券が発行される。)パートナーにカフェラテをごちそうしたのだった。
今朝は、まあまあ落ち着いている。でも、不穏な感じは、胸の辺りで渦巻いている。まだまだ、「大丈夫」とはいえないか……。
痛い、痛い。苦しい、苦しい。生きているのは。でも、生きるしかない。「死ぬ」という選択肢が、僕の中にないから。だからきっと、僕は今日も生きると思う。……きっと、ね。
*
「僕だけが、鳴いている」
これは、
僕と、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。
連載中。
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