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何も考えてなかった。
深く考えず東京でサラリーマンとなった。

現在一週間の殆どの時間は仕事という楽しくも無い行為に費やされる。
雇われサラリーマンだから仕方がない。今まで頭を使ってこなかった代償だ。

ま、生活に困窮してるわけでもない。
小さいけど家も買って嫁もいる。子宝には恵まれていないけど、かわいい猫もいる。

でも、今の生活にはどこかに閉塞感があって、ホントにやりたい事とはやっぱり違う…と思うことが最近多くなった。

人生は自分に与えられた時間をどう使うか探求するもの

と考えた時、サラリーマンってのはつくづく無駄な行為だと思う。人によるんだろうけど。

人生金がすべてでは無いけども生きているだけで金は要る。
だったらやりたいことをやってお金を手に入れたい。

そんな事に気がついた時にはもう30歳も半ばを超えていた。

小さな頃、両親が言っていた事が今ならよーく分かる。

何かを始めなきゃと焦燥感が生まれ、何かに追われるような生き方に変わっていって、いつの間にかやりたい事ではなくて、できる事をやる人生になってしまった。


とある連休。

連休に絡めて社畜の唯一の権利を駆使し少し長めの休みをとった。特に理由はなかったけど。

思いつきで 目的地は京都 とだけを決めて旅に出た。
キャリーケースも持たないで小さなカメラと手提げ程度の荷物だけを持って車のハンドルを握った。

季節は春。

京都には市内の至るところに桜がある。
桜の点在する街は結構あるけども、京都は少し趣きが違う。

桜は季節と年度や行事の節目に咲くため非常に心に残る象徴的な花。
年齢を重ねると桜に時の移ろいが重なって見えるようになり、お寺や神社に桜が咲いているだけで感慨深い風景に変化するのである。
小さなころは全く興味がなかったのに、不思議なもんだ。

京都にはそういう風景が点在する情緒溢れる街。

そんな街中を窓を開けて腕をかけてゆっくり走る。
鳥のさえずりと、新緑の匂いが気分もアクセルを踏む足も緩やかにしてくれる。

ただひたすら気になった風景の方へ走り、好きな時間だけ写真を撮り、また車を走らせる。

電車のダイヤも飛行機の乗り継ぎもチェックインの時間も無い。
インスタのチェックもしない。

ふと立ち寄った神社の縁側に座って
この先何があるんだろう?
どんな景色かな?
今日はどこに泊まろう?
この神社の写真はどうやったらうまく撮れるだろう?
どれだけの人が同じようにここで桜を愛でたのだろう?

と色んな事に思いを馳せる。



何も決まってない、今から自分で決める。自分だけのために。
こんなにも楽しい事だと思いもしなかった。

まるで夏休み前日の下校途中のような開放感。

自由で制限のない自分だけで使える時間が待っている。そう思うだけで足どりが軽くなり気分が上がる。

これが旅か。

心からそう思った。
それから私は毎年旅に出るようになった。

今年はどこへ旅に出よう?

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