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一日一句【菜根譚】#7『精誠所至、金石為開』「荘子」の「漁父」篇より
精誠所至、金石為開
この言葉は、中国の古典「荘子」の「漁父」篇に登場する言葉です。真心が天地をも動かす力を持っていることを示した言葉として、よく知られています。
各単語の解説は以下のとおりです。
精誠:zhēnchéng
所至:suǒzhì
金石:jīnshí
為開:wéikāi
精誠:真心、誠心、誠実
所至:到達するところ、到達した場所
金石:金属と石、硬いもの
為開:開く、開かれる
真実の心がもたらす力
この言葉は、人の心が真実に満ちていれば、不可能も可能になると説いています。鄒衍の例では、彼が不当な扱いを受けた際、夏の日に霜が降り、彼の無実が証明されたとされています。これはまさに真実の力が自然の法則をも変え、奇跡を生むことができるという信じがたいほどのエピソードです。
同様に、杞植の妻は夫の戦死に悲しみ、その心情が城壁を泣き崩すほどの力を持っていたとされています。金石のように硬いものですら、真実の力によって貫通できるということが伝えられています。
鄒衍は中国戦国時代の儒家思想を超えて、陰陽家の筆頭とされる重要な思想家でした。彼は独自の歴史観と世界地理観を提唱し、その学説は広範であり、天地万物の知識を基に政治や人倫について論じました。
彼の代表的な学説には「五徳終始説」と「大九州説」があります。これらの説によって、鄒衍は歴史と地理において独自の視点を提示しました。
五徳終始説
「五徳終始説」は、歴史の進行において五つの徳が順次興隆し、衰退していくという鄒衍の説です。これらの徳は仁、義、礼、智、信の五つであり、彼はこれが歴史の進展に伴って交替するパターンを提唱しました。この説は歴史の起伏に徳の変容が関与しているとする鄒衍の歴史観を表しています。
大九州説
一方で、「大九州説」は、世界地理における鄒衍の独自の見解を示しています。彼は世界を九つの大陸に分け、それぞれが異なる特性や属性を持つと説明しました。この地理観は、当時の人々にとっては斬新であり、彼の広範な知識と視野を示すものでした。
鄒衍の学説は、単なる哲学だけでなく、実際の政治や社会にも影響を与えました。その総合的な知識と視座は、当時の人々に新しい視点を提供し、後代の学者たちにも影響を与え続けました。
偽りの心との対比
逆に、心が偽りであれば、他人に嫌われる結果となります。悪事を積み重ねることで、夜一人になったときには良心の呵責にさいなまれ、自らの影を見て恥ずかしい思いをすることになります。言い換えれば、真実の心がもたらす尊敬と誇りとは対照的に、偽りの心は孤独と後悔をもたらすということです。
「精誠所至、金石為開」こんな時代だからこそ必要な, 真実を信じる力
この言葉は、真実の心がもたらす力に敬意を表した古代の言葉です。この言葉は、真実の心が不可能を可能に変え、困難に立ち向かう勇気を生むことを教えています。
現代のSNS時代において、真実が見えにくく、何が正しいのか判断が難しい状況が続いています。そのような時代だからこそ、真実の心を大切にすることが重要です。
真実の心とは、自分自身の内側から湧き出る純粋な心です。偽りのない心、嘘のない心、心から相手を思いやる心です。そのような心で生きることは、必ずしも簡単ではありません。しかし、真実の心を貫くことで、人は困難に立ち向かう勇気を得ることができます。
一日一句【菜根譚】#8『水勿過清,人勿過察』相手をさぐりすぎないで
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