もう少し、あなたのとなりで
朝起きて顔を洗う。これが高梨結子(たかなしゆいこ)の日常だ。おそらくどこの誰だろうと大して変わらないだろう。
「結子~。制服用意したから早く着替えなよ~」
少年の声が寝室から聞こえる。世話焼きな同居人が気を利かせてくれたようだ。
「はいは~い。すぐ行くから待ってて~」
歯を磨いて宣言通りすぐに寝室に向かう。
そこには焦げ茶色の異形があぐらをかいて待っていた。
「まったく、あんまり時間ないよ?昨日夜更かしするからこうなるんだよ?」
異形がガミガミと叱る。
結子はそれを聞き流しな