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しばしば、悪徳ということについて考えることがあったけど、一番の悪徳は残虐行為をする者よりも、思考停止になり、人に無理なことを押し付けることなのではないかと考えることがある。現実やその人物の技量を見ずね。

これはもう何年も前のことだが、私の昔の知人で、家庭教師のアルバイトをやっていた知人がいたのだけど、その人は、約4か月で辞めることになったらしい。

原因は、依頼先の人とのトラブルによるものらしいけど、その前に、紹介会社というか、その派遣会社の職員に対して疑問を感じていたので、数か月で何らかの形で辞めざるを得なくなると、思っていたらしい。

これはどういうことかというと、どうも少々、疑問のある相手を紹介されたらしい。紹介されたのは、四人いたらしいが、一人目は、「部活動をやりたいので家庭教師や塾に行っている暇がないと主張している生徒」、二人目は、「不登校で引きこもりになってから数か月しかたっていないのではないか?と思われる生徒」だったらしい。

まず、残りの二人はおいておいて、この時点で、本当にこの派遣会社を信頼していいのか?という疑問があったらしい。

というのも、この知人、家庭教師をやる前は、短期バイトで塾講をやっていて、その時の経験があったためである。

まず、部活動、特に運動部に入りたいと思っている子供の場合、熟との両立が難しいということを知っていた。確かに学力といったことが心配なこともあって、親が子供に塾を勧めるらしいが、その子供としては、運動部の方で頑張りたいと思っている場合が多く、塾にそもそも行きたくないとまで考えている場合がある。その状況では、その子供は親に反抗的な態度をどこまでしているかは知らないけど、ガチガチにバトルことがなくても「静かなる対立」があり、表向きは塾に言っていても、まったく授業に上の空で、結局、すぐに塾を辞めるか休塾することになるということを知っていた。そのため、「部活動絡みでもめている」という話を聴いた時点で、「これは脈がないのでは?」と推定で来たらしい。派遣会社の社員の方は、そこまで、考えられていなかったのか?こういった経験があるので「本当に大丈夫なのか?」と聴いた際に、ロクに答えられなかったらしい。

次に、不登校の子供の場合、そもそも、カウンセリングとか少しかじった程度のレベルで本当にやっていいのか?という疑問が大いにある。特に、言動のタイミングを間違えると、一気に悪化する危険性があるということを私の知人は知っていた。どうも、かつての友人の中に、そういったケースだった人がいたらしく、その時に得た経験から、下手に引き出したりするのはまずいのと、そもそも、勉強が難しい状況にあることも知っているのと、親御さんがどれくらい不登校に対して理解があるのか?という点も疑問だったそうな。そういったことから、本当にこの依頼を受けていいのか?という疑問があったらしい。

また、不登校には以下のような段階があることが知られている。

こういった段階があり、外に出すタイミングを間違えたり、慌てて、引き出したりすると、うまくいかなかったりするらしい。恐らく、話し相手になることぐらいしかできないだろう。

いずれにせよ、この依頼に関しては、果たしてどうなのか?という疑問もあるらしい。実際に、この依頼は、生徒の体調不良のために取りやめになったと知人は言っていた。

それにしても、こういった難しい案件を塾講を経験しているとはいえ、押しつけてくるという派遣会社もどうかと思う。

多分、この手のノウハウの共有もないのだろう。

さてと、三人目と四人目についてだが、まず、三人目に関しては私の知人は引き受けたらしいが、引き受けた直後に、軽度の学習障害があるということを言ってきたらしい。これはどうも疑問の余地があったが、実際に本人にあった結果、学習障害といった感じのことは全くなかったらしいので心配していなかったらしいが、それは1学期の中頃になるまでのことだったそうな。

どうも1学期の中頃から、宿題をまったくやらなかったり、なんの宿題が出ているのかを隠すようになったりと、どうも奇行が目立つようになったらしい。特に、勉強を始めようとすると、「あっそうそう」といって、別のことを言いだしたりということを繰り返すようになり、まったく勉強が進まないことがあったらしい。ただ、1学期と夏休みの時は、「1学期の宿題」と「夏休みの宿題」を終わらせるという目標があったので、それでも何とか、行ったらしいが、2学期に入ってからが頭を悩ませたらしい。

というのは、その子、もうすぐ中学に入る段階だったということもあるのだけど1学期の内容、特に、比の問題に弱点があったのと、学校の黒板がとれていなかったことが判明して、慌てて、そこのところの補強に入ったとか。

だが、この子は、どうも、勉強に対して身が入らなくなっていったので、どうにもこうにも指導ができなかったらしい。

板書の意味が分からなかったのと、小学校の算数あるあるだけど、先生の言った解法以外は、まったく受け付けないと。本来は、同じことを言っていることなのだけど、受けつけないということもあったらしい。

例えば、半円の面積だけど、円の面積の公式の半径×半径×3.14(円周率)を習っていれば、それでまず、円の面積を出して、それを2で割って半分にするということができるはずなのだけど、そのあたりをどう教えているのかわからないが、学校では習っていないと。ただ、円の面積の公式は習っているのは確認できたので、その面積を半分にするだけだといっても習っていないという・・・。どうも、黒板でそういった問題を学校でやらないと受けつけられないということらしいが、実際問題、黒板の板書も取れていなかったりするので、果たして、どこまでが本当のことか、疑問に思っていたらしい。

ちなみに、親御さんは、最初の頃は、1学期の頃は、まだよかったのだが、2学期で、子供との対立が深くなっていった頃から、妙な感じがしていたとのこと。あきらめのようなものが目立ってきたり、子供との言い合いが増えたとかね。単なる反抗期というには疑問があるくらいの様子だったので、声掛けに問題があったのではないか?と個人的には思う。まあ、その様子を見ていないので、何とも言えないが。

ただ、話を聴いた限り、どうも、このケースに近かったようにも見える。

ちなみに、これは、私の知人から、教えてもらった本。どうにもこうにもならなかったので、いろいろと読んでいたらしい。かなりの額が飛んだらしいが、適切なサポートを受けられなかったので、仕方がなかったとか。

また、IQが低く、学習障害があったらしく、コグトレなどをやっていたが、どうもうまくいっていなかったらしい。

ここまでくると、家庭教師の担当を経験者に変えてもらうか、心理系の人の助言が必要になってくるのではないかと思うし、私の知人も手に余るのではないかと思っていたらしい。

こういうことで、近々、派遣会社の方に相談しようとした矢先に、親御さんの方から家庭教師を変えてくれというような旨が来たらしい。直接的な原因は、「よそよそしくなった」ことらしいが、恐らく、親に何か気にくわないことがあっただけだろう。正直、私の知人もその親には疑問視をしていたし。なんとなく、子供を叱るだけで、まったく子供のことを見ていなかったのでは?ということなのと、親が「カミナリ」を落とした結果、逆に教えにくくなったこともあったらしい。

後、電車ではなく、非常に使いづらいバスを使って出勤するように言われたとかで、非常にやりづらさも感じていたらしい。というのも、そのバス、指定された時間から5~10分、遅れることが普通で先方に遅れることが度々あったらしい。

これなら、電車で行った方が正確に約束の時間に訪問できたらしいが、費用を安くしたかったこともあったのか、バスで来るように言われたらしい。まあ、実際は、赤字の覚悟でバスではなく、電車でいったりもしていたらしいけどね。遅れるよりはマシだろうと。後、仕事が終わった後、長話をするらしく、バスに乗り遅れたから電車で変えるとかね。また、夕食を食べるために、少し、先方の指定した最寄りのバス停から離れたところに行ったりとね。どのみち、そのバスはどこから乗っても固定の料金だったので、家に近いところでも安くはならないのだが。

まあ、それも、あらぬ疑いをかけられる原因になったらしいが、わざわざ、行きづらい方法をやっておいて、何を言っているのだか?という感じしかしないが、こういう状態だったので、いずれ、辞めざるを得なくなると思っていたらしい。

いずれにせよ、こういった難しい状況で、なんのサポートもなしに、やらざるを得なかったので、結局のところ、私の知人は、かなりストレスを感じていたらしい。それに、困難な状況で誰にも頼れない以上、本などを調べないといけないし、家庭教師については、かなりの赤字だったとか。

それにしても、どうなんだろうね。こういった難しい状況を新人に推しつけるというのは。前任者がどれくらいやっていたのかわからないけど、そういった難しい状況にあるといったことの報告がなかったらしいし。

いずれにせよ、こういったところから、知人が離れられたので、私としてはよかったと思っていたけどね。

ちなみに、四人目は断ったらしい。

というのも、夏休み期間中に、別のアルバイトの仕事を掛け持ちしていることや、その派遣会社に対して不信感をもっていたこともあったから。

それにしても、人がいないからといって、思考停止になり、その人の経歴や技量を見ず、人に無理なことを押しつけるというのは、やはり、悪徳なのではないかと、そう考えてしまう。

三人目の件は、壊滅的なことになる場合に終わったからよかったものの、その相手の自尊心を大きく傷つけるといったことで、「家出」や「それ以上にまずいこと」に繋がったりするということだってあった。

そういうことを派遣会社の人は考えられなかったのだろうか?と私は考えてしまうし、その恐れがあるということは、問題の件の前の件で、私の知人は指摘していて、具体的な技法や作戦などを話し合いたかったらしいけど、まったく理解されなかったらしいけど。

結局、人に仕事を押しつけるだけなのが、派遣会社なのだろうが、思考停止になって人選を怠ればトラブルにしかならないだろうよ・・・。

まあ、あそこは、後で調べたら、学生とのトラブルが多発していたようだし、あまり入ってはいけなかったのかもしれないけど、一番最初に、オファーが来たのがそこだったらしい。

それにしても、赤字になったり、トラブルになったり、果たしてどうなのかねと・・・。

そして、果たして、一番の悪徳は、思考停止になり、人に物事を押しつけ、何のサポートや話し合いをしないということなのだろう。私の知人の話を聴いてそう感じた。

よろしければサポートをよろしくおねがいします。