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「僕の将来の夢は、

……宇宙飛行士になることです。」

子どもの頃の夢って、なんとなくスケールのでかいことを言いがちで叶いっこないものが多くて。
大人はそれを否定せず温かく見守るんだと思いますが、

Q.あなたにとってその職業ってどこからが夢見ごとだとおもいますか?

A.    戦隊ヒーローやウルトラマン、セーラームーン。
は、無理そうだ。
大統領とか総理大臣も…うーん?

ユーチューバーは現実味がないと思いきや副業の方も含めたら相当数いらっしゃいますね。
浸透するの早かったなー。
アイドルや俳優とかはどうかなぁ。
考古学者やミステリーハンターは?

正直noteという街にいる皆さんは、世間よりも柔軟な考えの人が多そうです。それで宇宙飛行士がなりたい職業の中でもハードルが高くて非現実的だと設定したのですけども。宇宙飛行士は叶う夢だと思われますか?

何はともあれ、

スタートレックのカーク船長がやりやがりましたね!90歳?いかすぜ!!

まぁ、彼は俳優で著名人で。財力もあっただろうし。
いや、財力がなくても90歳の、
あの日、みんなが夢中になったヒーローが「宇宙マジで行きてーな」つったら協力を惜しまないに決まっている。

とはいえやっぱり夢がありますよね。
いくつになっても夢を叶えようとする力がある人はカッコいい。

私は保育園の時に「アイスクリーム屋さんになりたい」と言ったら、保育園の先生に「おばあちゃんみたい笑」と貶された事に何気にショックを受けたのを覚えている。
今思えば「ちびっ子可愛らしい」というニュアンスがあったかもしれないしショックを受けることではないが、チビにはショックだった。閑話休題。

私が「妹が寝たきり」という家庭環境から介護福祉の道に進んだことは、はじめましてのノートという記事などで度々紹介している。
きょうだい児によくある、
親によく思われたいという打算や自己肯定感の低さがあったこと。将来の夢を確実に叶うレベル、失敗しない道を選んだこと。

私は人生設計において、
挑戦というものをしたことが無いのだ。

それを後悔しているわけではないが、
若く無知だからできただろう、高みに挑戦というリスクある選択をしなかったことに心残りは僅かにある。

できれば大学に行って、歴史や考古学、または哲学や宗教学など興味のある分野を学んでみたかった。
受験だけでもしてみるとか、一浪してでもとか考えられなかった。
これが私の越えられないハードルの限界だった。

このハードル高いだろうか、低いだろうか。

専門学校の授業は楽しかった。
介護福祉のために基礎的な表面的なこととはいえ、心理学や医学、生理学、方言や三線など多岐に渡る内容は私の興味ある学習だった。
お陰で小さな専門学校での2年間、何やかんや成績一位で卒業した。
袴姿でみんなの前で表彰されたこと。ちっぽけながら自慢であります。

ただ、少しちくっと胸が痛む事がある。

話が前後するが、それは新入生の自己紹介時ほとんどの人がこういうのだ。
「私は、家族に介護を要する者がいて、それをきっかけに病院などの医療介護に自然と興味を持ちました…」
わ、私と同じじゃないか!!

なんと、ほとんどの学生が家族の介護が身近にあり、
自分は介護の道しかない!と思い込んで介護福祉の道に来たのだ。

仲良くになるにつれ、身の上を知るとヤングケアラーの立場の人たちが多かった。
そしてやはりどこか自分を低く評価しており、
「介護くらいしか出来ることない」
「そしたら家族が助かるから」
「介護士になるのは天命だ。なぜなら家族が介護を要するから」といった塩梅で。

同じ身の上ながらやるせない思いがした。
この学生も私も、ちょっとでも他を目指すことを宇宙飛行士になると言ってるのと同じくらいに難しいことだと認識しているような感じだった。

実際、きょうだい児やヤングケアラーの人のブログなどをみると介護職や医療職についた人が多かった。
(私は優しさで選んだわけではないが、)
優しすぎる人が視野の狭いまま進路を選んだ果てのようで寂しかった。

介護職を軽んじてるわけではない。
ただ選択肢の幅、就学の幅を自ら知らず知らず狭めている事が悲しい。

「本当はパティシエになりたいんだよねー」
なればいい。頑張ってみたらいいと思う。
でも本人がそれを「まあ、夢のまた夢だよねー。」
と言ったらそれはもう叶わない。

それが嫌なんだ。



ヤングケアラーやきょうだい児という言葉が世間に浸透すると
それから差別が広まったり、本人が自身は恵まれない身なのだと鬱屈する原因になりかねない。

が、一応定義を書き留める。

きょうだい児とは、
病気や障害を抱える兄弟姉妹を持つ子どものことをいう。「児」とあるが、成人の場合でも同様の問題が成立しうるため、本記事では児童の場合と成人の場合とをまとめて扱う。 きょうだい児は、親の関心が自分以外に集中しがちな上、周囲にからかわれて傷つくなど孤独感にさいなまれやすいとされる。wikipediaより引用
ヤングケアラー(英語: young carer)とは、
通学や仕事のかたわら、障害や病気のある親や祖父母、年下のきょうだいなどの介護や世話をしている18歳未満の子どもを指す[1]。

家族の病気や障害のために、長期のサポートや介護、見守りを必要とし、それを支える人手が十分にない時には、子どもであってもその役割を引き受けて、家族の世話をする状況が生じる。介護のために学業に遅れが出たり、進学や就職を諦めたりするケースもあるといい、実態の把握が急がれている。
Wikipediaより引用
(アダルトチルドレンの気質の人が多いのも特徴)


この中に当てはまるような子がもし身近にいたら、
それとなく
選択肢は実は多い事。
視野を広げてみることが時には必要なこと。
自分の人生は他人に決めさせてはいけないことを
誘導してあげてほしい。

奨学金制度などのバックアップの種類。
どんな仕事をしても家族は立派になったことそのものを喜ぶこと。
など、知らずにいる子は実は多い。
進路指導をうまく活用できない、親が理解できていないこともある。

つっても私はあまり人のことを言えないか。
30過ぎて「介護の仕事しかしたことないからこれからも介護職するんじゃないかなー」と漠然と思っている。

90歳のカーク船長が、
自分の1/3のしか生きてない若造がこんなこと考えてると知ったら呆れるだろうか。
喝を入れられたりして…。え、怖いな。

これを機に改めて自分のやりたい事を我慢せずにやってみようと思う。何度失敗したり、諦めて再挑戦してもいいはず。計画通りなんて難しい!


進学や他の職への再出発は何となくハードルが高いままなので、
まずは我慢していた趣味を謳歌し、経験を積むという我が儘を突き進む次第である。
ちゃんと社会に戻って今の寄り道分を取り返すつもりなので許せ。

32歳9月、返済分全額突っ込んで放置してた口座を、なんとなしに記帳したらちょうど今月で奨学金の最後の返済が終わった事を知りました。

その記念に、
未来ある90歳以下の人に、夢を叶えるチャンスはまだまだあるらしいですよ!と己を交え鼓舞する。

    おゝ、牧人等の女王様!
  彼等に酒をお与へなされ
  正午、海水を浴びるまで
彼等の力が平静に、持ちこたえられますやうに。

中原中也 訳「ランボオ詩集」
「感情にしか頼れない場合もあるよ、
 我々人間にはね?」

ジェームズ・T・カーク

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