【高卒支援会PTAだより】vol.09
PTAの皆さま
私のPTA会長としての任期が3月末までなので、このPTAだよりも今回で最終回とさせていただきます。多少公益性に欠ける内容も書いてしまったことを今では反省していますが、「PTAのP(保護者)」として、少しでも参考や力になれたなら幸いです。
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①2020年度卒業式
3月23日、eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)にて行われた卒業式に、私も出席させていただきました。
皆さんとても良い笑顔です。NPO法人高卒支援会はフリースクールであり、通信制高校のサポート校でもあるわけですが、いわゆる本校ができないこうした催しをしっかりやってくれる学校はどれほどあるのでしょうか?
私は素晴らしいことだと思います。
卒業生ならびに保護者様、本当におめでとうございます。
②我が家のケース・最終回
高卒支援会に入会し一頃は楽しく通えていた息子が、正月明けから再び不登校に陥ってしまったお話の最終回です。
結論から申し上げると、息子は鹿島学園を自主退学ということになりました。3月中旬に竹村先生、大倉先生と保護者で面談を行ってもらい、一旦は退学とのご提案をいただきました。
正直な話、親は引き止められることを予想していましたので意外でした。しかし通えない状態で学費を納入し続けることの経済的負担を、少なからず心配していただけたりなど、ここでも大変親身になってくれていることを実感し、結果賛助会員として籍を残させていただくことにしました。
このPTAだよりはnoteに書いているため公開されています。いずれご入会を検討されている保護者様が当ページを見つけ「なんだよ、高卒支援会なのに高卒できてないじゃないか」と思われることを危惧して、一時は書くのをやめようかと迷いました。しかし、色々悩んだすえに、最後まで包み隠さず書くことにします。
③杉浦会長の言葉
先の卒業式で会場に着くや、杉浦会長より直々にご挨拶をいただきました。
「ご子息のことはすべて聞いています。(今回は退学ということになったけれど)あなた方は私の本を読んでうちに来てくれました。読者をそんな簡単に見捨てるようなことをするもんですか!必ずアフターフォローします!」
とのお言葉を掛けてくださいました。
その時、実は胸が熱くなり心の中で少しだけ泣いていました。私はまともな親なのかどうか自分ではわからないけれど、個別の事情をしっかり理解して支えてくれる人たちの存在を心強く思います。
ということで鹿島学園は退学したけれど、高卒支援会も退会したわけではありません。個人的な仕事の都合もあり、PTA会長は(慰留されたけど)続けるのは難しいですが、4月以降もPTAの末席に居させていただく所存です。
④最後にお勧めの本3冊
さて、2020年度PTAだよりの締めとして、最近読んだ中からお勧めの3冊を紹介させていただきます。いずれも子供の不登校・ひきこもりに悩む私自身が読んで良かったという本です。僭越ながら簡単な書評も書きます。
1.7つの習慣ファミリー ★★★☆☆☆☆
支援会でもお勧めしている名著『7つの習慣』のファミリー版です。家族関係の改善に役立ちます。星3つとしたのは、どうしても家庭環境や価値観がアメリカ人のそれなので、日本の家庭においてはハードルが高い内容が多いと感じるためです。
「週に1回は家族全員でしっかり向き合って話し合う時間を作ろう」ってそれができたら今頃ここには書いてないわ!って思うことしばしば(笑)。それにしてもアメリカ人は、ベストセラー『嫌われる勇気』で有名になったアドラー心理学の影響をものすごく受けているなって感じます。
2.2日で人生が変わる「箱」の法則 ★★★★★☆☆
最近読んだ中でもっとも感銘を受けました。あらすじは「問題児を持つ親が、自分の子どもを更生プログラムに預ける」というところから話が始まります。ところが子どもたちより先に親が集められ、2日間に渡って「本当に問題なのはお宅のお子さんでしょうか?それともあなたがた親でしょうか?」ということを考えさせられるのです。
実は本書には『自分の小さな「箱」から脱出する方法』という前書があり、こちらも10年以上前に読みましたが素晴らしい内容でした。簡単にいうと問題だと思っていることは、実はすべて自分の心の持ちようなんじゃないの?そこに気づかないことを「自己欺瞞」っていうんだよ、と優しく教えてくれる内容です。
本書は小説形式で書かれています。よく会話形式やにわかな小説仕立てで書かれた自己啓発本を見かけますが、小説家でもない人の書く下手な文章にかえって興ざめしてしまい内容が頭に入ってきません。しかしその点、本書は原文から翻訳までが秀逸で、ぐいぐい引き込まれてしまいます。個人的に超オススメです!
3.不登校・ひきこもりの9割は治せる 1万人を立ち直らせてきた3つのステップ ★★★★★★★
最後に、半分お約束かもしれませんが(笑)、杉浦会長の著書をあらためて紹介させていただきます。我が家では本書を妻が読み、私に勧め、私も読み「ねえ、相談に行ってみない?」と話したところが高卒支援会とのすべてのはじまりでした。
本書がなければ今頃は先生方との繋がりもなく、人生初のPTA会長を務めることもなく、また杉浦会長から温かい言葉を掛けていただくこともなかったわけですからとても感謝しています。
30年以上にわたり、現場で子どもたちや保護者と向き合ってきたご経験が、良いことも悪いことも包み隠さずに書かれています。
私がもっとも嫌うのは「欺瞞」という言葉です。新型コロナウィルスにたいする日本政府の対応も、その政府をなにかにつけて非難する国民も、どちらもが欺瞞に満ちていると思います。本書にはその欺瞞がとても少ないと感じるのは杉浦会長の裏表ないお人柄でしょうか。
以上、長くなりましたが2020年度PTAだよりの結びとさせていただきます。
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2020年度 PTA会長
池田 愛
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