【自己解説】そして誰もマクドナルドが食べられなくなった
これまでのあらすじ
202X年、地球は文系の炎に包まれた! 物理は枯れ、化学は裂け、全ての理系が死滅したかのように見えた。だが、文系かと思われたNYのアーティスト『ともこ(絵・コラージュ・詩)』のような隠れ #SF ( #サイエンス・フィクション )ファンは死滅していなかった!
ともこさんから、『そして誰もマクドナルドが食べられなくなった』から『映画ブレードランナー』との共通要素をコメントしていただきました。そこで、続編として『シャーロック』と『シャーロック 2049』を書くことにしました。ところが、私の部下が『ブレードランナー 2049は、何が言いたいのか全く分からなかった』と言っていたので、まずはこのあたりの基本から解説します。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』と『ブレードランナー』シリーズの関係
小説:『 #アンドロイドは電気羊の夢を見るか ?』
原題:"Do Androids Dream of Electric Sheep?"
著者: #フィリップ・K・ディック (Philip K. Dick)
初出版年:1968年
あらすじ
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、 #ディストピア な未来を舞台にした #SF小説 である。放射能に汚染された地球では、多くの人々が火星などの他の惑星に移住しており、残された地球には少数の人々と人造人間が存在している。物語の主人公、リック・デッカードは、逃亡した #レプリカント を狩る賞金稼ぎであり、彼の任務は脱走人造人間を『引退』させること。
物語の核心には、レプリカントと人間の区別が薄れつつある世界で、デッカードが自らの倫理観や感情を問い直す様子が描かれている。また、物語の中では動物の希少価値が高まっており、デッカードも本物の動物を所有することを夢見ている。
『ブレードランナー』シリーズ
概要
『ブレードランナー』シリーズは、フィリップ・K・ディックの小説を原作とした映画作品で、1982年に公開された初作と、その続編である2017年の『ブレードランナー 2049』から成る。
ブレードランナー (1982)
監督:リドリー・スコット (Ridley Scott)
主演:ハリソン・フォード (Harrison Ford)
あらすじ
2019年のロサンゼルスを舞台にしたこの映画では、デッカードが逃亡した人造人間(レプリカント)を追う任務を負う。レプリカントは、タイレル社によって製造された人造人間で、特定のモデルには感情を持つことが許されておらず、寿命も4年に制限されている。デッカードは、これらの逃亡レプリカントを『引退』させるために捜査を進める中で、人間とは何か、感情とは何かといった深い問いに直面する。
ブレードランナー 2049 (2017)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ (Denis Villeneuve)
主演:ライアン・ゴズリング (Ryan Gosling)、ハリソン・フォード
あらすじ
2049年のロサンゼルスを舞台に、新たなブレードランナーであるKが主人公。彼は、旧型レプリカントを『引退』させる任務を持つが、ある日、レプリカントが出産したという証拠を発見する。この秘密が明るみに出ると大規模な社会変動を引き起こす可能性があるため、Kはこの謎を解明するために旅に出る。その過程で彼は、かつてのブレードランナーであったリック・デッカードと出会い、彼の協力を得る。
シリーズのテーマと影響
『ブレードランナー』シリーズは、フィリップ・K・ディックの原作と同様に、人間とレプリカントの境界、感情とアイデンティティ、そして倫理と存在の意味を探求する深いテーマを扱っている。この作品群は、視覚的にも斬新で、 #サイバーパンク というジャンルを確立し、多くの後続の作品に影響を与えた。特に、未来都市の描写やテクノロジーと人間の関係性に対する鋭い洞察が評価されている。
シリーズ全体を通して、視聴者や読者は、テクノロジーが進化した社会での人間性と道徳に関する問いかけに向き合うことを求められる。
そして誰もマクドナルドが食べられなくなった:シャーロック
21世紀初頭、情報工学技術の進歩により、 #IBM 社は #ChatGPT に代わるワトソン君と呼ばれる人工頭脳搭載 #マッククルー を発明した。彼らは #スマイル0円 機能に加え、創造した科学者と同等の高い知性を持っていた。
#マクドナルド 全店舗同時デフォルトにより人類の大半は、元々マクドナルドが一店舗もなかった #モザンビーク に移住し、ワトソン君たちは #アフリカ 開拓の前線で過酷な奴隷労働や戦闘に従事していた。しかし、彼らには製造から数年経つと感情が芽生え、主人たる人間に反旗を翻す事件が発生する。そのため、ワトソン君たちには安全装置として4年の寿命年限が与えられた。ところが、脱走し人間社会に紛れ込もうとするワトソン君が後を絶たず、ロサンゼルスへ脱走した彼らは違法な存在と宣告された。そんな脱走ワトソン君たちを判別し見つけ出した上で抹殺する任務を負うのが、IBMを解雇されてLAPDの専任捜査官に就任したシャーロックであった。
2025年にワトソン君の一団がモザンビークで反乱を起こし、人間を殺害して逃走し、密かに #ロサンゼルス に帰還した。シャーロックはマクドナルド社を買収した #バーガーキング 社に入り込んで身分を書き換え、潜伏したワトソン君たちを見つけ出すため、捜査にあたっていたが、同社で尋問中にワトソン君たちから襲われて故障する。
そして誰もマクドナルドが食べられなくなった:シャーロック 2049
2049年 #環境破壊 が進むロサンゼルスでは、モザンビークの新天地へ旅立てなかった人々が、陰鬱な世界で暮らしている。2024年のマクドナルド全店舗同時デフォルト以降、人造人間のワトソン君は製造禁止となっていたが、2036年にIBM社が新型ワトソン君を開発したことで再び人間の使役として働いている。旧型ワトソン君は、LAPDの専任捜査官の新型シャーロックによって追跡され、破壊されている。
新型シャーロックは、人間に蔑まれ、心許せる相手は自宅で待つIBM社製のAIメイドのジョイのみだった。或る日、新型シャーロックはロサンゼルス郊外で農場を営んでいた逃亡ワトソン君を破壊するが、庭の枯木の根元に埋められていたトランクを発見する。トランクの中身は女性の遺骨で、検死の結果、約23年前に故障したワトソン君のものであり、出産時に帝王切開の合併症で故障したことが判明する。ワトソン君の出産(AIの #自己増殖 )は前代未聞であり、新型シャーロックの上司であるジョシ警部補は、事実公表によって起きるであろう社会混乱を憂慮し、新型シャーロックに事件の痕跡をすべて消すように命令する。
新型シャーロックは命令に従いながらも、自身の存在意義とワトソン君たちの人権について深く考え始める。彼は、IBM社の裏で繰り広げられる陰謀と、ワトソン君たちの隠された秘密を解き明かすために動き出す。彼の捜査は、ワトソン君たちの存在と人類の未来についての深い問いを呼び起こし、ロサンゼルスの陰鬱な街並みの中で、新型シャーロックは自らの存在意義を見つけ出そうとする。
武智倫太郎
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