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すべての偶然を愛している

こんにちは、精神障害ピアサポート専門員愛音です。

やっと新連載をスタートさせます。
【あの頃すべてに必死だったね・・・】では不登校から精神障害になったこと、
優等生、いい子、から転落してしまった人生の中で、その時、その場面で、必死になっていた姿を書いていきました。
この連載では【偶然】により、運命の歯車が動き出す様子を伝えられたらなと思います。
それでは【すべての偶然を愛している】お付き合いよろしくお願いいたします。



・引っ越し

母を亡くした3年後に引っ越しをしました。
父はまだ働いていたので昼間は1人暮らし状態です
父からは一度も「家事が仕事」とは言われませんでした
それどころか「仕事はゆっくりと留守番」そう何度も言っていました

だけどもう23歳、同級生は社会人になっている年齢
自分だけ何もしないでのんびり留守番をするのは許せなくて
無理をして今までまともにやったことのない家事をやりました

すると当たり前なのですが心と体に負担がかかります
鬱状態になりベッドから起きることが出来ない
体が重たくなり、家の階段を上がることもしんどい

まるで不登校になる前、
3階の教室までの階段を上れなくなった時のように

それなのに躁状態になると徹夜で小説や詩を書き続けました
興奮状態で頭には溢れんばかりの言葉が浮かびます
書かないと!これは使命!神様が私へ与えた特別な力だ!
躁になると家事のことよりも
抑えきれない興奮を書くことで発散させていました

時々、鬱でも躁でもない状態になると
なぜ父から仕事がゆっくりと留守番することなのか、
それがよく分かりました
分かるからこそ、悔しさでいっぱいになります
8年も通院、服薬、カウンセリングを受けているのに
私は少しも治らない、元に戻れない

でもこの引っ越しがなければ今の私はいません
偶然も絶対、起きませんでした



・最初の偶然 ~地域サークル~


引っ越して3年くらい経った頃、カウンセリングでこんな言葉を発しました
「最近暇なんです、一日がつまらない」
すでに家事をする際に手の抜き方も覚えていて
頓服を上手く使ったり、何もしない日を作り調節をしていきました
好きな本を読んだり、ネットで創作小説やイラストを見ての生活に
暇や飽きを感じていました
そこでカウンセラーF先生が提案してくれたのが
近所にある公民館の図書室へ行き、どんな人が利用しているか
それを見てきてごらん
、でした
人間観察が好きだったこともあり、面白そうだったのでやってみました
午前中に行く日もあれば、午後、時間をあえてバラバラにしました
そうじゃないと同じ人しかいないかも?と考えたからです

ただ、超がつく飽き性になっていて観察は10回もしていないかな…
ある日公民館に行き掲示板の前で足を止めました
そこにはサークルメンバー募集がいくつも掲示されています
運動系は無理、語学系も無理、ダンス論外、絵画論外中の論外、
「茶道…」
目に留まったのは茶道サークルでした
母は若い頃茶道を本格的に習い、師範の資格を持っていました
直感でこれなら出来る!人間観察より楽しそう!
早速代表の方に連絡をして茶道サークルに入会しました

父も無理のない範囲ならやってみていいんじゃないか?
主治医D先生とカウンセラーF先生からは
いきなり茶道をやるとは思い切ったねと笑っていましたが、応援してくれました



・茶道サークルで得たもの


サークルメンバーは私を含めて4名で、先生はいなく
みんなで教えあいながら楽しく覚えていく
この雰囲気が私には合っていました
着物を着た厳しい先生から「違います!やり直し!」など言われたら
心がポキっと折れたでしょう
月に一度、母と同じくらいの年代の方と話しながら抹茶を点てる
作法を覚えるのは大変でしたが、ある程度覚えていくと
背筋をピンと伸ばし、ゆっくり、流れるように、
これを心がけると不思議と精神が落ち着きリラックスしていきました

なにより、今までは家と病院しか入れなかった私の世界に
新しいものを入れていくことは大きなこと
月に一度少しだけオシャレしてサークルに行き
メンバーさんと雑談をして、順番に抹茶を点てる

F先生から公民館に行くことを勧められなかったら、
飽き性でなくずっと図書館観察を続けていたら、
掲示板の前で足を止めなかったら、

この茶道サークルに出会えなかった

・二つ目のサークル


茶道サークルを楽しく続けるうちに「もっとなにかやってみたい!」
いい欲が出てきました
また掲示板を見に行き何かいいものはないか?
コレ!と心が反応するものはないか?

ありました
最初は無理、と却下をした運動系に心が動きました
ピラティス
名前しか聞いたことがなく、ヨガの親戚みたいな知識しかなかったのですが
ちょっと体も動かしてみたく、電話連絡をして体験を申し込みました

ピラティスは茶道と違ってメンバーも比較的多くていつも15人くらい参加していました
先生が元気で面白く、体育大嫌いの私が一生懸命に体を動かすなんて
いったいどこの誰が想像したでしょう?
ピラティスの動きもしばらくは辛かったり、できなかったり、
「愛音さん惜しい!」そう先生に笑われながら直されるのは毎回のこと

ここで教わったのは「先生ー、出来ません~!」を伝えることと
大勢の前で沢山笑うことを覚えました

学校にいた私は出来ませんなんて言いたくないから、頭をフル回転させ出来るに変えて
大勢の中で大きく沢山笑うのは私らしくないと思い込み封印していたんです
(我ながら随分とバカな無理をしていました)

毎週体を動かし、沢山笑って、人前で恥をかくときもありました、
それら全部プラス作用があり、心と体がどんどん健康になっていくんです
体を動かすと適度に疲れ、夜ぐっすりと眠れます
性格の違うメンバーさんと出会い、話しかけることで心が成長していきました
成長していき多少のことでポキっと折れることのない心になりました

私に起きた最初の偶然は地域サークルになります

*愛音*

もしよろしければ「あの頃すべてに必死だったね・・・」も合わせて読んでみてください


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