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一日一句【菜根譚】#2 “客気下而伸正気·妄心殺而現真心” 内面の真実と外面の虚飾の対比

“客気下而伸正気·妄心殺而現真心"


「客気」は「虚飾」「偽り」を意味します。
「正気」は「本来の性質」「真の姿」を意味します。
「妄心」は「真実ではない心」「迷い」を意味します。

日本語訳:


高慢な態度は、ただの虚飾に過ぎない。虚飾を抑えることができれば、正気は伸びてくる。
情欲や意識は、すべて妄念である。妄念を消滅させることができれば、真心が現れる。

解説:


この文章は、内面の真実と外面の虚飾の対比についての深い洞察を示しています。高慢な態度が単なる虚飾であるとし、そのような虚飾を抑えることで、本当の「正気」や真の自己が伸びてくると述べています。また、情欲や意識を「妄念」と見なし、これらを消滅させることで「真心」が現れるという考えを示しています。

SNSの文脈でこの考えを適用すると、多くの人々が見せる豊かさや成功のイメージが、しばしば虚飾や妄念に過ぎないことを指摘しています。SNS上でのお金の見せびらかしや、過剰な自己演出は、真の自己や心の平穏とは異なるものです。このような環境の中で、自分自身を保ち、内面の真実に焦点を当てることが重要です。

現代社会、特にSNSが普及した社会では、他人の生活や成功に対する比較や羨望が容易になりました。しかし、この文章は、そうした外面的な成功や見栄に惑わされず、自分自身の内面の声に耳を傾け、真の自己を大切にすることの重要性を説いています。

自分の価値観や信念に基づいて生きることは、SNSのような外部の影響に振り回されることなく、精神的な充実と幸福を得るための鍵となります。

一日一句【菜根譚】#3「心無雑念自然清」 ビジネスと心の平穏


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