一日一句【菜根譚】#7『精誠所至、金石為開』「荘子」の「漁父」篇より
精誠所至、金石為開
この言葉は、中国の古典「荘子」の「漁父」篇に登場する言葉です。真心が天地をも動かす力を持っていることを示した言葉として、よく知られています。
各単語の解説は以下のとおりです。
精誠:zhēnchéng
所至:suǒzhì
金石:jīnshí
為開:wéikāi
精誠:真心、誠心、誠実
所至:到達するところ、到達した場所
金石:金属と石、硬いもの
為開:開く、開かれる
真実の心がもたらす力
この言葉は、人の心が真実に満ちていれば、不可能も可能になると説いています。鄒衍の例では、彼が不当な扱いを受けた際、夏の日に霜が降り、彼の無実が証明されたとされています。これはまさに真実の力が自然の法則をも変え、奇跡を生むことができるという信じがたいほどのエピソードです。
同様に、杞植の妻は夫の戦死に悲しみ、その心情が城壁を泣き崩すほどの力を持っていたとされています。金石のように硬いものですら、真実の力によって貫通できるということが伝えられています。
偽りの心との対比
逆に、心が偽りであれば、他人に嫌われる結果となります。悪事を積み重ねることで、夜一人になったときには良心の呵責にさいなまれ、自らの影を見て恥ずかしい思いをすることになります。言い換えれば、真実の心がもたらす尊敬と誇りとは対照的に、偽りの心は孤独と後悔をもたらすということです。
「精誠所至、金石為開」こんな時代だからこそ必要な, 真実を信じる力
この言葉は、真実の心がもたらす力に敬意を表した古代の言葉です。この言葉は、真実の心が不可能を可能に変え、困難に立ち向かう勇気を生むことを教えています。
現代のSNS時代において、真実が見えにくく、何が正しいのか判断が難しい状況が続いています。そのような時代だからこそ、真実の心を大切にすることが重要です。
真実の心とは、自分自身の内側から湧き出る純粋な心です。偽りのない心、嘘のない心、心から相手を思いやる心です。そのような心で生きることは、必ずしも簡単ではありません。しかし、真実の心を貫くことで、人は困難に立ち向かう勇気を得ることができます。
一日一句【菜根譚】#8『水勿過清,人勿過察』相手をさぐりすぎないで
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