見出し画像

すべての偶然を愛している・・・3

こんにちは、精神障害ピアサポート専門員愛音です
前回最後に予告?をしたとても大きな変化を起こしてくれた鍵と扉
そのお話をしていきます

この偶然がなかったら私は今も働くまで回復をしていなかったでしょう

・自分でやってみてもいい?

自立支援医療、を聞いたことありますか?
精神疾患を対象とし継続的に通院する人への制度です
通常だと3割負担である医療費がこの制度のおかげで1割負担になります
毎年自立支援は役所で更新をします
主治医の診断書が必要な年と
書類記入だけで更新できる年が交互にあります

私はこういった手続きを父に任せていました
だけどある年【自分でやってみてもいい?】と聞きました
そして父と一緒に保健センターに行き受付の職員さんに丁寧に教えてもらいながら
自立支援の手続きを初めて自分で終えました

・・・ここで最高の偶然が起きたんです

・それなら、ここでやっていますよ

書類を書き終えて職員の方がチェックしてくれ、完了しました
でもまだ椅子から立ち上がりませんでした
「職員さんに聞きたいことあるんでしょ?」
父の言うように聞きたいことがありました
だから自分で保健センターに行き手続きをしたいと言い出したんです

「あの…デイケアが、どこでやっているか、とか教えてもらえますか?」

自分の世界を広げたいと主治医やカウンセラーさんに相談
すでに地域サークルに入っていましたが
障害を持つ人の集まりにいることで広がる世界がある
そこでデイケアを勧めてくれました

だけどネットでデイケアを探しても上手くいかず
それなら保健センターで聞いてみようと思ったんです
ドキドキしながら聞くと目の前にいた女性職員さんが

「デイケアならここでもやっていますよ」
「・・・!?」
「私がデイケアを担当しているので案内しましょうか?」

この保健センターでは月に二回デイケアルームで活動をしていました
この日は活動日ではなかったのですが女性職員のGさんが
案内と説明をしてくれました

デイケアルームには机とホワイトボードと簡単な調理スペースがありました
ここではみんなでお昼ご飯を決めて、必要な材料をホワイトボードに書き出し
300円をそれぞれから集めると係を決めるくじ引きをします
職員と一緒に数名の買い出し係の利用者が近くのスーパーに行きます
買い物が終わると調理スタート、

「面白そうです」
「よかったら一度体験しませんか?」
「次の活動はいつですか?」
「それが、明日なの」

偶然の連鎖・・・まるでここにおいでと手招きされている気分です
父の顔を見ると「愛音がやりたかったらやれば?」そんな顔をしていました
その場で体験の申し込みをしました



・得意なことは・・・料理?

ドキドキに浸る間もなく明日はやってきました
サークル初日も緊張していましたが
デイケアは特別でした
障害を持った人たちと今まで触れ合ったことがなかったんです
だからどういう人がいるのか見当もつかない
年齢もバラバラだとGさんは言っていました
デイケアルームに行くと女性ばかり6、7人くらいいました
そして体験には私ともう一人若い男性
言われないと障害があることは見た目からは分かりませんでした
それは私もなのですが…

簡単な自己紹介をして得意なことを聞かれると
「多分…料理かなぁ」
引っ越してから料理をするようになったので
レシピを見ながらなら大抵のものは作れました
するとメンバーから「すごーい」との声が
ここでは毎回お昼ご飯を作るので料理が好きだと楽しみになるわね、とGさん

この日のお昼ご飯は今でも忘れません【親子丼】
なぜ忘れていないのか?
体験のはずの私が調理スペースのあちこちで呼ばれたからです
【愛音さん、私卵がうまく割れないの】
【肉の切り方あってるかな、ちょっと見てよ愛音さん】
【玉ねぎ大きさバラバラだ~、愛音さんどうすればいいの?】

体験の時点でメンバーのみんなに名前を覚えてもらえて
出来上がった親子丼は美味しい、美味しいと食べました

・新たな共通点

サークルでの共通点は【茶道をやりたい・体を動かしたい】
デイケアでの共通点は【精神障害をもっている】
メンバーたちはみんないつも仲良く話したり、料理したり
プログラムを楽しんでいます
共通点として障害がありますが
そのことを誰も気にしていない
デイケアが好きだから集まる、メンバーが好きだから話す
確かに手が震える方や、じっとしていられないメンバーもいましたが
その人へ対し差別的な目や嫌味を言う人はいません
月2回会える、メンバーとは楽しくいたいんです

ここに集まっていたメンバーから更に人生が動く偶然をもらえました
でもそれを書くのは、少し先になりそうかな?

*愛音*

「あの頃、すべてに必死だったね・・・」
不登校になり、精神障害を背負った私の自伝的エッセイになります

障害と一緒にもう一度前を向き生きようとした自伝的エッセイ
「すべての偶然を愛している」


サポートしていただけたら嬉しいです🌹 これからも頑張りますね!