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役員報酬いくらにする?

こんにちは、公認会計士の三上光徳です。

前回は、役員報酬の基礎知識の説明をしました。


本日は役員報酬はいくらが妥当か、という点について考えてみます。




役員報酬を決める際のポイント


まず大原則として、以下を理解しておいてください。

それは、『正解はない』ということです。
役員報酬の額に絶対的な正解はありません。しかしながら、考えるべきポイントはいくつかあります。そして、どのポイントを優先するのか?どのポイントを重視するのか?を経営者自身が判断して決定するのです。

ということで、以下ではポイントとなる事項を説明していくことにします。



考えるべきポイント1:法人・個人の所得。法人・個人の税率。


特に、100%株主でありかつ代表取締役である場合、いわゆるオーナー経営者の場合を前提に考えてみます。

例えば役員報酬を1,000万円と決めると、法人にとっては役員報酬という費用が発生することになり、その分利益が押し下げられます。
しかし一方で、代表取締役個人にとっては1,000万円の給与所得が発生することになり、個人としての所得は増加します。


また法人と個人では税率にも違いがあります。

法人の場合、税率は基本的には一定ですが、所得400万円と所得800万円のラインで税率がアップするという仕組みになっています。
個人の場合、所得税率は所得が増えれば増えるほど適用される税率も高くなっていくといういわゆる“累進課税”の仕組みとなっています。

このあたりの大枠を把握した上で、実際にシミュレーションをしてみるとよいでしょう。



考えるべきポイント2:経営者個人と会社が一体となって、投資資金を貯蓄するという視点


ポイント1でも説明したとおり、特にオーナー経営者の場合、経営者個人の話と会社の話は常に連動します。その連動性を常に意識しながら、どうやったら資金を有利に貯めていくことができるか?という視点を持つことが重要です。

そうやって貯めた資金を会社の成長のために再投資するというサイクルを作るのです。



考えるべきポイント3:役員報酬は、いざというときの会社の軍資金でもある


経営者の役員報酬は経営者の生活資金ではありますが、
一方で、会社に再投入できる軍資金であるということも忘れてはなりません。
経営者個人の資金は、会社のピンチを救うためのお金でもあり、会社の成長のチャンスにかけるお金でもあるのです。



考えるべきポイント4:会社の利益が赤字にならないラインは維持する


会社の利益が赤字になるかならないかのラインは、明確に意識しておきましょう。そして、会社の利益が赤字にならないラインに役員報酬の額を設定することを基本としましょう。
役員報酬を高くしすぎたせいで、会社の利益が赤字になってしまうという状況は、バランスとしてはおかしいです。融資を受ける際などに、マイナスの影響が出てしまうことも念頭に置いておく必要があります。将来の事業計画を見直しながら、その原因を探り、バランスを整えることが必須の作業となります。

三上光徳

アガットイノベーション




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