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【ココロノマルシェ回答】悩ましい妄想や根拠のない推測・・・その奥にあるものと、「疲れ」の理由とは?

こんにちは。
ライフストーリー インタビュアー/心理カウンセラーの 真中愛です。


今日は「ココロノマルシェ」に寄せられたお悩みに回答します。

↑ ココロノマルシェへの投稿はこちらから


勝手に推測、妄想して悩みます。
みーおばさん

初めまして。長くなることをあらかじめお詫び申し上げます。
アラカン、女性です。久しぶりに男友達(趣味上で)ができました。
そのせいか、ほのかに恋心が。で、その人はア〇ウエイのような販売方法の化粧品やサプリの販売員でした。おためし商品が良かったので購入しました。(ただし、化粧品やサプリの販売を仕事にすることはきっぱり断りました。)
ここから私の苦悩が始まりますww
まず、化粧品やサプリを買わなくても趣味のことで会うことが何度もあり、「彼も私に惚れている」と推測そして妄想。
ところが今年の3月初めから約2週間ラインが来なくてちょっと悩みました。
この間も嫌われた?彼はロックマン?など推測妄想しまくりました。(苦笑)
その後ラインが来て、欲しい商品があるので家に送ってもらうか家の近くまで持ってきてもらうかということになりました。この間、彼の説明不足から私の妄想が始まりました。
そしてつい1時間ほど前、最寄り駅まで商品を持って来てもらいました。
彼の態度はごく普通でした。趣味のことで会おうか?という話も出ました。

主人には、趣味のことで男友達ができたこと、その人から化粧品やサプリを買っていることは話しています。私の恋心はもちろん話していません。趣味で会うときもサプリを買うときも主人には正直に話しています。主人は私の趣味に興味がないせいか「会ってくるね。遊んでくるね」と言っても「あんまり遅くならないように」みたいなことを言うだけでイヤな顔はしません。彼と会った後、どこに行ったとかの報告もきちんと話しています。

乱文になってしまい、すみません。妄想や根拠のない推測を辞める方法を教えて頂けませんか?楽しい時の妄想は、「彼と二人きりで旅行する」みたいなことを長時間考えます。
イヤな妄想は「彼はサプリを売るために私に近づいた。」ちょっとした行き違いがあったりすれば「私をバカにしてるの?」「もう、彼からサプリは買わない!」「趣味で会うこともやめる」など悪い方にどんどん行きます。

年齢のせいか、仕事や毎日の主人との生活に支障はでていませんが良い妄想?も悪い妄想もちょっと疲れます。
なにか、お言葉を頂ければありがたいです。よろしくお願いいたします。

みーおばさんこんにちは、はじめまして。
「ココロノマルシェ」へのご相談ありがとうございます。
真中愛が回答させていただきますね。


みーおばさん、ではなくみーちゃん、とお呼びしたくなってしまうくらい、なんてかわいらしい方なんだろう!というのが、ご相談文を読んでまず私が感じた印象です。
30代結婚5年目の奥さまからのご相談、でも十分通りそうです。
きっと外見もかわいらしくて若々しいエネルギーにあふれた方なんだろうなあと、私の妄想も膨らみます。笑


そんなみーおばさんは恋心と彼の言動に振り回されて、根拠のない推測や妄想がたくましくなることに少々疲れてしまっているのですね。
それでも、そういうことも含めて久しぶりの恋愛を楽しんでいる面もあることがそこはかとなく伝わってきて、とっても素敵なことだなあと思いながら読み進めました。
だからこそこの一文は、私にとってちょっと唐突に感じるものでした。

妄想や根拠のない推測を辞める方法を教えて頂けませんか?

どうして「ほどほどにしたい」とか「悪い妄想はしたくない」とかではなく、きっぱりと「辞めたい」なのでしょう。
旅行の妄想をしている時は楽しい気持ちになると思うのですが、それさえも辞めたいのでしょうか?
この「辞めたい」という比較的強い言葉が、現実で起こっていること、そしてみーおばさんの内面で起こっていることに対するとまどいを表しているのではないだろうか、と私は感じました。

「現実で起こっていること」のそもそもの始まりは、

アラカン、女性です。久しぶりに男友達(趣味上で)ができました。
そのせいか、ほのかに恋心が。

という出来事ですよね。
彼と出会い、久しぶりの恋心を抱いたみーおばさん。
この「起こったこと」がみーおばさんにとって何らかの意味があるとするならば、それを読み解いてゆくことが、内面のとまどいと向き合うカギになるのかもしれません。


楽しい時の妄想は、「彼と二人きりで旅行する」みたいなことを長時間考えます。
イヤな妄想は「彼はサプリを売るために私に近づいた。」ちょっとした行き違いがあったりすれば「私をバカにしてるの?」「もう、彼からサプリは買わない!」「趣味で会うこともやめる」など悪い方にどんどん行きます。

妄想とは、端的に言えば「なりたい自分の姿」を想像することです。
みーおばさんは「彼と二人きりで旅行する自分」になりたいのですね。
同時に、「彼に利用され、バカにされ(という正当な理由をもって)、会うことをやめる自分」にもなりたいと、心のどこかで願っているということです。
このアクセルとブレーキを両方踏んでいるような状態は、「彼と二人きりで旅行する自分」になりたいけれどなりたくない、つまり「生きられない自分の姿」を生んでいると言えます。

彼との出会いの意味のひとつ、それは「生きられなかったもうひとりの自分」と出会うことなのかもしれません。
それが今というタイミングであることにもまた、意味がありそうです。


みーおばさんがもうすぐ迎えられる(あるいは近年迎えられた)還暦は、「人生を一巡し、新しく生まれ変わる」年齢として、昔から人生において大きな節目の年とされてきました。
生物学的な面から見ても、この時期に心身に起こる変化を受け入れるために「お祝い」という形で区切りの儀式をしてきたことは、生きていくうえでの人間の智慧だと言えます。

60年の人生を総括し、区切りをつけたうえで、新しい人生を始める。
そんな場面で「生きられなかったもうひとりの自分」に出会うような出来事が起こる。
このことから、おそらくみーおばさんは自然体で人生の流れに乗って生きて来られた方なのではないかな、ということを感じました。


「生きられなかったもうひとりの自分」
「今までの人生でやり残したこと」
そのように言われたとき、みーおばさんが思い浮かべるのはどんなことなのでしょうか?
もしかしたら、恋愛もそのひとつなのかもしれませんね。
還暦を境に「新しく生まれ変わる」のだとしたら、みーおばさんはそのうちの何を引き継いで、これからの新しい人生でも追いかけてゆきたいですか?
逆に、人生の節目とともに区切りをつけて、ここで終わりにしようか。
そう思うものはどんなことでしょうか。

もちろん、体力的なこと、経済的なこと、社会的慣習(退職の年齢に達するなど)、家族やまわりの環境との兼ね合いなど、自分の意思通りにならないことも少なくはないでしょう。
しかしそういう制約も含めたうえでの取捨選択を、現実面でも内面的にもこれからいくつも迫られる、そういう人生の大きな転換期を今みーおばさんは迎えているのだと思います。
彼との出会いはある意味その象徴的な出来事なのかもしれません。
彼に関する推測や妄想は、彼個人ということを越えて「恋愛」というものをこれからの人生に引き継ぐか否かの選別をかけている作業だとしたら?
一見するとちょっとした恋愛の悩みのようですが、人生の節目の渦中だけあって心理的にはもっと大きな意味を持っており、心への負担は案外大きいのかもしれません。


年齢のせいか、仕事や毎日の主人との生活に支障はでていませんが良い妄想?も悪い妄想もちょっと疲れます。

そこで、妄想に対して「年齢のせいか、ちょっと疲れます」と感じる理由をさらに深堀りして、私が着目したふたつの側面をお伝えしようと思います。

まずひとつめは、身体面から。
久しぶりの恋心ということで、みーおばさんは今もしかしたら女性ホルモンがあふれ出ているかもしれません。
恋愛と女性ホルモンとの相関性については諸説ありますが、まったく無関係ということはないと私は思っています。
アラカンという年齢のみーおばさんは、普段女性ホルモン値が大きく上下することはおそらくあまりなかったでしょう。
そこへ恋愛という刺激が女性ホルモンの分泌を促したとするならば、体にとっては急激な変化であり、それが疲労感につながっている可能性もあります。
ホルモンに限らず恋愛が体に与える影響は無視できませんので、それが年齢的な体の変化のきっかけにもなり得るかもしれません。
そういう意味でも、ご自身の身体を今までよりもすこし注意深く観察することを心がけてみてはいかがでしょうか。
もし不調を感じたときには無理をなさらずゆっくり過ごすようにしてくださいね。


そしてふたつめは、「生」に意識が向くことへの心理的葛藤です。
先ほど触れたように、彼との出会いによりみーおばさんの意識の深いところでは「恋愛」というものをこれからの人生に引き継ぐか否かの選別をしているのかもしれません。
恋愛というのは「子孫を残すこと」に通じるもので、まさに「生」の最大の使命であるとも言えますよね。

もし今、意識が「生の使命」へと向かうのであれば、みーおばさんにとってそれは逆行と言えるのではないでしょうか。
意識の深いところで起こっている逆行への抵抗が、妄想(選別する作業)での疲れを感じさせているのかもしれません。


今、人生は100年時代と言われています。
そもそものご相談文から察しても、みーおばさんは心身ともに実年齢よりかなりお若い方なのだろうと想像できます。
しかしそういったことや自分の意識の持ち方や体力やライフスタイルとは関係なく、還暦前後という年齢であれば、人間の潜在意識の深いところでは死への準備が始まっています。

これからどう老いを受け入れていくのか?
これからどう死を受け入れていくのか?

人間としての自然の摂理に沿ってゆくために、潜在意識はそれらへ意識を向けることを今後さまざまな場面で求めてきます。

しかし、逆説的になりますが、老いや死を背後に見据えたとき、

自分はこれからの人生で何をしたいのか?
自分はこれからどう生きていきたいのか?

という問いに対する答えは、今までにはない鮮明さをもって認識できるようになります。
このことは、人生後半の最大の恩恵のひとつだと私は思っています。


みーおばさんは、これからの人生で何をしたいですか?
これからどんなふうに生きていきたいですか?

今回ココロノマルシェでこのように問わせていただくことになったきっかけが男性との出会いだということを考えると、あることが見えてきます。
今みーおばさんが感じているとまどいや疲労感を癒し、人生の大きな転換期をスムーズに乗り越えてゆくための鍵は、旦那さま、ひいては夫婦関係にあるのではないだろうか?と、私は感じています。

みーおばさんが書いてくださった、旦那さまとの関係。
率直に言って、うらやましくなってしまうくらいに素敵な関係ですよね。
長く、そして良い時間を共に重ねたうえでの、お互いへのあふれる愛と信頼がたくさん伝わってきます。
多くの女性が憧れる、相互依存をかなえたパートナーシップのヴィジョンではないでしょうか。

これから旦那さまと一緒に、私はどう老いと向き合っていくのだろう?
旦那さまと自分の最期を受け入れてゆくために、今できることは何だろう?

そんなことを少しずつ、考え始めても良いのかもしれません。

それらをぼんやりと背後に見据えた形で、自分の仕事や趣味、男友達とのつきあいはこれからどのようなものにしていこうか?
どのくらいの加減や、割合や、ペースが自分には心地いいだろう?
旦那さまとはなにを共有して、どんな自分の世界を持ちたいのだろう?

そんな「人間としての自然の摂理」に沿った妄想は、心身に負担をかけるのではなく、むしろいらないものを削ぎ落し、どんどん軽くしてくれるものになるでしょう。
みーおばさんのその軽やかな姿は、旦那さまはもちろん、あらゆる世代の人たちに希望の光を与えるとともに、老いや死を受け入れながら心身ともに豊かに生きてゆくという、女性としても、人間としても成熟した大人のヴィジョンになるのではないでしょうか。


アラフィフである私も、みーおばさんと一緒にそろそろそんな妄想を始めてみようと思います。


お読みいただきありがとうございました!


■真中 愛【ライフストーリー インタビュー/カウンセリング】

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